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「感謝を伝えるコーヒー」が笑顔を生む 実証実験で笑顔率1.4倍、職場のウェルビーイングにも効果

月刊総務オンライン

「感謝を伝えるコーヒー」が笑顔を生む 実証実験で笑顔率1.4倍、職場のウェルビーイングにも効果

Maison Technology(東京都港区)は8月25日、オカモトヤ(東京都港区)およびクウジット(東京都港区)と共同で実施したオフィス空間に関するウェルビーイング実証実験の結果を公表した。実験は2025年5月から約1か月間行われ、職場における感謝と笑顔の効果を検証した。

同実験は、コーヒーやお茶を同僚に入れ、感謝のメッセージを添えて渡すもの。結果として、オフィス内の笑顔率がイベント前後と比較して約1.4倍に向上し、感謝やつながりに対する意識の変化も確認された。

「Thanks Brew-感謝を淹(い)れる」施策の概要

実証実験では、ウェルビーイングの構成要素として「身体的=笑顔」「精神的=感謝」「社会的=つながり」の3つを定義。それらがオフィス空間において自然に連鎖し、好循環を生み出すことを目指した。

社員は期間中、1日1杯無料でコーヒーまたはお茶を飲めると同時に、感謝のメッセージを添えて同僚に飲み物を入れて渡す体験に参加した。実験では、コーヒーのドリップ待ち時間が自然な会話や笑顔を生む機会になるという仮説の下、空間における感情や表情の変化をWebカメラとアンケートにより可視化した。

イベントフローと表情計測に用いたツール(※画像クリックで拡大)

笑顔の増加と持続性、感謝意識の高まりを確認

実証実験の結果、イベント期間中の平均笑顔数および笑顔率は、イベント前後と比較して統計的に有意に増加(p=0.012)。さらに、イベント終了後も笑顔率は実験前と比べて10%高い傾向(p=0.07)を示し、施策の効果が一過性にとどまらず一定期間持続していたことが示された。

また、実験前後のアンケート調査(n=113)では、「感謝」や「つながり」を意識する頻度が参加・不参加を問わず統計的に有意に向上した(p=0.001)。職場全体の心理的ウェルビーイングに対してポジティブな影響を与えたことがうかがえる。

※画像クリックで拡大

「一緒に入れる」ことで笑顔が共起、つながりの深化も

笑顔の発生状況を分析したところ、1人でいるときよりも2人以上で一緒に行動した際の方が笑顔の出現率が有意に高かった(p=0.01)。また、「誰にコーヒーを入れたか」の問いには「同僚」や「チームメンバー」が多く挙げられ、理由として「日ごろの感謝を伝えたかった」「頑張っていることへのねぎらい」などが多数を占めた。

※画像クリックで拡大

この結果は、施策が単なる福利厚生にとどまらず、職場内の信頼関係や心理的安全性を高める効果を持ち得ることを示している。

背景と活用された技術・サービス

同施策は、オカモトヤとクウジットが2024年に実施した笑顔を可視化する施策「スマイルウエンズデー」の知見を元に立案された。オフィス空間のウェルビーイングを「感情・関係性・空間」から捉える取り組みの一環である。

「Thanks Brew」実施にあたっては、オカモトヤが実験場を提供し、クウジットが表情認識技術「KART」により笑顔を計測。Maison Technologyが全体の空間企画およびデータ分析を担い、UCCグループのソロフレッシュコーヒーシステムがUCCの「DRIP POD」を提供した。

今後に向けた可能性

今回の取り組みにより、オフィス空間のハード面だけでなく、意識や関係性といったソフト面に設計・介入することで、空間がより豊かなウェルビーイングの場へと進化する可能性が示された。

同社では今後も、五感を介したウェルビーイング空間づくりに注力し、オフィスを単なる作業場から「人が活きる場」へと進化させるコンテンツ・指標の開発を進めていくとしている。

今回の実証実験結果の詳細は、同社公式リリース(PRTIMES)で確認できる。

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