ジュビロ磐田のハッチンソン監督とGK川島永嗣が語る静岡ダービー「サッカーが文化になっている静岡で意地と意地のぶつかり合いを」
4月9日のYBCルヴァン・カップ1次ラウンド2回戦で、ジュビロ磐田と清水エスパルスが激突します。公式戦2季ぶりの静岡ダービーの舞台は、磐田市のヤマハスタジアム。ホームで勝利をファン・サポーターに届けたい磐田のジョン・ハッチンソン監督と、キャプテンの川島永嗣選手に、チームを代表して意気込みを語ってもらいました。
ジョン・ハッチンソン監督「重要性は認識している」「永嗣は我慢の時」
-清水との静岡ダービーを9日に迎えます。
まずクラブとして、1試合1試合そこに優劣をつけないようにはしているんですけど、もちろんファンやクラブにとってこのダービーの重要性というところも監督として理解しています。
カップ戦の2回戦ですし、意味のある試合ではあると思っていて、歴史のある2チームによるダービーというところで、非常に大きな試合が控えているなというふうに思っています。
清水は去年素晴らしい成績で昇格し、今年はいいスタートを切れています。非常にチャレンジングなゲームになると思うんですけれど、そこに対抗できるチームをぶつけられればと思っています。
-清水の印象は?
常にボールを保持してプレーしようとし、ビルドアップをしてくるチームです。タレントもいるし、ビルドアップの中でも早く前につけていこうとする。裏の脅威もありますし、常に選手間、選手間を縫っていくようなプレーをしてくる。
プレシーズンマッチ(2月の鹿児島キャンプ中の練習試合)の時もすごくいいチームだったなと思っています。われわれも成長段階、まだまだこのスタイルを学び始めたところではあったんですが、そういった中でも非常に清水は脅威でした。特にセットプレーのところ、常に先に触られたなという印象もあって素晴らしいものを持っているなと思いました。
ただわれわれもチームとして成長しています。山形戦(4月5日)でファイナルサードのところで自分たちのチャレンジができなかったのが反省点なので、その改善と、選手がそれぞれ自分自身をプッシュすることができれば、結果もついてくるのではないかと思います。
-こういった負けられない感情が入った試合で、勝利を得るために必要なことは。
常に自分たちのやり方であったり、自分自身と向き合う必要があると選手には伝えています。もちろんダービーですし、感情も出ると思いますし、潰して戦うぞっていうようなシーンも出てくると思うんですけど、まずは自分たちのパフォーマンスに集中すること。感情をコントロールすること。そこに集中していくこと。それが大事です。
もちろん負けることもあると思いますけれど、勝敗というのはコントロールできない部分でもあると思っています。例えば、シュートを何十本と打って負けることもサッカーでは起こりうるので、そこはコントロールできない。
選手には自分でコントロールできることはコントロールしようと伝えています。負けたとしても、少なくともこのチームはチャレンジしたよねとか、自分たちのやり方を貫いたよねというふうにもっていきたい。
それができなかったのが富山戦(3月9日)。内容もひどかったし、自分たちのフットボールもできなかった上に負けたというところで、自分たちにフォーカスするというところが大事だと思っています。
-トーナメントの一発勝負の難しさは1回戦のFC大阪戦(3月26日)でも感じたと思います。
今度の清水戦も何が起こるか分からないですけど、それに対する準備をする。コントロールできるものをコントロールしようというふうに選手には言ってるんですが、いいパフォーマンスが見れたらなという一点に尽きます。
ファンの方々も安くないお金を払って見に来てるわけなので、ファンの方が見れるものを提供したい。負けたとしても、いや、100パーセント出し切ったよねと思ってもらえるような試合にしたいなと思っています。
-川島選手は1カ月ぐらい実戦から遠ざかっています。
ポジション争いというのは付きもの。航斗(阿部選手)も出てきてから本当にいいパフォーマンスをしているので、それに対して永嗣も戦ってくれないといけないと思っています。
ポジションを外れる時に、その選手がどういう振る舞いをするかというのがすごく大事だと思っているんですけど、本当に素晴らしいものを永嗣は見せてくれているなと思います。
競争相手の航斗に関しても、ここ2試合連続でクリーンシート、いいセーブも見せている。ここは我慢の時かなと思いますし、龍輝(三浦選手)も翼(西沢選手)も、彼らもいつでも出られる準備をしていかなければいけない。
ただ永嗣に関しては、キーパーの能力や彼の人格に全く疑う余地はなく、本当に素晴らしいキーパーで、素晴らしいリーダーでもあるんですけど、今は我慢の時だというふうに思います。
GK川島永嗣「いろんな人の気持ちを背負って」
ー静岡ダービーに向けたチームの雰囲気は。
みんなダービーというのは確実に意識するし、この前の試合(山形戦)が終わった後、サポーターの方たちから、ダービーは絶対勝ってくれっていう言葉も言われているし、勝たなければいけない試合だと思います。
-鹿児島キャンプは天候不良により途中で中止。不完全燃焼のまま終わりました。
昨年は逆の立場(磐田がJ1)で、今年はそれがまたひっくり返っているので、自分たちもそういう意味では意地を見せないといけないし、それをピッチで表したいなと思います。
-ご自身は試合勘のこともあり、そろそろピッチに立ちたいのでは。
もちろん試合にはいつでも出たいですよ。それは変わらないです。
-FC大阪戦は川合徳孟選手ら若手が勝利に貢献しました。
ピッチ状況も含めて、チームとして(リーグ戦では)試合をやっていない中で、ぱっとやらなければいけないのも含めて難しいゲームだったと思いますけど、それを勝ち切ったってことは、このグループにとって大きい勝利だったと思います。この水曜日(清水戦)につなげていかなければいけないかなと思います。
-公式戦の静岡ダービーは経験がありませんが、他のクラブにいた時はどのような印象を持っていましたか。
チームの中で話をしていて、去年から聞いてる中では、やっぱりお互い本当に意識している。やっぱりサッカーが本当に文化になっている土地の中での意地と意地とのぶつかり合いだと思う。
ダービーというのはどの国でも町と町のある意味、ピッチの上でのぶつかり合いだと思うので、そういういろんな人の気持ちっていうのを背負ってプレーできればいいかなと思います。