新大学関連予算は追加上程へ、議会運営委員会の空気一転、本会議では6人が一般質問
三重県の四日市市議会は9月9日、JR四日市駅前に開設する新大学の関連予算を市が今議会に追加上程することを了解した。10日に基本設計作成などの補正予算案について市が説明する。前日の議会運営委員会では「議会軽視」などの言葉も出て紛糾したが、この日の委員会に荒木秀訓副市長が出席し、市が急ぐ理由を説明し、委員の了解を得た。
「2031年度開学から逆算してぎりぎり」
荒木副市長は、新大学の2031年度開学から逆算し、基本設計、用地測量、建物補償費積算などを始めようとすると、予算成立までの余裕はあって1~2週間で、今議会でなければ間に合わないと説明した。新大学の開学を2013年度でこだわるのは、進出を描いている三重大の中期経営計画(2027年度~)に位置づけるタイミングや、最短のスケジュールを求める三重大側の考えなどがあるとした。
委員からは「こういった大きな議案は時間をかけて議論したい」「今後こういうことがないよう、日程を考慮して取り扱ってほしい」などの意見はあった。9日の委員会で最も強く異論を述べた政友クラブの川村幸康さんは、この日の話の進み具合を見越し、委員会そのものを欠席した。
医療、教育、災害、観光、農業など幅広く質問
本会議の一般質問は、無会派(日本共産党)の村上暁さん、公明党の中川雅晶さん、森智子さん、山口智也さん、政友クラブの上麻理さん、笹井絹予さんが質問に立った。
村上さんは国民健康保険料の滞納者への丁寧な対応を求め。市立四日市病院が夜間の人工透析をなくす方針でいることに、「続けてほしい」と求めた。
中川さんは学校現場でのトラブルを専門家を含めて支援する取り組みの進展を求めるなどした。
森さんは、選挙の投票をしやすくする市の取り組みを質問。親と一緒に投票所に来た子に記念のカードを渡すことも提案した。
山口さんは災害時の福祉の観点から、災害弱者の個別避難計画作成や福祉避難所の準備について市の取り組みを聞いた。
上さんは、クルーズ船の四日市寄港に触れ、四日市観光のアイデアを市に求めた。近鉄四日市駅とあすなろう四日市駅を結ぶ現在の連絡通路がなくなるため、利用者の行き来に時間がかかるなど不便になるとして検討を求めた。暑さから作物や農業従事者を守四日市の農業施策の検討も促した。
笹井さんは、JR南四日市駅周辺の自転車置き場などの整備の動きについて質問、市内の交通安全施策「ゾーン30」の現状なども聞いた。