『橋の科学館』で学ぶ!明石海峡大橋の知られざるトリビア 神戸市
神戸市垂水区にある『橋の科学館』は明石海峡大橋に関する”アレコレ”を学べるサイエンスミュージアム。今回は施設を見学して記者が特に驚いた「明石海峡大橋の知られざるトリビア」を紹介します♪
場所はJR・山陽電鉄の舞子駅から歩いておよそ5分。明石海峡大橋のたもとにあり、橋を間近に感じることができます。
施設では架橋建設当時の最新技術を模型・映像・パネルで紹介。技術的な分野は専門的で難しいところもあるのですが、思わず誰かに話したくなるような秘話もたくさん紹介されています。
【トリビア①:橋は別ルートで架けられる予定だった?!】
まず記者が驚いたのが橋のルートに関するお話。当初、橋は垂水と淡路島の岩屋を結ぶ「垂水・岩屋ルート」が有力だったそうですが、その後の検討の結果、現在橋が架けられている「舞子・松帆ルート」に変更されたのだとか。もしも「垂水・岩屋ルート」で橋が架けられていた場合、今より1.5倍ほどの長さになっていました。
また当初は車と鉄道が利用できる「道路・鉄道併用橋」が建設される予定でしたがこちらも変更となり、車だけの「道路単独橋」となったそうです。
【トリビア②:地震の影響で橋が伸びた?!】
1995年に発生した「阪神・淡路大震災」。橋が開通する3年前の出来事で、当時橋はケーブルストランドの架設を終え、ストランドの束を円形に成形するスクイーズ作業の段階でした(写真の通り、主塔と主塔をつなぐケーブルのみが設置された状態です)。
地震によって橋を支える地盤が動いたため長さがおよそ1m長くなったそうです。
担当者いわく「もしも橋桁が設置されていたりケーブルがない状態だったりしたら、より大きなダメージを受けたと思われる。橋本体がもっとも安定し、耐震性を発揮できる時期だった。地震によって工事は一か月程度中断されたが、不幸中の幸いともいえるタイミングだった」とのこと。
また発生時は早朝だったため、橋の上には作業員などもいませんでした。工事が計画通り進んだうえ、死亡事故の発生もなかったというので驚きです。
【トリビア③:夜を彩る鮮やかなライトアップの秘密】
明石海峡大橋といえば、夜空を彩るライトアップ!多くの人が美しい夜景を楽しんでいますが、色とりどりのライトには秘密が。実は橋のケーブルライトは赤・青・緑の3色しかないんです!
橋のメインケーブルにはこの3色が1組になった照明装置が計1,084組取り付けられており、この3色の光の明るさを絶妙に調整することで、ピンクや黄色などといったカラフルな色合いが生まれているのだそう。豊富なデザインや色を自由自在に演出できる理由はここにあったんですね。
今回ご紹介した内容はほんの一部。施設内では橋に関する3D映像が見られるほか、自由に動かせる模型などもたくさん揃っています。今や当たり前の風景となった明石海峡大橋を、さらに身近に感じるいい機会となりました。
場所
橋の科学館
(神戸市垂水区東舞子町4-114)
時間
9:15~17:00(入館は16:30まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)
12月29日~1月3日
※ただしゴールデンウィーク、7月20日~8月31日は無休
入館料
大人 500円
小・中学生 250円
優待(65歳以上)350円