圧倒的な力によって、スーパー戦隊の“こうあるべき”を破壊するーー『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』リングハンター・ガリュード/クオン役 カルマさんインタビュー
スーパー戦隊50周年記念作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が、毎週日曜午前9時30分より、テレビ朝日系列にて放送中です!
2025年で50周年を迎えるスーパー戦隊シリーズ。本作では、その名の通り最高最強のナンバーワンを目指し、動物や恐竜=「獣(けもの、ジュウ)」をモチーフにした5人のヒーローが大活躍!
巨神テガソードと、全て集めると願いが叶う指輪・センタイリングを巡って、悪の組織・ブライダンのナンバーワン怪人たちと様々な「ナンバーワン対決」が繰り広げられます。歴代スーパー戦隊の力を持ったライバルたちが登場するという驚きの展開にも注目です。
先日放送された第7話のラストより、カルマさん演じるリングハンター・ガリュード/クオン(遠野久光)が遂に登場!
AI企業の若き社長にして、センタイリングを狙う「リングハンター」、ゴジュウウルフ/遠野吠の兄でもあるクオンは、『ゴジュウジャー』のカオスな物語に何をもたらすのでしょうか……?
アニメイトタイムズでは、カルマさんにインタビューを実施! クオンの立ち位置や初変身のエピソード、更に加速していく『ゴジュウジャー』の今後の見どころについて、お話を伺いました。
【写真】『ゴジュウジャー』カルマが語る“クオン”の役割と物語の行方【インタビュー】
カオスをぶち壊すための圧倒的な力
ーーカルマさん演じるリングハンター・ガリュード/クオンは、ゴジュウジャーの前に立ち塞がる強力なライバルです。ご自身が観ていたスーパー戦隊シリーズの中で、印象に残っているライバルキャラクターはいますか?
クオン(遠野久光)役・カルマさん(以下、カルマ):ライバルではないかもしれませんけど、『百獣戦隊ガオレンジャー』の追加戦士である「ガオシルバー」を玉山鉄二さんが演じられていましたよね。最初は敵(狼鬼)として登場していて、子供ながらに「すごく格好良いな」と思っていた記憶があります。
ーークオン(遠野久光)役に決まるまでの経緯を教えてください。
カルマ:実は、他のキャストより先にお話をいただいていたんです。メインキャストのオーディションが始まるよりも前ですね。「リングハンター・ガリュード」のデザインはありましたけど、キャラクターの名前も決まっていなくて。『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』という番組名、「こんな感じの役」というイメージだけを教えられたんです。その後、撮影開始までの数ヶ月間で、アップデートされるものを徐々に共有していただくような感じでした。
ーー徐々にクオンの輪郭がハッキリしてきたと。演じるにあたって、制作陣とはどのようなお話をされましたか?
カルマ:プロデューサーさんとお話した時、「好きにやってほしい」と言っていただいたんです。ただ、子どもが観る番組でもありますから、「本当に大丈夫ですか? 結構やりますよ?」って(笑)。
ーー(笑)
カルマ:『ゴジュウジャー』の良さだと思いますけど、僕が登場するまでの間でも、既にカオスな状況になっているじゃないですか。ただ、クオンの役柄としては、物語をパッと締まるようにしなきゃいけない。そういう意味でも「圧倒的な力でぶち壊しに行かないと」って。演者としての見せ方も含め、「スーパー戦隊の“こうあるべき”をぶち壊してやる」という意気込みで撮影に入りました。人が演じる敵キャラも久々だと聞いているので、全てを掻っ攫いたいなと。
ーーカオスというお話もありましたが、『ゴジュウジャー』の台本を読んだ印象はいかがですか?
カルマ:台本自体は第1話から読んでいたのですが、現実に存在しないような内容になかなか慣れなくて……(苦笑)。個人的には新たな挑戦でした。文字に踊らされてしまって、まず「ノーワンって何?」みたいな。ファンタジーの部分に対して、しっかり感情が乗せられるように時間をかけて考えていました。
ーー第8話では「リングハンター・ガリュード」への初変身もありましたよね。
カルマ:撮影では「え、もう変身するの?」みたいな感じで(笑)。現場で変身の音声を聞かせてもらいつつ、CGのエフェクトをイメージしながら演じるのはかなり新鮮でした。完成した映像を観させていただいたら、バチバチにカッコよくて! 初めてそこで変身した実感が沸きましたね。
ーー「リングハンター・ガリュード」は、センタイリングでユニバース戦士を召喚し、武器にするという能力を持っています。
カルマ:アニバーサリー作品ならではの戦い方だなと。「こんなに格好良くていいの!?」って思うくらいです。「テガジューン」という一人だけ違う形、違う色のアイテムまでいただいて。冗談抜きで「ガリュード」が一番格好良いと思っています。
クオンは物語の核を担う“起爆剤”
ーースーパー戦隊シリーズにご出演されて、撮影現場で「この作品ならではだな」と感じた瞬間を教えてください。
カルマ:これまでの現場中で一番朝が早いですね(笑)。あとはアフレコでしょうか。最初にやったのは「ティラノレンジャー」を担いで去っていくシーンでしたが、実際にやってみると中々難しかったです。
「ガリュード」は強いからこそ、毎回声を張るわけではないですし、役と同じく「完璧でいなきゃいけない」と思っているので、まだまだ頑張らないと。もっと上手くなって、最終的には「この作品の中で一番上手い」と言われる状態に持っていきたいです。
ーー役柄的に主人公・遠野吠の兄というポジションでもありますよね。吠役の冬野心央さんとはお話されますか?
カルマ:撮影現場では話しかけたりするんですが、まだ多分慣れていないんですよね。心央は元々僕のことを好きでいてくれていたようで、最初はほとんど話せないくらいだったんです。ただ、役としての距離感を考えると、「それもいいのかな」と思っています。
ーーブライダンチーム(ファイヤキャンドル役・三本木大輔さん、ブーケ役・まるぴさん)との撮影はいかがでしょう?
カルマ:大人組なので、悪の組織とは思えないくらい平和です(笑)。クオンは色々なところに単独で顔を出すからこそ、「あの人とのシーンが多い」と言うのがなくて。全体を見るような感じではあります。ただ、撮影現場の雰囲気はすごく良いですね。
ーークオンを演じていく中で、監督とのやりとりで印象に残っていることをお聞かせください。
カルマ:あるシーンの撮影で、台本にない動きをしてみたり、ほかの演者をビビらせるような急な動きを入れてみたり。台本に書かれていることも、セットが少し壊れるくらい、子どもを泣かせるくらいの勢いで演じてみたんです。
現場でOKが出た後、田﨑監督がいらっしゃって。「何を怒られるんだろう……」とドキドキしていると、「出身どこ?」って聞かれたんです。「福岡です」と答えたら、「違う、違う。何の畑出身? 普通の人がしないことばっかりやるからさ」って。すごく褒めていただいて、嬉しかったです。
ーーカルマさん自身が1年を通して、叶えたい「夢」や「願い」はありますか?
カルマ:戦隊を愛してくれている人たちから愛されるだけでなく、普段スーパー戦隊を観ていない方々にもこの作品を観ていただきたいです。自分がその起爆剤の一つとなるように、「色々な枠を全てぶち壊したい」という想いがあります。
ーーそういう意味では、クオンの登場によって、物語の展開が加速していきそうですよね。
カルマ:作品とキャラクターをもっと愛してもらうためには、圧倒的な恐怖を与えなきゃいけないし、悪のヘイトも買わないといけない。台本を読むたびに「やりきらないといけない」と思っています。
ーー最後に、今後のクオンの見どころを教えてください。
カルマ:今後の展望としては、陸王とイケメンナンバーワン対決をしたいところですね(笑)。『ゴジュウジャー』は色々な要素を持った作品ですけど、物語の核となる部分にクオンがどう関わっていくのかに注目していただきたいです。一貫性のあるドラマが展開されていくので、より楽しんでいただけると思います。
[インタビュー/田畑勇樹 撮影・編集/小川いなり]