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朝食や睡眠…毎日の習慣が未来の体をつくる!? その健康法 あなたに合ってますか?

アットエス


「朝ごはん、食べたり食べなかったり」「歩かなきゃと思いつつ、つい車移動ばかり」「寝ているはずなのに、なんだかだるい」──そんな毎日の“なんとなく”が、実は私たちの体にじわじわと影響を与えているかもしれません。

健康に良いとされる習慣は世の中にたくさんあります。でも、本当に大事なのは「それが自分に合っているかどうか」。

同じ7時間の睡眠でも、朝スッキリ目覚められる人もいれば、疲れがとれないままの人もいます。運動しても元気になる人もいれば、どっと疲れてしまう人もいます。

つまり、“健康法”は人それぞれ。だからこそ、「自分の傾向」に気づくことが、健康づくりの第一歩になります。

“なんとなく”を見える化する アプリやウェアラブル機器も

最近では、歩数や睡眠、心拍数、食事内容などを手軽に記録できるアプリやウェアラブル機器も増えてきました。何か特別なことをしなくても、これらのアプリや機器を使ってふだんの生活を記録するだけで、自分の“なんとなく”が数字として見えてきます。

例えば、毎日きちんと寝ているつもりでも、睡眠の深さや夜中の覚醒に気づいていないこともあります。毎朝なんとなく疲れている……その原因は、眠りの「質」かもしれません。

実際、20歳以上の静岡県民を対象にした調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人が全体の約45%にのぼるというデータもあります。

私たちの多くが、意外と“寝不足気味”のまま毎日を過ごしているのかもしれません。でも、だからといって全ての人が7~9時間睡眠をとる方がいいという話でもありません。

あなたが実際にどのくらいの睡眠がとれているか、どんな時にすっきり起きられるのか──そんなふうに“あなたの眠りの傾向”を記録してみるのも、ひとつのヒントになりそうです。

また、食事についても「野菜が少ないかも」「外食が続いて塩分が多めかも」といった“偏り”に気づくことがあります。中でも朝食は、忙しい朝の中でつい抜いてしまうこともあるかもしれません。

実は、静岡県でも東京都でも、「ほとんど朝食をとらない」という人の割合は7〜8%ほどと、決して多くはありません。でもそれは、「ちゃんと朝食を食べていれば大丈夫」という話ではなさそうです。

パンだけで済ませていたり、お菓子で空腹を紛らわせたり──“食べているつもり”でも、栄養も満足感も不足していることがあるからです。

「朝、どんな気分だったか」「食べたあとの調子はどうか」─ そんなふうに朝の自分を少し振り返ってみると、今のリズムが自分に合っているのかどうか、見えてくるかもしれません。

日々の生活記録が健康づくりのヒントに

こうした記録は、“反省”のためではなく、“気づき”のために使えます。完璧を目指す必要はありません。昨日よりちょっと良くなった──それだけで十分なのです。

健康は「その日の体調」だけでなく、「何年先まで元気でいられるか」とも関係しています。
今は元気でも、食べ方や、運動の仕方などがゆっくりと体質に影響を与え、気づかないうちに差が出てくることもあります。まずは、自分の「いつもの暮らし」に目を向けてみる。そこから何かが変わるかもしれません。

そして実は、こうした「日常生活の記録」を通じて、健康を維持するためのヒントを探る研究が、ここ静岡でも始まっています。

ヒト表現型プロジェクト(HPP)では、日々の生活習慣を記録し、それを血液検査や身体測定と組み合わせて、個人の今の体の状態や将来の健康リスクを可視化する試みが進められています。

暮らしの中にある“なんとなく”の習慣を知ることで、未来の健康のヒントになるかもしれない。そんな視点から、自分の体と向き合うきっかけになるといいですね。

次回は、「自分の体の中にもう一人いる?」──そんな不思議なテーマ、腸内環境の話です。
 

※文中のデータは、以下を参照しました。
「健康に関する県民意識調査報告書」(静岡県 平成28年度、令和4年度)/「東京都民の健康・栄養状況」(東京都 令和元年)

 

■「ヒト表現型プロジェクト」とは?

■執筆/フェノエーアイ・ジャパン株式会社 運営部門長・管理部門長  平山佑三子
■監修/静岡県立大学名誉教授・客員教授  合田敏尚

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