全ゲノム解析で何がわかるのか? 利活用ってどうなってるの? 両側乳がんになりました247
全ゲノム解析ってなんだ?
細胞の中にあるDNA(デオキシリボ核酸)という物質に書かれている情報を読み取るもの。そのすべての配列とその働きを調べることです。 技術の進歩により、全体を一度に解析できるようになってきました。 この配列は個人差があり、カラダの構造や機能などの個性。病のかかりやすさの違い、薬の効き方や副作用の違いなども見つける手がかりになる可能性があり、とても注目されています。 一部の標準治療を終えた患者さんのみが保険適用でしたが、この対象が広がることが望まれています。 いま、『全ゲノム解析等実行計画』が国によって策定されています。解析したデータや診療情報などのデータを蓄積し、それらを用いた研究・創薬などを促進することで、将来的にはがんや難病をなくすことにつながることを目指しています。 早期発見・早期診断にも役立つことが期待されています。 がんはおもに、遺伝子が傷つくことで不正コピーが増えて、症状が現れるものです。がんの研究や検査ではがんに関係する特定の遺伝子のみを調べるものが多かったのですが、全部調べる、ということができるように。 多くの患者さんのデータを集めることで未来の医療の発展が望まれています。どういうシステムで利活用ができれば、市民などに不安がないか、も専門委員会で議論されています。 一方、特定の遺伝子があるとがんになりやすいことはすでにわかっており、実装されているものもあります。 乳がんであれば、BRCA1/2遺伝子。 乳がん患者さんの中で条件が整えば保険適用に。私も受けたことがあります。
この遺伝学的検査を受けて陰性の結果だったとき,多くの方は特別な予防や対策を行う必要はないと考えます。しかし,BRCA1/2遺伝子以外が原因でがんになりやすい体質の方もいるため,ご自身の病歴やご家族にもがんになった方が多いなどで不安な場合,担当医や遺伝の専門家などに相談してみましょう。
陽性だったときもなりやすいだけでなる、と決まったわけではない。ということを遺伝カウンセリングなどで話を聞くことが大切です。
遺伝学的検査は生まれもった体質を調べる検査なのでその結果は生涯で変わりません。
BRCA1/2遺伝子以外の遺伝子を原因とした遺伝性の乳がんはリ・フラウメニ症候群(TP53遺伝子が原因遺伝子)、カウデン症候群(PTEN遺伝子を原因遺伝子)や遺伝性卵巣がんだけではなく、遺伝性大腸がん、遺伝性胃がん、遺伝性膵がんなどさまざまな遺伝性腫瘍症候群があります。
(BRCAも乳がん卵巣がん症候群としないほうがいいのではないかというくらい他のがんにも関連しています)
リスクもそれぞれ様々。
私はカウンセリングで自身やご家族の病歴から、現状はBRCA1/2遺伝子以外の遺伝性腫瘍症候群を調査せず、と決めました。
迷ったら、不安だったら、担当医や遺伝の専門家に相談してみましょう。
治療中のかたが検査を受けたとき、よくあるのが陰性であることで、コンパニオン治療薬が使えないことやリスク低減手術が行えないことに不安に思う方もいらっしゃるそうです。(陽性の場合は対応を迷い、不安になる方が多くいます。)
BRCA1/2遺伝子のようながんの発症に強くかかわる遺伝的な体質ががんの原因となることはごく一部と説明を受けました。
多くのがんは、環境要因、タバコやアルコールなどの生活習慣、ウイルス感染、そして加齢など複数の原因が重なることで生じます。
がんにならないわけでもなるわけでもない。これを頭にいれて、自分にとって何がベストなのか?
がんについて正しい知識を持つことが必要なのではないでしょうか?
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