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節分に飯坂電車で赤鬼に会いに行く。朝風呂と共に愉しむそば定食

日刊CJ

第89回「二八更科蕎麦 そばひろ」

立春を迎えてなお、厳しい寒さが続く2月。こんな日は温泉で温まりたいなと画策。

第89回の「ふくしま定食部」は奥州三名湯のひとつ、飯坂温泉を目指します。

福島交通飯坂線の終点「飯坂温泉駅」
湯沢通りを進むと温泉旅館が並ぶエリア

「いい電1日フリー切符」(※)で、福島駅から20分ちょっとの小遠足。

※いい電1日フリー切符…大人1名+小学生1名+幼児2名まで自由に乗降可。共同浴場入浴券付きで800円※金額校正中

終点の飯坂温泉駅を出たら、右手の信号を北西へ。石畳の湯沢通りを進むと鯖湖湯が出現。

プラモデルが発売されたら2つ買います!鯖湖湯への入浴料もフリー切符にコミコミ(通常大人400円、小人200円。営業は6:00~22:00)

飯坂温泉共同浴場はどちらも約50℃のアッツアツ!掛け湯を繰り返してなんとかお湯に慣れたのちに、いざ浴槽に浸かることができた先には、ヒマラヤの名峰を踏破したような爽快感に包まれます。

さて、本日の目的地は鯖湖湯の2軒隣り。鯖湖旅館を2023年にリニューアルした「温泉屋ひろすけ旅館」さん。その旅館に併設の「そばひろ」さんへホカホカの体でピットイン。

路地の隠れ家的佇まいにワクワク。入り口の看板で予習

ドアを開けるとスリッパへ履き替える受け付けスペース。メニュー写真が貼り出されていますが、入り口で事前学習済み。

更科の二八蕎麦が名物の「そばひろ」さんですので、「そば定食」をざるそば/とろろでオーダー。(かけそば、生卵/納豆も選択可)

そして湯上りホカホカですもの、生ビールでクールダウンせざるを得ませんよね。

コンパクトながら居心地の良い店内
凍ったジョッキに、パリポリ感がクセになる「飯坂そばあげ」(生ビールは650円)

バーのような細長いカウンター席と突き当りにはテーブル席。なぜか、いつもカウンターの一番手前に陣取るのですが、今日も変わらず同じ場所へ。

頭上のテレビに興じていると、凍結したジョッキに注がれた生ビールが到着。お通しに名物「飯坂そばあげ」もありがたい。

「そばひろ」さんは、積極的に地元食材を使っていて、以前いただいた「ラヂ玉そば」には、ご近所の玉手商店のラヂウム玉子が鎮座。

「ラヂ玉そば」(600円)に「ちくわ揚げ」(120円)を追加トッピング
飯坂温泉駅には「日本最初のラジウム発見の地」と記されたラジウム玉子の像も

意外と福島市民でも「温泉玉子とは言わずにラヂウム玉子」くらいの認識かもしれません。しかし!1910年に真鍋嘉一郎氏が飯坂温泉のラジウム含有量を測定し、日本で初めてラヂウム泉を発見したことに由来するんです。

温泉で外から、食で中から飯坂に染まるというわけです。

ちょうどそばあげが無くなりかけたあたりで「そば定食」のお盆の到着です。

まるで旅館の朝食膳。「そば定食」(600円)

すぐさま箸をつけたくなる気持ちを抑えて、サービススープをよそったらスイッチが入りました。

雪帽子のようなとろろかけご飯
艶やかな黄色が映える生卵とギリギリまで迷います

お盆の上にはざるそばの他、ライスに生卵。さらにはトリプル小鉢にお新香、デザートと充実。

お盆を埋め尽くす、まさに旅館の朝ご飯。

家庭的な味わいが温かい、煮物などの小鉢たち
こだわりのつゆに艶やかな更科そば

更科そばは喉越しも爽やかに、こだわりの鰹だしを配合したつゆが濃すぎないので朝そばにもぴったり。

「そば定食」温かいかけそばバージョン

ひと通りいただいて時計を見ると、計ったように一品料理がオーダー可となる10時に突入。飲み干したビールも影響してか、気付いたら再びメニューを捲っていました。

それではと、飯坂町湯野の角田豆腐店「油あげ焼き」+玉手商店「ラヂ玉天」「福島産地酒呑み比べセット」の福島フルコースにしちゃいます!

「油あげ焼き」(400円)+「ラヂ玉天」(150円)の“角玉セット”
「本日の呑み比べセット」(1,000円)は、金水晶・いち・会津中将

まずはグラスに3つ、お酒が注がれるのを証人の如く見届けたら、間もなくして油あげ焼きとラヂ玉天の到着です。

さっそく油揚げに箸を入れると、よく焼きカリサクな歯ざわりが最高!口の中に広がる豆腐のコク深い旨みに、大根おろし・ねぎ・生姜の薬味が一切れごとに表情を変えてお酒を誘います。

そして、まるで蕗の薹のようなビジュアルの「ラヂ玉天」は仰天レベルの旨さ!

「火を入れすぎるとゆで卵になるので加減が難しいんですよ」と仰る通り、とろり感を残しつつ、海苔の食感・風味ごと揚げたことで旨みが爆発!これで150円は奇跡。

鯖湖湯の隣りの隣り、「ひろすけ旅館」。入り口の提灯にももちろん赤鬼

旅館名の「ひろすけ」は「泣いた赤おに」の作者、浜田広介氏(※)から。

※浜田広介…山形県高畠町出身の童話作家で「日本のアンデルセン」とも呼ばれている

オーナーは元々東京の方。飯坂温泉の仕事に携わった際にすっかり温泉街のファンに。その後、ご縁あって旧鯖湖旅館を引き継ぐことになるのですが、或る日、飯坂町茂庭から国道399号線をドライブしていると、鳩峰峠の丘に浜田氏の詩碑「むくどりの碑」を見つけます。

さっそく、浜田氏を調べると「泣いた赤おに」に辿り着き、東京から来たオーナーが飯坂のみなさんと仲良くなりたいという想いが重なったことから、「ひろすけ旅館」とされました。

「飯坂温泉街をもっと盛り上げて行きたいんです。朝からやっている飲食店が少ないので朝6時からの入浴後に立ち寄れるお店を始めました」というオーナーの想いに絵本がオーバーラップして、「ココロノヤサシイ オンセンリョカンノソバヤデス ドナタデモ オイデクダサイ」の立て札を探してしまいました。

情緒ある飯坂電車で定食遠足も良いものですよ

新たに湯気を纏ったお客さんが入ってきましたので、そろそろお会計です。心も体も温もって、再び石畳を飯坂温泉駅に向かいましょう。

すっかり良い気分に仕上がって、赤鬼のような顔色になっていないと良いんですが…。

ごちそうさまでした!

二八更科蕎麦 そばひろ

住所
福島市飯坂町字湯沢20-1

電話番号
024-593-6248

営業時間
7:00~13:30ラストオーダー(木曜日は10:30~14:00)
※丼もの、一品料理の注文は10:00~

休み
無休

駐車場
6台

リンク
https://www.instagram.com/sobahiro_iizaka/

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