真鶴町在住森花菜さん 体験学習で地域創生 県の公募事業で最優秀賞
真鶴町在住の森花菜(はなな)さん(18)がこのほど、県の「子ども・若者みらい提案実現プロジェクト」の中高生部門で最優秀賞を受賞した。森さんは県のサポートを受けながら、半年ほどかけて移住促進や体験学習のアイデアを町内で事業化していく。
同プロジェクトは若年層の意見を県の施策に反映させるため、子どもや若者が考えた事業提案を県が採択し、事業化する取り組み。県内の6歳から29歳を対象に、計102件の応募があった。
2月に参加した町の意見交換会をきっかけに現在、町の民謡をモチーフした新しい土産品「ぼんぼん鮫最中」の商品開発にも取り組んでいる森さん。その中で町役場の職員から同プロジェクトへの応募を勧められた。応募には他地域でも実施可能な内容が条件となっていため、人口減少が課題となっている町の魅力を発信し多くの人を呼び込むことができる企画を考えた。
商品開発を通じて森さんは、町長や町職員、飲食店など多くの人との交流から、物事を進める力や自分とは違う考え方、視点を学び、自己成長を感じたという。これらの経験から、体験学習の重要性を実感し、ほかの子どもたちにも体験する機会を提供したいと企画を練った。
森さんが提案したのは、地域への移住促進と小中高生の体験格差の是正を図るプロジェクト「体験学習×地域創生『りふれくCAMP』」。町に小中高生を招き、海や山での自然活動や地域活動、職業体験を盛り込んだキャンプを通じて、体験する機会の提供と町の魅力発信を目的としている。
中高生部門には30件の応募があり、先進性や独自性、有効性、発展性、実現性の観点から、森さんの案が事業化に値すると評価された。
森さんは「真鶴町にプロジェクトを持ってくることが出来てうれしい。お世話になった方々にお返しできる機会になれば」と話した。
今後、真鶴町や県が協力し、来年の3月頃をめどに事業を実施する予定で、みかん狩りや海の生物観察、ボランティア活動など、町内外から子どもたちを招く計画が進んでいる。森さんは「地域の人の温かさや自然の魅力を知ってもらえたら」と意欲を語った。