国スポ フェンシング成年男子フルーレ 磐石な3連覇、三銃士の勢いは続く 【大分県】
佐賀国スポ フェンシング成年男子フルーレ
10月8日 SAGAサンライズパーク総合体育館
決勝 大分2-0東京
準決勝 大分2-1京都
準々決勝 大分2-1鹿児島
3連覇の偉業を成し遂げたフェンシングの成年男子フルーレの三銃士。今年の佐賀国スポにはパリ五輪のフルーレ団体で金メダルを獲得した選手らが出場しており、レベルの高い大会となったが、抜群のチームワークで頂点に立った。
フェンシングを始めた頃から顔見知りの3人は、日本トップランカーだ。9月17日時点のランキングでは25歳の上野優斗(エア・ウォーター)の10位をトップに、29歳の大石利樹(山九)が14位、24歳の中村太郎(同)が18位。小学生の頃から切磋琢磨し、互いを高め合ってきた。大石は「他のチームとは積み重ねた時間が違う。ジュニアの頃から互いの性格や特徴を知っている。1人が負けたとしても他の2人がカバーできる信頼感があるから思い切りできる」と言い切る。
3人の力を結集し、3連覇に輝いた
3回戦までは1番手の中村、2番手の上野までで決着がついたが、準々決勝、準決勝では3番手までもつれる接戦だった。大石は「どんな状況になっても自分が勝てばいい」とあらゆる想定を練り、準備を怠ることはなかった。冷静に試合を運び、確実にポイントを重ねて、相手に付け入る隙を与えなかった。
決勝はパリ五輪の団体金メダリスト敷根崇裕(大分市出身)を擁する東京都と対戦。出順を変更し、1番手に敷根を持ってきた東京に対し、大分は3年前から変わらぬオーダーで臨んだ。中村は9月の日本選手権で敗戦した敷根に対し、「同じ相手に何度も負けるのはプライドが傷つく」と臆することなく、出会い頭の攻防で先手を取ったことで優勢に試合を進めた。これまで何度も大きな壁となった敷根に勝利したことは、今後の成長を大きく加速させそうだ。最後のポイントを取ると雄たけびを上げ、喜んだ。
エースポジションとなる2番手の上野は「東京は敷根さんで勢いをつけたかったのだと思うが、太郎が勝った時点で僕たちの優勝は決まっていた」と相手の動揺を見逃さず、終始自分のペースで試合を進めて勝利。昨年1年間はけがで試合に出ることさえできなかったが、完全復活を印象付け、最優秀選手賞を獲得した。
決勝で勝利し雄たけびを上げる中村太郎
(柚野真也)