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「8本撚り」と「9本撚り」は何が違う? バリバススタッフが教える、シーバスPEラインの"張り"と"伸度"使い分け

つり人オンライン

イト質で釣果が変わるシーバス用ライン

現代のシーバスルアーは、オールラウンダーに使えるものから特殊な状況に特化したものまで多彩になってきている。 それぞれのルアーが持つ強みを生かすために注目したいのがPEラインの張りだ。

解説◎中村亮介(なかむら・りょうすけ)
1999 年生まれ、宮崎出身。ウキフカセやエギングを経て中学生からシーバスにのめり込む。高校生の頃は毎晩、大学生になってからも年間300日を超すほどシーバスを追いかけていた。2022年にバリバスへ入社。渓流トラウトや磯など流れの釣りが得意。
写真と文◎編集部

シーバスのライン、「8本撚り」と「9本撚り」使い分け

あらゆる釣りにおいて、ラインの違いで釣果が変わる時代に入ってきている。 そう語るのはバリバススタッフの中村亮介さん。大学生時代は年間釣行300日超だったという大のシーバスフリークで、今では渓流や本流のトラウト、磯のフカセ釣りなどあらゆる釣りを楽しんでいるマルチアングラーだ。

多彩なフィールドで大小さまざまのルアーを使うシーバスフィッシングではキャストフィールやルアーの操作感などがラインの違いで明らかに変わるため、適材適所で使い分けることが釣果にも響いてくると話す。

バリバスからリリースされているシーバス用PEラインは2種類。8本撚りの「アバニ シーバス マックスパワー PE X8」と昨年登場した9本撚りの「アバニ シーバス マックスパワー PE X9」である。どちらも使用している原糸はマックスパワー原糸。通常のPEよりも直線強度が高いため、細イトでもランカーと安心して対峙できる。

スプールからラインを出して置いてみると、張りのあるX9はスプールの癖が残って立っているが、しなやかなX8は全く立っていない。この違いがキャストフィールやルアーの動きを変える

ドリフトの釣りではしなやかなX8

「ロングセラーのX8はとてもしなやかで人気のあるPEラインです。対してX9は張りが強く低伸度が特徴になります。ラインの張り感には人それぞれ好みがあると思いますが、ルアーやフィールドに合わせて使い分けるのもおすすめです」

しなやかなX8は流れにルアーを乗せて流し込むドリフトを多用するシーバスフィッシングに合う王道ライン。抵抗の少ない小型ルアーでもラインが流れに馴染んでターンさせやすくルアーのアクションを阻害しない。キャスト時にはスプールに沿ってラインが放出されるため、ルアーのスピード感にムラが少なくピンポイントキャストも決まりやすい。都市型河川や小場所ねらい、繊細なルアーをよく使う春におすすめだ。

X8はオールラウンダー。なかでも小型ルアーを使った繊細な釣りが得意

X9はわずか3%の低伸度。「縦編み」がもたらす高感度

X8と対極にあるラインと中村さんが話すX9はその張りの強さと低伸度から飛距離を稼ぎやすく、高感度である。大河川における遠投の釣りやバイブレーションを使った巻きの釣りに向いている。また、張りが強いことで必要以上に流れに取られなくなるため、清流域のリバーシーバスにも使ってほしいとのこと。 ラインの張りの違いや低伸度を生み出しているのが編み方である。

X8を含め一般的なPEラインは横編みと呼ばれる方法で作られており、伸び率は6~8%ほどだが、縦編みと呼ばれる方法で編まれたX9の伸び率は3%台と低伸度となっている。ゆえに高感度であるのだ。

「遠投先のバイトが明確になってアワセもしっかり決まりますよ!たとえば旧江戸のバイブレーションを使ったデイゲームはX9が抜群です。着底の感触がぼやけると旧江戸名物のカキ瀬に捕まるリスクが跳ね上がりますが、低伸度のX9なら遠投先でもボトムタッチが明らかによくわかるのでキッチリトレースできます。バイブレーションの波動も強く感じられるんですが、それもPEの伸びの少なさによるものです。

X9は大型ルアーの使用や大場所での遠投の釣りにおすすめ

ルアーの動きは「リーダーの比重」で操作する

ルアーに影響を与えるのはPEラインだけではない。リーダーも気にしてほしいと中村さんは言う。

「シーバス用のリーダーはフロロカーボンが主流です。その理由は根ズレなどに負けない高い耐摩耗性だと思いますが、イトの比重に着目するとナイロンの出番も見えてきます」

バリバスからはシーバス用ショックリーダーとしてフロロカーボンとナイロンの2種類がラインナップ

フロロは「馴染ませる」、ナイロンは「浮かせる」

フロロカーボンの比重は海水よりも大きいため沈みやすい。この性質によってリーダーで水を割るようになり、抵抗の小さいルアーでも流れの中に入れ込めるのである。当然、リーダーの長さでその入り具合は異なるだろう。中村さんは平均して1ヒロ半に設定しているそうだ。

ショックリーダーとしての役割を考えれば伸びるナイロンが使いたいところだが、ルアーの水馴染みを考慮するとフロロカーボンに分があると話す。 しかし、ナイロンを使う時もあるという。それは、トップウォータープラグを使う時だ。フロロカーボンだとプラグが水の中に入りやすくなり、アクションエラーとなることが多い。比重の軽いナイロンにして長さは矢引き程度(75cm程度)と短めにすることで、ドッグウォークさせる時も左右に首を振らせやすくなるのだ。また、汽水湖のような流れが弱いエリアでもナイロンをよく使っているそうだ。

「シーバスショックリーダー VEP-F ナイロン(バリバス)」はフロロカーボンに近い耐摩耗性を持っており、擦れにも臆することなく使用できる。 ルアーフィッシングではラインの強度や太さにばかり注目しがちだが、張りの強さや比重に着目すると新しい世界が見えてくるかもしれない。

トップウォータープラグを使う場合は潜らせず左右に首を振らせるため比重の軽いナイロンをリーダーに使用し、長さは矢引き程度にしている

おすすめのシーバス用ラインの太さ

※このページは『つり人 2025年12月号』の記事を再編集したものです。

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