自分または家族の体の状態を把握しておくことは大切!作り慣れたおかずでも注意したい!調味料の使い方や活かし方とは?【70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう】
上手に使い分けたい、体の状態に合わせて選びたい調味料【70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう】
調味料を使うときは、まずは自分または家族の体の状態を把握しておくことが大切です。持病がある人はもちろんのことですが、そうでない場合も、本当に減塩が必要なのか、エネルギーを多くとったほうがよいのか、抑えめにしたほうがよいのか、それによって使いかたは大きく変わるからです。ひとつひとつの食材の持つ栄養やエネルギー、塩分、糖分もありますが、味つけのときに使う調味料で大きく左右されます。健康が気になったら、作り慣れたおかずでも、調味料を使うときは目分量でなく計量することで、実際にどの程度調味料を使用しているかを把握できます。
「食べてみて」が鉄則
多くの人が気にする塩分。調理時には薄めに味つけをし、食べてみて足りないようなら追加する習慣を。他のおかずとのバランスをみて足しましょう。
使いかたに注意!
使用量はそのままで減塩ができる「減塩しお」を使う人も多いでしょう。これは塩味はそのままに食塩の成分であるナトリウムをカリウムに置き換えているものです。どちらも細胞の機能を支える大切な成分ですが、使い過ぎは禁物。特に腎臓疾患がある人はカリウムのとり過ぎに注意が必要です。他の減塩調味料は、うまみを加えるなどして使用塩分の量を抑えています。上手に使い分けましょう。
糖分のとり過ぎ対策として人工甘味料が使われてきましたが、2023年7 月に人工甘味料の「アスパルテーム」について「発がん性の可能性がある」と発表されました。現在、日本で使用されている人工甘味料は厚生労働省が認可していますが、これだけに頼るのは避けて、砂糖とうまく使い分けするとよいかもしれません。
調味料を活かした食材別メニュー
大根千切りサラダ(生):おかかと和えたら和風サラダ、マヨネーズで和えたら洋風に
酢漬け:酢に半日漬けておく
ナムル:人参、きゅうりの千切りと和えてごま油、塩で味をつける
煮物:肉・魚と炊く(ぶり大根、さけ大根、おでん、牛すじ煮込み、手羽元と大根煮、鶏肉そぼろあんかけなど)
炒め物:豚バラと一緒に炒める
汁物:ごった煮、どんな食材とも相性がよい
常備菜:じゃこと炒める
菜飯:ゆでてごはんに混ぜる
ふりかけ:みりん、しょうゆ、砂糖、かつお節を入れて汁気がなくなるまで炒める
きんぴら:ごま油で炒めてごまをふる
玉ネギ丸ごとおかかのせ:新玉ネギがおすすめ。皮をむき、根の部分は残して4 分割にし、耐熱皿に入れて、電子レンジ600Wで3~4分加熱する。ポン酢をかけ、かつお節をのせる。
● 新玉ネギでないときは、くし形(あるいは、太めのせん切り)に切る
● 電子レンジでの加熱具合は、玉ネギがやわらかくなるまでが目安。
● 冷やして食べてもおいしい
玉ネギのチーズ焼き:皮をむき、くし形(あるいは、太めの千切り)に切り、耐熱皿に入れ、上に溶けるチーズをのせ、オーブントースターでチーズが溶けるまで加熱する。好みでコショウをふって食べる。
玉ネギの焼きびたし:皮をむいて輪切りにし、薄く油をひいたフライパンで両面に焦げ目がつくくらいまで焼く。めんつゆにしばらくつけ置き、食べるときにかつお節をのせる。
玉ネギステーキ:皮をむいて輪切りにし、薄く油をひいたフライパンで両面に焦げ目がつくくらいまで焼き、市販の焼き肉のたれを加え、両面にからめる。
● たれは、ショウガ焼き用、山賊焼き用などいろいろなものがあるので、好みのものを使うとよい
● しょうゆだけを両面にからめて、すりおろしたショウガ(チューブ入りも可)をのせて食べてもよい
煮込み料理
・ロールキャベツ
・キャベツスープ(卵を加える)
・煮びたし(油揚げを入れる)
野菜炒め:豚肉と大きめに切ったキャベツを炒めて味をつける(焼肉のたれ、味噌、ソースなど)
キャベツたっぷりのお好み焼き
さば缶キャベツ:さば缶とキャベツにめんつゆをかけて蒸す
中風サラダ:ツナ、ごま油、鶏ガラスープの素を加える
おひたし:レンジで加熱し、かつお節をかける
生で:キャベツ塩昆布和え、コールスローサラダ、千切りキャベツ(人参千切りと和えると彩りがよい)
【出典】『70歳からおいしく栄養がとれる食事のくふう』
監修:特定非営利活動法人 京都栄養士ネット 日本文芸社刊
監修者プロフィール
訪問栄養食事指導で地域の皆様の健康と栄養をサポートする管理栄養士のグループ。メンバーは京都府栄養士会の会員。2018年9月に認定栄養ケアステーションの認定を受け、京都府全域で訪問栄養指導を中心とした活動を行っている。2021年10月より機能強化型栄養ケアステーションに移行認定。在宅で療養されている方を訪問して、その方にあった食事の作り方やどの程度栄養量が摂れているか何を補えばよいかなどを、その方の嗜好や生活環境を大事にしながら、一人ひとりその人にあった形で提案し、実践してもらえる支援を目指し、多職種と連携し活動している。