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お化粧の時間は30分?私たち芸妓が、芸妓の姿に“変身”するまでの裏話|さっぽろ芸妓日記vol.10

Sitakke

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札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道 内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。

連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いい たします!

芸妓の姿に”変身”するまでの裏話

「お化粧と着付けにはどのくらい時間がかかるの?」
これは私たちが聞かれる質問の中で、一番多いかもしれません。

皆さんが想像される日本髪や白塗りのお化粧、いわゆる“芸妓の姿”に変身することを 私たちは「お仕度(おしたく)をする」と言っておりますが、
答えは「ひとそれぞれです!」になってしまいます。笑

時間をかけて丁寧にお化粧をする方もいれば、手際よくパパっと済ませる方もいます。

今回は、筆者である“こと代の場合”、それぞれどのくらいの時間をかけているかをご紹介させてい ただきたいと思います。

①お化粧

お仕度の中で一番はじめに取り掛かるのがお化粧です。

下地として鬢(びん)付け油を丁寧にのばし(ここでムラがあると白塗りがのらなくなるので要 注意!)、水溶きおしろいをぬってからパフで広げます。

白い顔を作ってから眉毛を描いたり紅をいれたりするのですが、どの工程においても 少しでも失敗すると修正ができないのです。

デビューしたてでまだ慣れていない頃は、失敗して下地から全部やり直し...なんてこと もしょっちゅうありました。(思い出しただけでも焦ります!)

お化粧自体は、私は30分くらいかかります。

(出番前のお化粧直し。お姐さんのアドバイスをもとに調整することも多々あります。)

②かつらをかぶる

髪をネットでまとめてスポッ!とかぶるだけなのでこの作業自体はさほど時間はかか りません。簪も季節に合わせて選んだものをさします。
5分ほどで準備できます。

③着付け

お衣装を汚さない為にも、着付けは一番最後です。
着るものによって、かかる時間が変わってくるのですが、例えばこちらの裾を引かない タイプのお着物+お太鼓帯スタイルですと、自分で着付けることができるので30分ほどあれば用意できます。

襟をたっぷり抜いたり、帯の位置を低めに締めたり、など通常の着方と違う点がいくつかあるので注意は必要です。

(先日のエルムガーデンさんのランチイベントにて。この日は自宅で自分でお仕度しま した。)

大きなお舞台など、裾引きのお衣装を着る場合は、着付け担当の方にお願いします。
いつもお世話になっている呉服屋さんで着せていただいております。

予約状況もあり早めに出向くので、その時間も含めるとより時間がかかりますね。お正月の忙しい時期なんかは着付け待ちでお姐さんがずらーっと待機されていることも。笑

(小梅ちゃんの帯を調整する置屋のお母さん。お母さんにもよく着付けをしていただいております)

ちなみに、この白塗り姿でお仕事からお仕事への移動ですすきのの街を歩いている と「京都から来たんですか?」とよく声をかけていただきます。
いつも「札幌です~!」とお答えするのですが、いずれは「あ!札幌の芸妓さんだ!」 と気づいていただけるように、もっと頑張っていきたいなと思います。

お知らせ

令和6年6月15日(土)、16日(日)の2日間、北海道神宮例祭(札幌まつり)で踊らせていただきます!

私は第四豊水地区の山車に乗らせていただきます。
昔から続く芸者衆の一大イベントです。街で見かけたらお声がけくださいね!

昨年の「北海道神宮例祭(札幌まつり)」でお客様に撮影頂いた写真です!

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連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

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