Yahoo! JAPAN

分家の人々が沖縄県内を忙しく移動する日…沖縄のお盆・旧盆行事「ナカヌヒー(ナカビ)」今年は2025年は9月5日(金)

OKITIVE

沖縄のお盆は、旧暦7月7日の七夕からはじまり、13日のウンケー(ご先祖さまのお迎え)、15日のウークイ(お送り)まで続きます。 この1週間は先祖を敬い、家族で過ごす大切な期間。2025年は9月4日(木)~9月6日(土)が旧盆にあたります。 本記事では、お盆の2日目にあたる「ナカヌヒー(ナカビ)」について紹介します。

沖縄お盆の中日・ナカヌヒーとは

ナカヌヒーは、毎年旧暦7月14日に行われるお盆の中日です。 2025年は9月5日(金)にあたります。 この日は、ウンケーとウークイと違って、仏壇のある家(ムートゥヤー/ムチスク)ではなく、分家の人々が沖縄県内を忙しく移動する日。 毎年、特に交通渋滞が発生します。 それもそのはず、この日分家の人々はお中元を持って親族を回っているからです。

ナカヌヒーの習慣:お中元

ナカヌヒー(ナカビ)のお中元の習慣は、日本全国で見られるお中元の習慣とほぼ同じです。本来お中元は郵送するものではなく、挨拶とともに届け先へ持参するものでした。 現在では全国で郵送が一般的となっていますが、ナカヌヒーは仏壇のある家(ムートゥヤー/ムチスク)へ持参するという本来のお中元の習慣を受け継いでいる日といえます。 なお、ナカヌヒーにムートゥヤー(お仏壇のある家・本家)に行くことができない遠方の親戚は、前もって手土産(お中元)を、郵送することもあります。 お中元に持参する手土産は、1000円〜2000円程度の品が一般的。 日持ちのするお菓子や乾物、洗剤などの消耗品が好まれます。 手土産の上に、あの世(グソー)で使用するお金の「ウチカビ」をのせる家もあります。 お中元を渡す際は、まずはお仏壇にお線香を拝してお中元をお供えするのが一般的。 ここで自分の名前や干支を報告し、健康祈願をします。郵送されたお中元は、仏壇のある家(ムートゥヤー/ムチスク)の主人が届いたお中元)を仏壇にお供えし、ご先祖さまに送り主の名前と干支を報告して健康祈願の線香をあげます。 仏壇のある家(ムートゥヤー/ムチスク)はお中元のお返しはしませんが、分家の人々が挨拶にきた際に、冷やしそうめんやお菓子などを出しておもてなしをします。 そこで挨拶がてら、ゆんたく(おしゃべり)をして、ナカヌヒーを過ごします。

ウチカビ(あの世のお金)

「ウチカビ」は、沖縄におけるあの世のお金(死後の通貨)。 供養や冥福を祈るために仏壇や墓前で焚き、ご先祖様があの世での生活に困らないように送るとされている。 ウチカビを焚く時間帯は、一家全員でウートートーをした後、夜が一般的。 重要なのは「霊を送り出す拝みの後に炊く」ことで、ウークイより前に燃やすと、お金だけ持って早く帰ってくれという意味になってしまうと言われている。 なぜ黄色なのか? 1)中国由来の文化 ウチカビは、中国の冥界文化「紙銭(ジージェン、紙のお金)」が由来とされている。 中国や台湾、ベトナム、華僑社会などでも、冥銭(あの世のお金)=黄色の紙が基本。 古代中国では、黄色は「皇帝」「天子」「神聖」を表す最上位の色だから。 2)沖縄で黄色は神の色を表す 沖縄の民俗信仰において、黄色や金色は「神仏が好む色」「浄化・祝福・守護の象徴」「太陽や火の色と重なる霊魂のエネルギー源」と認識されている 3)火で燃やすと、黄色は「金」と認識される 黄色い紙を燃やすと金色のように明るく燃える。ウチカビは燃やして使用するので、燃えて金色に見えることから「金銭」や「財」の象徴と解釈された。 ウチカビの丸い模様は昔、各家に型があり手打ちしていたそうです。 ウチカビを燃やす時の注意点 ・焚く前にご先祖様への声かけを忘れないこと(無言で焚くことは「捨てた」ことを意味することもある) ・火が途中で消えるのは届かない兆しとされるので、再度祈り直す ・ウチカビを無造作に扱うのは不敬なので丁寧に扱う ・他人のウチカビの火に自分のものを混ぜない(宛先が混ざってしまうため) ・燃え残りは家の外の土に埋めるか流すか、白布などに包んで処分し、家の中には持ち込まない(穢れを避けるため)

ナカヌヒーのお供えもの

ナカヌヒー(ナカビ)には、一日をとおして以下のお供えものを仏壇に供えます。 ・ヒティミティムン(朝食):ごはん、味噌汁、酢のもののお膳 ・アサバン(昼食):そうめん汁 ・マドゥヌムン(おやつ):沖縄ぜんざいや沖縄由来のお菓子など ・ユウバン(夕食):ごはん、味噌汁、煮もののお膳

最近では、家族が食べる同じ料理をお供えする家庭も増えています。 また、親戚や縁者が持ち寄ったお菓子などをお供えすることもあります。 このほかにも旧盆のお供えものとして人気なのが、缶詰。 食事ものであればポーク缶やツナ缶など、フルーツ缶であれば桃缶やみかん缶などが人気です。 缶詰は沖縄の暑さでのなかでも傷みにくいので、3日間のお盆期間中、お供えものとして重宝されています。

ナカヌヒーの拝み方

1. 朝一番にウチャトゥ(お茶)をお供えします。 2. 三食と間食をお供えする際は、それぞれヒラウコウ(沖縄線香)を2枚立てます。 3.「ご先祖さま、食事を準備しました。どうぞお召し上がりください」とお声がけします。 召し上がってください、という言葉を意味する「ウサガティンクィミスーリー」という言い回しを覚えておくと、なおよいでしょう。 ナカヌヒー(ナカビ)は、ご先祖さまと親戚でゆったり過ごす日です。この日が終わると、いよいよお盆の最終日であるウークイを迎えます。

おすすめの記事

新着記事

  1. インバウンド需要増加。日本の不動産・住宅の“安全保障”はどうあるべきか~時事解説

    LIFULL HOME'S PRESS
  2. 里川チャビングでカワムツ連発!【三重】婚姻色の良型オス&ぽってりお腹のメス登場

    TSURINEWS
  3. 【MEAT JOY PARK 佐藤食肉CoCoLo新潟店】この大きさ、日本一かも!?人気精肉店自慢のバーガー|新潟市中央区新潟駅

    日刊にいがたWEBタウン情報
  4. 10年以上、田舎で一人暮らしだった母に『寄り添い続けてくれた猫』……大きな愛情に「動物の愛って凄い」「涙がこぼれ落ちた」と感動の声続出

    ねこちゃんホンポ
  5. 「猫の好奇心は、いわれるほど強くない?」研究者が実験結果を発表 英国

    ねこちゃんホンポ
  6. ロイヤル・オペラ『ワルキューレ』ブリュンヒルデ役エリザベート・ストリッドに聞く~「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2024/25」

    SPICE
  7. 【東広島】好きを学び、話し合って決める 志和町にひろしま自由学校アシンク開校

    東広島デジタル
  8. 『ママ不在の日』に……パパには普段『塩対応な猫』が見せた→まさかの行動に「可愛すぎて笑っちゃった」「良かったねw」と10万再生の反響

    ねこちゃんホンポ
  9. 経済効果5億円!「ゆるキャン△」静岡県スタンプラリーが満足度97%超え、聖地巡礼で知られざる観光地の発見にも貢献

    鉄道チャンネル
  10. 釣具メーカーや釣具店らと協力して釣りが楽しめる環境を次世代へ!【フィッシュフレンズ Squid Saver】プロジェクト始動

    WEBマガジン HEAT