四日市ドーム、市は「改修して維持」、概算事業費56億6000万円、市議会「説明足りない」
三重県の四日市市議会で5月23日、議員説明会があり、四日市ドームの今後について、市側が「改修して維持することが適当」との判断を示した。概算事業費は56億6000万円という。市側は6月議会に改修契約などの議案を提出したいと求めたが、市議からは「説明が足りない」として、鉄骨の腐食が進んだ理由や今後の管理方法などの疑問が噴出。再度、全員協議会などの形で市から詳しい説明を求めることになった。
市は、四日市ドームが竣工後25年になった2022年の時点で改修を計画したが、事業費が約62億円と高額になったため、いったん立ち止まり、ドームのあり方を1年かけて検討した。解体には約40億円が必要で、施設を再整備するにはさらに約250億円が必要だが、年間約18万人が利用するなど他の施設では補えない機能もあるとして、解体してしまうのではなく、改修して維持することを選んだという。
市の説明では、四日市ドームはアリーナ内部の鉄骨で腐食が進んでいるといい、塗装による補強見直しが約16億円かかる。また、特殊な形態の建物なため、人工芝の更新など、約20年に一度の改修が必要なものなどをまとめて工事する手法を取ると、約2年の休館が改修工事に伴い必要になるという。工事の費用については見直しなどを進め、当初の約62億円を下回る56億6000万円の概算になったという。
市議からは、「海に近い施設ではあるが、それは当初から分かっていたはず。これほど鉄骨の腐食が進んだ理由は何か。管理に問題はなかったか」「今回の改修ではどんな方法を用い、これまでとは改善されるのか」など多くの疑問や意見が出された。森智広市長も「市としては改修して維持との判断をしたが、市議会が納得できるよう、どんな資料が必要かを言っていただければ用意する」などと話し、再度の説明を開く方向でこの日の議論を終えた。
市の資料によると、四日市ドームは市政100周年を記念し、1997年7月に竣工した、鉄筋コンクリート一部鉄骨で、地上3階地下1階、延べ約2万3000㎡、建設時の総工費は約95億6100万円だった。