寒空にふんどし姿で「わっしょい」 伊賀・陽夫多神社「裸々押し」
三重県伊賀市馬場の陽夫多神社(神田忠彦宮司)で2月18日夜、400年以上続く祈年祭の神事「裸々(だだ)押し」があった。寒空の下、ふんどし姿の約40人が輪になり、「わっしょい、わっしょい」と声を上げながら片足で飛び跳ね、今年の五穀豊穣や家内安全を願った。
天正年間(1573-92年)に始まったとされる裸々押しは、2地区の氏子たちが押し合い、その年の収穫の具合などを占ったと伝わる。同神社の氏子青年会「陽青会」のメンバーや、地元のスポーツ少年団の小学生らに加え、近年では県外からの参加希望もあるという。
この日午後8時の同市の気温は2・3度。社務所を飛び出した男たちは、石段を駆け上がってお払いを受けた後、輪になり声を上げながら、何度も右へ左へとぐるぐる回った。その後、総代らが歌う「裸々押し歌」の「陽夫多のいやさかで打ってくれ」「家内安全で打ってくれ」などの声に合わせて手拍子をし、行事を締めくくった。
行事を終え、総代長の樋口修三さん(75)は「子どもたちもたくさん参加してくれ、にぎやかに行えて良かった。今年は皆さんが元気で、平穏な一年になってほしい」と思いを話した。