市獣医師会 新たな学校飼育 模索 小学校で動物と接する授業
町田市内の動物病院が加わる町田市獣医師会が現在、学校飼育の新たなあり方を模索している。小学校へアドバイスを送るなか、動物と接する授業を実施し児童らが生き物について学ぶ機会をつくっていきたいという。
「かわいい」「動いた」――。三輪町の三輪小学校で2月下旬に行われた児童らが犬とふれあう授業。市獣医師会が企画したもので、犬との接し方についてのレクチャーが行われた後、児童らは来校した会メンバーの愛犬を触れたり、「聴診器」で犬の心臓の音を聞くなど、生き物を間近で観察した。
見守った同会の原田智会長=中面・人物風土記で紹介=は「今の子どもたちは生き物と接する機会が減っている。命の大切さを知るためにも動物とふれあう時間を増やしてもらいたいと考えている」と話す。
昨年から
市獣医師会が市内小学校でこの訪問授業を始めたのは昨年から。学校飼育についてアドバイスを送るなか、ウサギやニワトリを学校で飼育することに疑問を抱いたのがきっかけだった。温暖化により高温多湿の日が続くようになり、飼育を見守る教員たちの業務が増えている現状などから、従来通り飼育し続けていくのは難しいのではないかと考えたという。
加えて、原田会長は「外で飼育するだけでは子どもたちが動物と接する場面は少ないのではないかと思う。積極的に児童が生き物と触れる時間をつくることができればと思った」と振り返る。
そして、会のメンバーらと授業プランを考え、昨年から訪問授業を開始。5校をまわり、今年は先日の三輪小で3回目になったという。「子どもたちに動物と遊んで楽しかったという思い出が残れば。犬とふれあえる時間があると聞き、不登校の児童が参加してくれたのはうれしかった」と原田会長。海外では子どもの学びに動物とのふれあいが大切という考えがあるといい、国内でも広めていきたいのだという。
「授業後には子どもたちからアンケートを取り、次回以降に生かしている。いずれ、レギュラーの授業として確立されるようになれば。町田から新しい形の学校飼育を確立していきたい」