猫には凶器になる『家の中の危険物』4選 最悪命をも奪いかねないトラブルの元
1.ひも状のもの
家の中には、さまざまな「ひも状のもの」があると思います。狩猟本能が強く残っている猫にとって、ひもは恰好のおもちゃです。誤飲してしまった場合、凶器にもなることを覚えておきましょう。
トラブルが起こりやすい代表的なものとしては、おもちゃのひもやゴム部分、ヘアゴムやビニールひも、服や靴のひも、電源コードなどがあります。
万が一飲み込んでしまった場合、絡みついたひもが腸をつづれさせてしまい、腸閉塞を引き起こします。この状態が続くと、腸が壊死するなど穴が開いてしまう可能性があり、大変危険です。また、電源コードをかじると感電や火事などのリスクもあります。
とくに子猫は色々なものを口に入れようとするので、小さなものは部屋の中に放置しないことが大切です。電源コードは使わないときは抜くようにしましょう。コードを隠すためのカバーやケースを用意するのもおすすめです。
2.熱を発するもの
当然のことながら、熱を発するものも猫にとって危険です。例えば、ストーブやヒーターなどの暖房器具。寒がりな猫が近づきすぎて、火傷をする事故が非常に多くなっています。寝ている間にヒゲや被毛を焦がしてしまったり、低音火傷をしてしまったりすることも多いので、気を付けましょう。
また、キッチンも危険なものがたくさんあります。調理中に猫が上がってきて、油やお湯に触れてしまうことがあるためです。ガスコンロのスイッチを踏んで点火してしまうこともあるので、キッチンに入れないように仕切りを付けることをおすすめします。
お風呂場での事故にも要注意。沸かしている間に猫が浴槽に落ちると、全身火傷をすることがあります。熱湯でなくても溺死する可能性があるため、お風呂場の扉は必ず締めるよう心がけましょう。
3.植物やアロマグッズ
猫に危険を及ぼす意外なものとして、一部の植物があります。観葉植物を飾っている家は多いと思いますが、猫にとって毒性を示すものがあるためです。中毒を起こしやすい植物はたくさんありますが、中でもユリ科は危険度が高いため注意しましょう。
また、アロマディフューザーやお香などのアロマ関連グッズもリスクがあります。アロマは植物を濃縮した「精油」と呼ばれるものが使われており、これが猫にとって毒となるケースがあるのです。触れたり舐めたりする可能性があるため、使用を控えた方がいいでしょう。
猫が中毒症状を起こすと、嘔吐や下痢、流涎や流涙、意識障害など原因によって様々な症状が現れます。
明らかに毒物とわかるものを口にした場合や、上記のような症状が見られたときは、すぐに動物病院へ連れて行ってください。長期間の使用による肝臓への影響も指摘されているため、「今まで問題なかったから大丈夫」と油断しないことが大切です。
4.カーテン
カーテンで遊ぶのが大好きという猫も多いかもしれません。しかし、状況によっては致命的な事故につながることがあります。猫がカーテンで怪我をしたり命を落とす事例がとても多いのです。
最も起こりやすいのが、カーテンに爪が引っかかって身動きが取れなくなってしまうというものです。猫の爪はカーブ状になっているため、布製のものに引っかかると自力で取れなくなることがあります。猫がパニックを起こして爪が抜けてしまうということも考えられます。
中には、首輪のパーツが引っかかって取れなくなるという恐ろしいケースも。このような事故を防ぐために、一定以上の力が加わるとバックル部分が外れるような猫用の安全首輪を選んだり、カーテンの素材を引っかかりにくいものにしたりといった工夫は欠かせません。
まとめ
家の中は、想像以上に危険なものであふれていることが分かりましたね。人間にとっては生活を便利にするアイテムも、猫には危険が伴うことがあります。思わぬ事故を防ぐには、あらかじめ対策を打っておくことが大切です。
最近では、猫のいたずらを防ぐためのグッズもたくさん販売されています。愛猫が近づきやすいスポットには、便利グッズを活用してみるのもいいかもしれません。
(獣医師監修:唐野智美)