上越市高田のソウルフード「するてん」まつり 20店参加し1月25日初開催
新潟県上越市高田地区で昔から親しまれているスルメイカを一夜干しした塩するめの天ぷら「するてん」を使ったメニューが味わえる「するてんまつり」が2025年1月25日、同市本町3の高田まちかど交流館などで開催される。家庭料理から生まれ、今やスーパーの総菜コーナーにも並ぶ上越市高田のソウルフードとなったするてんのイベントは初で、冬の商店街を盛り上げようと高田本町3・4・5丁目商店街連合会が開く。
《画像:「するてんまつり」のちらし》
するてんは、内陸にあり、かつては冬は雪に閉ざされていた高田ならではの保存食を生かした料理だ。現在では通年で提供する飲食店のほか、観桜会や祭りでも売られている。シンプルなものから、衣に青のりや香辛料を入れたり、天つゆや塩で食べたりと家庭や店で少しずつ違いがある。2001年に商標登録(上越観光コンベンション協会所有)されている。
初開催のするてんまつりは、毎年冬に開催している商店街の老舗に設置した江戸風絵看板やひな人形を巡るイベントの一つとして、同連合会の高田本町百年商店街実行委員会が企画した。
本町商店街を中心に20店の飲食店が参加。約20年前に家庭料理のするてんを「上越の名物」にしようと奔走した一人、天ぷら若杉(西城町2)の佐藤巌さん(67)が作る20時間天日干ししてから揚げる「元祖するてん」はもちろん、トマトソースとするてんがマッチしたピザや甘ダレをかけたするてんとたくあんを具にしたおにぎらず、ビールに合うカレー風味やアンチョビとフレッシュトマトのソースをかけたする天バーガー、自家製みそを添えた洋風のフリットなど、17店がするてんを使った新メニューを考案した。
《画像:元祖するてん(左上)、する天バーガー(左中)、するてんおにぎらず(左下)、するてんピザ(右上)、するてんカレー風味(右中)、Surumeフリット(右下)》
当日は高田まちかど交流館で各店のするてんを販売する(午前10時30分〜午後1時)ほか、それぞれの店舗でも提供する。「上越名物するてん」と書かれたのぼり旗が目印。イベント終了後も半数の店で通年販売を予定している。
《画像:「するてんまつり」をPRする佐藤さん(左)と高田本町百年商店街実行委員会の宮越紀袮子代表》
佐藤さんは「約20年前できるだけのことをやろうと始めた。今回、するてんのいろいろな料理が出てきて、初めてのイベント開催で本当にうれしい。イカの不漁や値上がりで厳しさもあるが、するてんが有名になり全国に広まってくれれば」と話した。
高田本町百年商店街実行委員会の宮越紀袮子代表は「するてんを使って何かしたいとずっと思っていた。みんな大好きだし、ここにしかない素晴らしい素材で、生かしていきたい」と語った。
《画像:各店舗でもするてんが味わえる》
するてんまつりのほか高田まちかど交流館では午後1時から合唱や三味線演奏などの「春を呼ぶコンサート」、1月25日から3月4日までは本町商店街の各店舗にひな飾りが登場する「お雛さまと絵看板めぐり(ちらし( https://cdn.blog.st-hatena.com/files/4207112889963685954/6802418398318670672 ))」が開かれる。