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「反応が怖かった」「化け物みたいに面白い作品は一本じゃない」山田裕貴、佐藤二朗ら豪華キャスト集結!『爆弾』舞台挨拶

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「反応が怖かった」「化け物みたいに面白い作品は一本じゃない」山田裕貴、佐藤二朗ら豪華キャスト集結!『爆弾』舞台挨拶

日本最大級のミステリーランキング「このミステリーがすごい!2023年版」(宝島社)、「ミステリが読みたい 2023年版」(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)で堂々の1位を獲得したベストセラー小説「爆弾」が、映像化。映画『爆弾』が、10月31日(金)よりついに公開を迎えた。同日夜には、主演の山田裕貴を始めとする豪華キャストと監督が登壇する公開記念舞台挨拶が開催された。

謎の中年男“スズキタゴサク”とは何者か!?

物語の幕開けは、酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の謎の中年男。彼は自らを「スズキタゴサク」と名乗り、霊感が働くと称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告。秋葉原での爆破を皮切りに、この後一時間おきに3回爆発すると予知していく。そして、刑事たちの問いかけをのらりくらりとかわしつつ、次第に爆弾に関する謎めいた“クイズ”を出し始めるのだった…彼は、いったい何者なのか!?そして仕掛けられた“爆弾”の正体とは!?爆弾の在りかを探す警察と犯人との取調室で行われる先読み不能の謎解きゲームと東京中を駆け巡る爆弾探しがリアルタイムで進行する、まさに極上のミステリーと超ド級のアクションが織り成す究極のエンターテイメント。

キャストには、主演の山田裕貴を始め、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗ら日本を代表する演技派が集結。『帝一の國』『キャラクター』の永井聡が監督を務める。

©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会

主演・山田裕貴は、満席の客席を見渡しながら感慨深げに一言。「みなさんの感想の中に“邦画史上最高傑作”という声もあって、それを見て類家のようにほくそ笑んでおりました」と照れ笑いを浮かべつつ、「とにかく皆さんの感想が楽しみ。映画では登場人物たちが数々の問いを投げかけますが、観る人それぞれも“自分もそう思ったことがあるかも”と感じてくださったと思います。皆さんがSNSでどんな言葉を届けてくださるのか、楽しみにしています」と胸の内を語った。

初日から各地で大反響が起きる中、謎の男・スズキタゴサクを演じた佐藤二朗は、「移動中にジョビジョバのマギーから長文のメールが届きまして、『初日に観て、日本映画の最高到達点の一本だと思った』と興奮気味に書かれていたんです。クリエイターの彼からそんな言葉をもらえて本当に嬉しかった」と感慨深げにコメント。隣の山田も思わずガッツポーズを交わし、会場からは温かい笑いが起きた。

メガホンを取った永井聡監督は「反応が怖かった」と打ち明けるも、山田が「監督が作ったんですよ」と声をかけると、永井監督がすかさず「みんなで作ったんだから!」と返すなど、“爆弾チーム”の結束を象徴するやり取りも飛び出した。

山田裕貴
©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会

昨年末の本読みを経て、今年1月から撮影が始まった本作。佐藤は「スズキタゴサクが何者なのか、僕もいまだにわからない。わかってしまったら、人間の“恐ろしさ”が消える気がする。底知れぬ存在なんです。スズキタゴサクが本名かすらわからない——もしかしたら宇宙人かもしれないよ?……ごめん、今のはスベりました」とオチをつけ、会場を爆笑の渦に包んだ。

スズキと最初に取調室で対峙する刑事・等々力を演じた染谷将太は、「本当に素敵な方々と毎日お芝居ができて最高に楽しかった。今年1月の撮影が“最高の幕開け”で、そして今日、こうして皆さんと再会できて本当に幸せです」と笑顔で語った。

沼袋交番の巡査長・矢吹を演じた坂東龍汰は、バディ役・倖田を演じた伊藤沙莉との掛け合いにも話が及ぶと、「沙莉氏~!」と笑顔でカメラに手を振る一幕も。「矢吹を演じるには、バディは沙莉氏じゃなきゃ無理だった。彼女のセリフのリアリティに反応して生まれた関係性が作品に出ていると思う」と語った。さらに坂東が「使ってください!」と永井監督に直談判したアドリブシーンは惜しくもカットされたそうで、永井監督が「編集の時、エディターがクスリともしなかった」と暴露して会場は再び爆笑。長い監督は、「坂東くんはアドリブが多くて、シーンの終わりに何か入れようとするんですよ。沙莉さんに『使えないアドリブを入れるな!』と怒られたこともあったよね(笑)」と舞台裏を明かし、会場を沸かせていた。

取調室でスズキを見張る刑事・伊勢を演じた寛一郎は、「二か月近く取調室に通って撮影していたんですが、渡部さん、染谷さん、二朗さんなど先輩方の芝居を間近で見られて本当に幸せでした」と振り返り、感謝をにじませた。

渡部篤郎
©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会

類家の上司・清宮を演じた渡部は、「作品を観ていた出会いたい人たちばかりと共演できて嬉しかったです」と笑顔を見せつつ、ふと真剣な表情で語り始めた。「この作品に関しては、正直、これまでの経験値だけでは乗り切れない気がしました。いままで培ってきた“やり方”や“感覚”では届かない何かがある。もっと違うパワーが必要だと思ったんです。物語の力があまりに強くて、自分のこれまでの延長線上では勝てない——そう感じました。裕貴くんとも話したんですが、『全員野球をやっているような現場だった』。全員が同じ方向を向いて、一つの作品を作り上げることができたと思います」。これまでのキャリアの枠を越え、新しい力を引き出された手応えを、渡部は静かに、しかし確かな熱をもって語った。

佐藤はそんな渡部について、これまで「渡部を支える佐藤」という座組もあった中で、ついに「佐藤を渡部が支える」作品が来たことに触れ、渡部が出演を即決したというエピソードを披露。そして「この人が本気で支えに来たら、こんなにも美しく、切なく、かっちょよくなるんだということを同業者として痛感しました。渡部篤郎という男の哀愁みたいなものも、この作品の大きな見どころだと思います」と熱弁。ふたりの絆の深さが伝わる言葉に、客席からは大きな拍手が送られた。

衝撃シーンが次々と登場する本作。自身が感じた衝撃的な場面について問われると、山田は迷わず「スズキタゴサクの独白動画のシーン」と回答。「文字に起こすのもはばかられるような酷いことを、あれだけのセリフ量で淡々とまくしたてるシーンだ。山田は「とてつもないセリフをあんな感じで話すのが本当にすごい。こんな悪意をどうやって取り締まって、どうやってぶっ潰せばいいんだろう?と、すべてが凝縮されていて、僕はあのシーンがものすごく好きです」と語り、その緊張感を振り返った。

佐藤二朗
©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会

佐藤も「本来は、スズキが語る合間に人々のリアクション映像が入る予定だったんですが、『ワンカットでもいけるようにセリフを覚えてきましたよ』と永井監督に言ったら、監督が『ワンカットでも面白いかもしれないですね』と真顔でおっしゃって。本当にワンカットで使っていただけた。あの場面をワンカットで見せるという永井監督の勇気を称えたいです!」と熱弁。観る者の心を突き刺す、残酷でありながら目を離せない“魂の独白”。本作の白眉ともいえる衝撃シーンを、劇場で確かめてほしい。

舞台挨拶の最後には、キャストを代表して、主演の山田と、佐藤から観客へメッセージが贈られた。山田は、「映画では“ある投稿が一定数リポストされると大変なことになる”というシーンがありました。ですが、映画へのお褒めの言葉のポストは、なんべんでもやっていただきたい。それで爆弾は爆発しません!」と笑いを誘いながらも、「キャスト・スタッフすべての“爆弾チーム”の力を受け取って、ぜひみなさんの声でこの映画を“爆発”させていただきたいと思っております!」と力強く呼びかけた。

続く佐藤は、「こんなことを言うのはあれなんですが……」と前置きしつつ、「僕は個人的に李相日監督が大好きで、今年『国宝』という“化け物みたいに面白い”作品を作られて、ますますファンになりました。でも実は、今年、化け物みたいに面白い作品は1本だけじゃないと思っています。今年は日本映画にとって、とても幸せな一年なんじゃないかと思いますし、そうなってほしいと心から祈っております」と熱い思いを語り、二人のその真摯な言葉に会場からは拍手喝采。キャストとスタッフが全身全霊で挑んだ『爆弾』への深い愛と誇りが会場を包み込み、感動と熱狂のうちに舞台挨拶は幕を閉じた。

©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会

『爆弾』は大ヒット上映中

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