「備蓄用の水」を“まとめて置く”のはNG!いざというときに役立つ「収納の工夫」
ライフラインが止まった場合に備えて、ストックしておきたいペットボトルの水。料理研究家であり、防災士の資格をもつ島本美由紀さんによると、備蓄用の水を1か所にまとめて置いておくのはNGなのだそうです。今回は「いざというときに安心な収納の工夫」を教えていただきました。
教えてくれたのは……島本美由紀さん
料理研究家・食品ロス削減アドバイザー・防災士。旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、誰もがマネできるカンタンで楽しい暮らしのアイデアを提案。親しみのある明るい人柄で、テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。「野菜保存のアイデア帖(パイ インターナショナル)」など、著書は80冊を超える。
『もしもに備える!おうち備蓄と防災のアイデア帖』(パイ インターナショナル)
著者:島本美由紀
定価:1430円(税込)
備蓄用の水を1か所にまとめてストックしていませんか?
災害時に備えて水を用意しておくことは“おうち備蓄”の基本ですが、じつは「収納する場所」を意識することも、とても大切。1か所にまとめてストックしている方も多いかもしれませんが、それはNGです。
たとえば、地震で家がゆがんでしまったら、ドアが開かなくなって部屋に閉じ込められたときに水分補給できないのは危険です。
また、一戸建て住宅で1階に水を収納している場合、水害で1階が浸水したら取りに行けなくなる可能性があります。キッチンの場合は、地震で冷蔵庫や電子レンジなどが倒れて物が散乱してしまい、入れる状態ではないことも考えられるのです。
水は「分散収納」するのが正解
そこで取り入れていただきたいのが「分散収納」です。
水は各部屋(3~4か所ほど)に分けて収納することをおすすめします。特に、リビング、寝室、子ども部屋に置くとよいでしょう。廊下に棚などのスペースがある場合は、廊下に置いておくのもよいと思います。
入れっぱなしになってしまわないように、普段の水分補給としても消費しながら、なくなったら補充していくようにするのが理想的です。
分散収納に適している“常温で長期保存可能な飲み物”
水以外にも、常温で数か月もつ“ロングライフ紙パック”に入った牛乳、パックの野菜ジュース、豆乳などを用意しておくのもよいでしょう。そのまま飲めるものを分散収納しておくとよいですよ。
防災士が寝室に常備している「2つのもの」
私は、水と一緒にパンの缶詰を寝室に備えています。このセットをベッドのそばに置いておけば、緊急時に持ち出して避難することも可能です。
パンはやわらかくて食べやすく、甘い味であれば精神面を満たせるので安心感につながります。
ルールを決めて定期的に見直しを
分散収納をしたら、防災月間の「9月」や、世間で防災意識が高まる「3月」などに備蓄品を定期的に見直すことも重要です。
ルールを決めておくことで、「何を準備したのか覚えていない」「気づいたら賞味期限がきれていた」などを防ぐことができますよ。
shukana/webライター