堤防カワハギ釣りにおける【針の種類と選び方】 使用するエサによって使い分けよう
カワハギと言えば「エサ盗り名人」と言われるほど、エサを盗るのが上手い魚。この魚相手にイライラしてしまったら、その時点で負けと言っても過言ではない。そんな難敵を掛けるために、こだわりたいのが釣り針だ。今回は、カワハギ釣りにおける針について詳しく見ていこう。
カワハギ釣りの針
まずは堤防カワハギ釣りでよく使用されるタイプの針にフォーカスし、それぞれの特徴を見ていこう。
カワハギ針
カワハギ釣りで最もよく使用されるタイプが、このカワハギ針。一見するとフトコロが広いため、口が小さなカワハギにこの形状は合うのかと疑問に思うかもしれないが、特徴的なのは針先だ。
このカギ爪状になった先端部を口の中にふくませることを目的とした形状で、吐き出そうとしたときにフッキングするように出来ている。
キツネ針
カワハギ針と違ってフトコロが大変狭く作られており、ベラやキス釣りなどに用いられることが多い。こちらは針全体を口の中に入れる、即ち吸い込ませる釣り方に特化したタイプと言える。
間の形状
船カワハギ針として市販されているのが、上記2つの針の特徴を併せ持ったタイプ。フトコロが広く、針先部が短く作られているこのタイプは、大きめのエサを良型(25cm~30cm)のカワハギに吸い込ませる事に特化した針だ。20cm前後がメインターゲットとなる堤防カワハギ釣りでは使用機会が少ない。
エサに合わせた針選び
続いて重要なのが、使用するエサ。雑食性であるカワハギは、堤防で使用されているあらゆるエサに食ってくるのだが、重要なのはやはり「掛けやすい」事ではないだろうか。その点を踏まえて見ていこう。
アサリ
カワハギ釣りのエサと言えば真っ先に挙がるのがアサリ。集魚効果は他の餌と比べても群を抜いており、文字通りの特攻餌と言えるだろう。生タイプであれば塩〆にするなどして硬さを調節し、時にカットして使うといった工夫も必要だが、必ず用意しておきたい。
ちなみにカワハギ針はこのアサリに合わせた形状となっているため、相性は完璧だ。冷凍庫で気軽に保管できるのも嬉しいところ。
エビ類
オキアミ、シラサエビ(活け)、海エビ、剥きエビ等、エビ類は全てカワハギが好むエサとなる。活きエビや大きめの剥きエビを使用する場合はカワハギ針、小さくカットして吸わせたいならキツネタイプがマッチする。
イソメ類
堤防の万能エサとも言えるイソメ類も、カワハギが好むエサ。針の形状を選ばないので、どんな状況でも使いやすい。また、アタリが小さい時は小さくカットし、小さめのキツネ針にセットして吸い込ませると釣果を得やすい。逆に20cmクラスの良型が出るケースでは、カワハギ針タイプを使用し、針いっぱい(タラシは一切無し)に刺すと効果的なので、状況に応じて使い分けよう。
その他の餌
イカ短冊や練りエサ、カニ、キビナゴの切り身などでも食ってくるが、上に挙げた3つの餌は釣具屋でも入手しやすく管理も簡単なので、あえてその他のエサを使用するメリットは無いと著者は考えている。
針における注意点
使用する針とエサが決まったらもう大丈夫……ではない。カワハギ釣りならではの注意点があるので見ていこう。
針先チェックを怠らない
カワハギは歯がカタく鋭い魚。例えフッキングしなくてもエサと一緒に針先を齧る事があり、割と簡単に鈍ってしまい、フッキング率が大幅に低下してしまう。1~2匹釣れたら針先をチェックしておこう。
針のストックは多めに
針先が鈍るだけでなく、同じエサ盗りであるフグにハリスごと切られる場合がある。根掛かりで切れてしまうこともあるだろう。ハリス付きの予備針は多めに用意しておきたいところだ。
自身の釣り方を明確化しておく
先述したように、「カワハギ針の先端を口に咥えさせて掛けたい」のか、それとも「エサごと針を吸い込ませて掛けたい」のか。これによりエサの種類・付け方・釣り方にまで影響を及ぼすので、「掛ける釣り」か「吸わせる釣り」か、自身のテーマを明確にしておきたい。
針は釣り人とカワハギの唯一の接点
いくら相手がエサを盗る名人だとは言え、その口に針を掛けて釣り上げる方法は必ずある。その為には使用する針とエサの特性を理解しておき、「どのように釣るか」という具体的なイメージを描くことが大切だ。
そうして考えている時間もカワハギ釣りの醍醐味と言えるので、是非自分なりの釣り方や「これだ!」と言えるエサ・針を見つけてほしい。見つかる頃には、きっとカワハギ釣りの虜になっているはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>