絶景と名湯が楽しめる静岡県北部の有名観光地「寸又峡温泉」はいかが? 夢のつり橋や森林鉄道の跡地を巡る旅
「寸又峡(すまたきょう)」は静岡県の北部にある温泉郷です。南アルプスの入り口に位置し、近くに大井川の支流・寸又川が流れる、山々に抱かれた秘境として人気です。
特に有名なのは、大間ダムにかかる「夢のつり橋」。「橋の真ん中で祈ると願いが叶う」とも言われ、老若男女問わず人気の観光スポットとして知られています。チンダル現象により澄んだ青色に見える寸又川とつり橋が織りなす景観は見事なもので、春はヤマザクラなどの花々が咲き、秋になると紅葉で山々が色づきます。
寸又峡温泉街の入り口からは、1周約90分の周遊コース「寸又峡プロムナードコース」を歩くのがおススメ。「夢のつり橋」だけでなく、かつて寸又峡に敷かれていた森林鉄道を偲ばせる線路跡やディーゼル機関車などの展示も。橋上からの絶景が楽しめる「飛龍橋」もぜひ訪れたいスポットです。
寸又峡温泉の歴史は古く、かつては「武田信玄の隠し湯」とも言われ、江戸時代から名湯として知られていたことが分かります。明治期にできた共同浴場「湯山温泉」が電源開発工事の影響で枯れたという苦難の歴史もありました。戦後に改めて掘削が行われ、昭和37年に3軒の温泉旅館が開業。これが現在の寸又峡温泉の原型となっています。
温泉はpH値8.9のアルカリ性単純硫黄泉で、かすかな硫黄臭があり、肌の不要な角質を溶かすことから「美女づくりの湯」とも。食事に関しては春は山菜、冬はぼたん鍋、夏はやまめと季節ごとに美味しい食材があり、いつ行っても楽しめるでしょう。大井川の伏流水で作るご当地サイダー「夢のつり橋サイダー」はお土産にもぴったりです。
アクセスは大井川鐵道とバスで
寸又峡温泉にはどうやって行けばいいのでしょうか。
自家用車で行く場合は、新東名高速道路の島田金谷I.C.から約90分。ある程度長時間のドライブにはなりますが、自分のペースでゆっくり訪れたい方、車の運転に自信のある方にお勧めです。
公共交通機関を使うのであれば、大井川鐵道とバスを乗り継ぐかたちになります。JR東海道本線の金谷駅から大井川鉄道の新金谷駅まで約4分。新金谷駅から家山駅までは大井川本線の電車に乗って移動し、家山駅~千頭駅間は川根本町町営バスに乗車します(※)。千頭から寸又峡温泉までは、寸又峡線バスで約40分。
※かつては大井川本線が千頭まで直通していましたが、台風により被災し一部区間が不通に。復旧に関する話し合いが進められていますが、現在はバスで乗り継ぐかたちになっています。有名な「トーマス号」も、現在は新金谷駅~家山駅・川根温泉笹間渡駅までの区間を運行しています。(※2024年12月時点の情報です)
なお、千頭からは井川まで大井川鐵道「井川線」が伸びており、一部の急勾配区間ではとても珍しい「アプト式」と呼ばれる方法で上ります。また、井川線の奥大井湖上駅はダム湖に浮かぶ不思議な景観で知られる秘境駅として大変有名な場所であり、寸又峡温泉を訪れる際に立ち寄ってみても良いでしょう。
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