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空から見るニッポン。ただいま、島根県出雲市の上空です!

さんたつ

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大黒様としてもなじみ深い大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る出雲大社(おおやしろ)。『古事記』に記される国譲り神話では、大国主大神が高天原の天照大神(あまてらすおおみかみ)に国を譲る。そのときに造営された宮殿が出雲大社の始まりといわれている。現在の本殿(国宝)は延享元年(1744)に造営されたもので高さは24m。出雲大社の社伝では、本殿の高さが96mだったことも。平安時代には48mあったと伝えられ、現在境内にある国旗掲揚塔の高さとほぼ同じ高さとなる。

出雲大社の北側、 日御碕を越えて現れた絶景は……

山口からの仕事の帰り道に作品撮りをしていこうと思い立ち、島根に寄っていくことにした。

離陸は、パラグライダー仲間に教えてもらった出雲市の長浜海岸から。なだらかに弧を描く海岸線を北上しながら徐々に高度を上げていく。

まずは出雲大社を目指すが、民家の上空を飛ぶことはできるだけ避けたい。川に沿って高度を500m以上保ったまま陸のほうへ入る。

出雲大社が近づいてくると神楽殿や拝殿、本殿が見えてきた。上空から見ると神楽殿前に立つ日本国旗がひと際目立つ。あとで調べてわかったのだが、国旗の大きさは13.6m×9m、掲揚塔の高さは47mあり、日本最大の国旗ともいわれているらしい。

神社境内上空には入らないよう少し離れた場所から撮影したあとは、出雲大社北側にある日御碕(ひのみさき)の半島北側、鷺浦方面に飛ぶ。

中央に出雲大社が見える。右奥の海岸は国譲り神話の舞台としても知られる稲佐の浜。

半島の峠を越えて北側の海へ出ると、まったく別の景色が広がっていた。海岸線はギザギザに屈曲しており、とても不思議な形をしている。鷺浦から日御碕にかけての特徴的な地形は隠岐諸島西之島の国賀海岸に似ているが、それ以上に複雑だ。

出雲大社の裏側がこんなふうになっているとは想像もしておらず、思いがけない景色に出会えてテンションが上がりっぱなしだった。

ネットで調べてもこの辺りの情報はあまり出てこなかった。観光地として有名ではない場所で、このような知られざる絶景を見られるのはモーターパラグライダーならではだろう。一人で興奮しながらシャッターを切り続けた。

鷺浦の海岸。日御碕にかけてこのような隆起海岸が続く。

取材・文・撮影=山本直洋
『旅の手帖』2024年6月号より

山本直洋
空飛ぶ写真家
1978年、東京生まれ。モーターパラグライダーによる空撮を得意とする”空飛ぶ写真家”。現在、世界七大陸最高峰を空撮する、成功すれば世界初のプロジェクト「Above the Seven Summits Project」を計画中。

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