ジュード・ロウ、プーチン大統領を演じる ─ ロシア政治を演出した黒幕描く『クレムリンの魔術師』映画化
『ファンタスティック・ビースト』『シャーロック・ホームズ』シリーズなどで知られるジュード・ロウが、第4代ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンを演じることがわかった。米にてロウ自身が認めた。
ロウがプーチン役を演じるのは、巨匠オリヴィエ・アサイヤス監督の最新作『The Wizard of the Kremlin(原題)』。イタリア人作家・政治評論家のジュリアーノ・ダ・エンポリによる小説『クレムリンの魔術師』(邦訳版は白水社刊)を映画化するポリティカル・サスペンスだ。
1990年代初頭、ソビエト連邦が崩壊したあとのロシア。若きテレビプロデューサーのヴァディム・バラノフは、ロシア連邦保安庁(FSB)の有能な男ウラジーミル・プーチンに見出され、権力の中枢部で働きはじめる。バラノフは真実と嘘、ニュースとプロパガンダの境目を曖昧にし、ロシア社会を巨大なリアリティショーのように“演出”。学生時代からの恋人クセニアへの愛だけが、いまやバラノフを以前からの日常にとどめていた……。
2024年5月に伝えられた第一報によると、実在のロシア大統領補佐官ウラジスラフ・スルコフをモデルにした主人公バラノフを演じるのは、『THE BATMAN―ザ・バットマン―』(2022)『フェイブルマンズ』(2022)のポール・ダノ。共演には『グリーン・ナイト』(2022)のアリシア・ヴィキャンデル、『ハングオーバー!』シリーズのザック・ガリフィアナキス、「サンドマン」(2022-)のトム・スターリッジが名を連ねている(全員が現在も企画に残留しているかは不明)。
Deadlineの取材でロウが語ったところによると、撮影開始はまだ先のようで、プーチン役には「まだ本格的に取りかかっていない」という。「今はエベレストに登るような気分ですよ。“イエス”と言いながら、山頂のほうを麓で見上げて、“なぜ引き受けちゃったんだろう、一体どうすればいいんだ?”と思うことはよくあります。もちろん、それは僕が解決すべきことですが」。
監督・脚本はアサイヤスが務め、共同脚本は作家のエマニュエル・カレールが担当。アサイヤスによると、本作は『カルロス』(2010)や『WASP ネットワーク』(2019)に通じるキャラクター主導の作品になるという。「現代政治の危険な流動性を操る男たちの情熱に、私たちは現在進行している歴史の映画的広がりを見る。ドラマであり、アクションであり、この世界を最も奇妙かつ不穏に変貌させているカオスを理解しようとする作品です」。
ロウは本作のほか、ヴィキャンデルと共演した『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』(2月14日公開)にて、処刑を繰り返した暴君ヘンリー8世役を怪演。インタビューのなかでは、「肉体的にであれ精神的にであれ、これまで以上に自分自身とは異なる役をオファーされたり、挑戦を受けたり、(役柄を)発展させられたりする仕事を今はやりたい。年を重ねるにつれ、そういう機会が増えているように思います」と語っている。
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