富士山や熱海 人気観光地でも利用可能 静岡県東部で「Uber Taxi」一斉スタート
■「Uber Taxi」 5月15日から静岡県東部でサービス開始
スマートフォンアプリから簡単にタクシーを呼べる「Uber Taxi」が、静岡県内で拡大している。Uber Japanは5月15日から、新たに沼津市や熱海市など県東部の市町でサービスを開始。首都圏や海外からも人気の観光地で、移動の利便性向上が期待される。
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「Uber Taxi」は今年2月に県内で初めて、静岡市でサービスが導入された。第2弾として、5月15日からは熱海市、沼津市、三島市、富士宮市、富士市、清水町、長泉町にエリアを拡大。観光都市を含む複数地域で一斉にスタートする形となった。
導入の背景にはインバウンド需要の増加と静岡県が抱える交通課題がある。静岡県を訪れる外国人旅行者数は2024年に過去最多の126万人を記録。熱海や富士山エリアを中心に観光人気は再び高まりを見せている。一方で、最寄り駅から宿泊先までの移動手段に苦労する声も多く、「英語が通じない」、「タクシーが拾えない」などの不満が少なくなかった。
さらに、県内では自家用車の利用率が全国でも高く、公共交通の衰退やドライバーの高齢化が深刻化している。通院や買い物にタクシーを使いたくても「捕まらない」、「電話がつながらない」といった“移動難民”の声が地域住民の間でも増えている。
「Uber Taxi」ではスマホのUberアプリを使って、乗車地と目的地を入力するだけで近くのタクシーを即時に手配できる。配車後は、車両の現在地や到着予想時間をリアルタイムで確認可能。特に外国人観光客にとっては、アプリ内での多言語対応やチャット自動翻訳機能が心強い。これにより、言葉の壁を感じずにスムーズな合流が可能となる。
また、クレジットカードの情報を事前登録しておけば、目的地到着後は自動決済でスムーズに降車できるのもポイントだ。ユーザーとドライバーがお互いに評価を付け合う仕組みもあり、安心感のある利用環境が整っている。
今回のサービスでは地元のタクシー事業者との連携が進められており、「Uberが地元の足を奪う」といった懸念も回避した。むしろ、アプリを通じて効率的な配車・稼働が実現され、地域交通の維持にも一役買っている。
Uber Japanは「より自由な移動を実現し、地域の活性化にもつなげたい」としており、今後も県内の複数都市でサービス提供を予定しているという。熱海の観光客、富士のビジネス利用者、そして沼津・三島の住民まで、スマホ1つで呼べるタクシーの利便性が静岡の新たな“移動インフラ”として根付くか注目される。
(SHIZUOKA Life編集部)