松尾スズキ書き下ろし、杉原邦生演出 「コクーン アクターズ スタジオ」第1期生による新作ミュージカルの上演が決定
2025年3月20日(木祝)~23日(日)東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、COCOON PRODUCTION 2025/Bunkamuraオフィシャルサプライヤースペシャル『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』が上演されることが決定した。
数々の作品を世に送り出してきた松尾スズキが、自身が主任を務める若手のための演劇の学び場「コクーン アクターズ スタジオ」の発表公演のために新作ミュージカルを書き下ろした。名前のない役柄を演じるアンサンブルを題材にした青春群像劇となる。
演出は「コクーン アクターズ スタジオ」で常任講師を務め、骨太な演目に果敢に挑み次々と話題を呼んでいる杉原邦生。松尾スズキ作品では『シブヤデアイマショウ』(2021年)、『シブヤデマタアイマショウ』(2023年)のコーナー演出を担当したが、作品全体の演出を手掛けるのは今回が初となる。
シニカルな笑いが特徴の松尾スズキによって紡がれる等身大の若き俳優たちの物語と、歌舞伎やシェイクスピアといった古典をもスタイリッシュに描く杉原邦生の演出でおくる発表公演。松尾スズキをはじめとした多彩な講師陣から様々なスキルを学び、1年間真摯に演劇と向き合ってきた「コクーン アクターズ スタジオ」第1期生の姿を、劇場で見届けよう。
なお、第1期生たちの1年間の成長を発揮する場として、現在休館中のBunkamuraシアターコクーンを特別に復活させて有観客で本作品を上演。名前のない役柄を演じるアンサンブルのオーディションを受ける若き俳優たちと、彼らを取り巻く人々が繰り広げる青春群像劇を二つのバージョンでおくる。
【あらすじ】
ミュージカル公演のオーディション会場。競い合うのは“アンサンブル”の座。役名は無い。演出家の無茶なオーダーに振り回されながら、オーディションに参加した俳優たちは爪痕を残さなければと奮闘するも、思うような結果は出せなかった。
意気消沈する彼らが飲みに行った店で偶然居合わせたのは、そこそこ有名な俳優たち。ここにも芸能活動に限界を感じ始め、何やら悩む姿があった。
そんな彼らががひょんなことから、自分たちで新作ミュージカルを上演することに。残された期間は4カ月。はたして彼らはどのようなミュージカルを作り上げるのか。
——夢と現実のはざまで揺れ動く、ほろ苦い青春群像劇。
松尾スズキ コメント
大劇場でよく見る、その他大勢を演じる名前も知らない俳優たち。
彼らは「街を行き交う人々」や「酒場の客」や「兵隊たち」や「娼婦たち」を演じながら、この先の俳優人生をどう見据えているのか。
「群衆A」から、名前のある俳優への脱却を夢見てあがく若い俳優たちを、名の知れない新人たちが演じることで、えもいえぬ説得力とエネルギーが生まれる可能性に、松尾はかけているのです。
「老境に入っても青春は書ける! だって経験済みだから!」
そう、松尾は言い張っているのです!
渋谷で再び生まれる演劇の混沌。
若さの痛さ、だささ、ばかばかしさ、そこから醸し出されるなにがしかの美しさ。
それをぜひ、体験しに来てください。
杉原邦生 コメント
舞台上で“その他大勢”として括られてしまう〈アンサンブル〉という役割を担う俳優たち。そんな彼らの、“その他大勢”としてまとめることのできない青春の一コマを描いたこの作品は、一見、舞台芸術業界という限られた世界の出来事に思えるかもしれません。ですが、これまでに一度でも自ら何かに挑戦した(挑戦しようと思った)ことのある人、そして、一度でも何かを諦めた(諦めざるを得なかった)ことがある人、つまり、いまを生きるすべての人の人生に、そっと寄り添ってくれるような作品だと、僕は感じています。
松尾スズキさんが「コクーン アクターズ スタジオ(CAS)」のために書き下ろしてくださったこの新作ミュージカルを、一年間ともに学んできたCAS生たちと、丁寧に、そして、エネルギッシュにお届けしたいと思います!いましか観られない彼らの〈アンサンブル(役割という意味ではない)〉を、どうかお見逃しなく。