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生成AIで音声ドラマ 高校生有志が分業で作成

タウンニュース

AIで生成された脚本からレコーディングに取り組む生徒ら

児童生徒の創作活動を支援するNPO法人「みんクリ」(横須賀市若松町)の「AI創作部」に所属する高校生1年生らが、脚本作りに生成AIを活用した音声ドラマを作成し、3月17日から動画投稿サイトの「YouTube」上に公開した。1枚のイラストから着想を得て作られた作品で、脚本のほか出演・録音も生徒自ら担当した。

生徒らが制作したのは全編4分40秒程の音声ドラマ『吉田の英雄』。文化祭の劇で主役を務める吉田をクラスメイトの樋口、渡辺の2人があの手この手で励まし、演技の上達を支える物語で、登場人物同士の軽妙な会話が特徴だ。

キャラ設定を反映

制作のきっかけとなったのは、横須賀高校で美術部に所属する寺本香純さんが描いた1枚のイラスト(=下写真)。登場人物の3人が並んで歩く様子、服装、表情から同部の久保田眞子さんとキャラクターの性格などを設定し、簡単な物語のあらすじを作成した。

作成したあらすじを生成AI「ChatGPT」に添付し、「このあらすじから音声ドラマの脚本を原稿用紙3枚分書いて」といった指示と、登場人物の性格や容姿、3人が知り合ったきっかけなどの具体的な背景情報を盛り込むと、指示通りの脚本が生成された。それをたたき台として改良を重ね、寺本さんの小学校時代の同級生に出演を依頼し録音。フリー音源から学校内の喧騒や効果音、AIで作成した主題歌を編集で加え作品として完成させた。

「できない」を補完

普段から小説などに親しみ、創作活動に意欲のあった久保田さん。第三者視点の説明を盛り込めない脚本の作成に苦手意識を感じていたところ、同法人の高木康太郎さんの提案であらすじを素材に脚本を完成させた。寺本さんは「AIがなければ『こうなったらいいね』で終わっていたかもしれない。できないことを補完することで、初めて作品として日の目を見ることが出来た」と達成感をにじませた。

今回初めて声優として演技に挑戦した出演者の3人も「夜に何度も練習した」「自分と真逆の性格のキャラクターを演じるのは難しかった」「演劇と違って声だけで感情を表現するところに面白さがあった」と制作を振り返った。

「スキル必ず生きる」

「子どもはみんなクリエイター」を標ぼうし、1つの作品を仲間との協力で作り上げる体験を提供する同法人。今回の制作を指導・補助した高木さんは「AIの活用スキルは今後社会で活躍する上で必須になる。現状、学校での取り扱いは難しい面もあると思うが、こういった民間の場で触れてみることでAIが得意なこと、人間がやった方が良いことを知るきっかけにしてほしかった」と取り組みの意図を話した。

完成した『吉田の英雄』は二次元コードから視聴可能(YouTube)。久保田さんは「今回は5分程度の作品だったが、機会があれば長編の作品にも挑戦したい。より複雑なストーリーでキャラの魅力を深堀り出来たら」と今後の活動に向け意欲を見せた。

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