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横浜国際プール メイン「廃止」が決定 市、再整備計画を発表

タウンニュース

スポーツフロアの利用イメージ

横浜市は3月3日、横浜国際プールの再整備事業計画を公表した。昨年12月に示した原案通り、メインアリーナのプール利用を廃止し、通年スポーツフロアとして整備する。2025年度内に、民間の資金や技術などを活用するPFI方式による実施方針などを公表する。

費用は約100億円

横浜国際プールは、開館から25年以上が経過。施設の老朽化に加え、夏季はプール、冬季はスポーツフロアとして利用するメインアリーナの運営方法で、床転換の費用や休館期間など、経済性の観点で課題を指摘されていた。

市は施設の長寿命化だけでなく、市民サービスの向上、持続可能な施設運営、地域全体の魅力向上を目指し、再整備を検討。地域住民や水泳関係団体などとの意見交換を重ね、昨年6月にメインアリーナの利用を通年スポーツフロアとするなどの内容を盛り込んだ再整備計画の素案を示していた。

素案に対し寄せられた意見を踏まえ、12月の横浜市会にサブプールの観客席の増設やトイレ、更衣室などにインクルーシブの視点を取り入れた練習用プールの新設、北山田駅からの斜行モノレールの整備などを盛り込んだ原案を示しており、計画は原案通りでの公表となった。

再整備に係る費用はおよそ100億円。老朽化などに対応するリニューアル工事を実施するのに比べ、約26億円多いが、市は、指定管理料などランニングコストで年間約1億9千万円削減できると試算している。

再整備にあたり、市は「次世代を育む複合型スポーツアリーナ」をリニューアルビジョンとして打ち出し、市民のスポーツ実施率の向上、子育て世代を中心とした地域の居場所づくり、地域経済の活性化などを期待する。また、施設の魅力を高めることで収益性の向上を図り、持続可能な施設運営を目指す。

再整備は25年度にPFI方式での実施方針などを公表。早ければ28年度に着工となる。なお現施設の利用は、着工まで通常利用が可能。

Bプレミア基準に対応インクルーシブ視点も

計画によるとメインアリーナは、空調設備の更新や天井脱落対策などの工事を施す他、スポーツ興行の利用の観点から、現在最も要求水準の高いプロバスケットボールリーグ「Bプレミア(現Bリーグ)」のホームアリーナ基準に沿い、アリーナ機能の拡充とスイート・ラウンジやファミリー席などの整備を行う。

サブプールは、観客席を現状の355席から約2倍の700席程度に増設。エントランスからプールサイドまでバリアフリー動線を確保し、「だれでも更衣室」、バリアフリートイレを設置。また日本水泳連盟が定める公認大会や県レベルの大会、予選会で使用できる「国内プールA」を念頭に整備する。

新設の練習用プールは25m×5レーンで、多目的スペースなどの付帯設備を持つインクルーシブな視点を踏まえて整備。

また子どもや親子が中心に楽しめる空間整備として、スポーツマンガライブラリーや休憩コーナー、ベビールーム、屋外遊具を、脱炭素や地域防災力の向上を目指して、LED照明やかまどベンチなどを設置する。

横浜国際プールは、メインプールやダイビングプールなど国際基準を満たす県内最大の本格的水泳用プールとして1998年7月に開館。パンパシフィック水泳選手権大会(02年)やシンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)ワールドカップ(06年)などの国際大会の会場としても使用されてきた。今回の再整備で、名称は変更となる。

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