<墓じまいの正解は?>「死んだら実家のお墓に入りたい……」アラフィフのリアルな悩み【まんが】
私(サヤカ、50歳)は22歳の1人娘(レイカ)と夫(ヨシユキ、50代)との3人暮らしです。実家は新幹線などを乗り継いで4時間ほど離れた場所にあり、80歳の実母が1人で暮らしています。私の姉(長女:ナオコ、55歳)(次女:ユカ、53歳)は2人とも結婚しており、他県在住です。私は2年前の義父の死をきっかけに、自分のお墓について考えるようになりました。義実家のお墓に入らない私は、最近焦りはじめています。
私の母は元気ですが、高齢なのでお墓参りは1年に1度くらいしか行けていないそうです。今年のお盆は3姉妹揃って父のお墓参りに行きました。
住職はもちろん立場的な発言もあると思いますが、私もそんなに慌てて墓じまいする必要はないのではと思います。
つまり母が亡くなったあと、一旦は今あるお墓に入ってもらい、三回忌までは姉妹で管理。その後、墓じまいをすると決めたのです。ちなみに、母からは「墓じまいにかかる費用はすべてとってあるからね」と言われています。
あらためて自分のお墓について考えたとき、私はまず、娘に負担をかけたくないと思いました。 たとえお墓を設けても、頻繁にお参りに来てもらわなくてもかまいません。もちろん、仏壇を持たせるつもりもありません。 ただ空に向かって手を合わせてくれるだけでいいという考えです。あえて、娘に何も残さない方が安心して成仏できると思っています。 ……でも、散骨には少し抵抗があるので、どこか決まった場所には眠りたいと考えています。
高齢の母より先に亡くなる可能性⇒金さえ用意すれば問題なし?
先日、1人で実家に帰ったとき……。
姉2人はどちらも長男と結婚していて、すでにお墓があります。姉たちはうちと違って義実家が遠方なわけでもないので、それぞれのお墓に入る予定でしょう。ただ、墓を「継ぐ」ような形にすると、娘への負担が気になります。
私が「お母さんはね、レイカには負担をかけたくないの。だからしょっちゅうお墓参りなんて必要ないから」と伝えるとレイカは「想像つかないから、何とも言えないけど」との返事。「そうよね。でね、おばあちゃんの三回忌が終わったら、私も一緒に永代供養してね。費用はちゃんと用意しておくから」「わかったわかった。お父さんと考えるよ。お母さん、100歳くらいまで生きそうだけどね」そう言ってレイカは笑いました。
私、母、姉たち、亡くなる順番はどうなるかわかりません。私が実家のお墓に入るのは、母よりも私が先に逝ってしまった場合です。 もしかしたら、母が亡くなった後、三回忌までの間に私が亡くなった場合も少しの間入るかもしれません。夫と娘、また姉たちがいれば、私が亡くなった後、どうにでもなる気がしました。 お墓の心配が思ったよりも早く解決しそうで、ほっとしています。あとは姉たちの説得ですが、すんなり了承してくれることを願っています。
実家のお墓に入りたいのに姉が猛反対「まわりの負担考えて!」
ナオコ姉ちゃんはしっかり者ではあるけど、小さなことが気になる神経質な性格。年が離れているのもあり、少し苦手です。私はナオコ姉ちゃんから詰められないように、ユカ姉ちゃんのときよりも丁寧に報告をします。ナオコ姉ちゃんは「うん、うん」と話に耳を傾けてくれました。
そう言って電話は切られてしまいました。ナオコ姉ちゃんに思いのほか怒られてしまい、なんだか納得いきません。ただナオコ姉ちゃんの言う通り、娘に多少の迷惑がかかる可能性はあります。
(ほかにも方法ってあるかな)そう思って1人で調べてみました。散骨はなんとなくイヤで、お寺さんや樹木葬も見学に行きました。
いくつかのお寺を見てきましたが、どこもピンとこず、今のところ「ここにお願いしたい!」と思うお寺に出会えていません。樹木葬は、家から2時間ぐらいの知らない土地にしか見つけられませんでした。 「一旦実家のお墓に入れる」と思ったから、どこも魅力的に思えないのかもしれません。親や夫、親や夫、娘の了承を得てはいますが、娘に負担をかけるのは避けたいとは思っています。 でも「少しでいいから実家のお墓に入りたい」という気持ちはそんなに責められるものなのでしょうか。
反対される理由がわからず……話し合いは平行線⇒姉にブチ切れ!
「それに年齢を考えると、私がお墓に入る可能性は低いだろうから、そんなに細かく考える必要ないと思う」とナオコ姉ちゃんに何度も説明していますが、私が実家のお墓に入るのは、実家のお墓が存続している場合です。つまり基本は、母より先に亡くなった場合か、母の三回忌で墓じまいするまでに亡くなった場合です。
墓じまいの費用はすべて母が用意してお寺さんに先払い済みです。母は住職さんに話をつけていて、住職さんには「時期が来たらいつでもおっしゃってください」と言われています。準備は万端です。なぜこんな反対されなければならないのでしょうか。
私は何も、家族に面倒をかけたいなんてこれっぽっちも思っていません。もちろん私が実家のお墓に入ることで、姉たちや夫、娘に多少の負担をかけてしまうでしょう。 でも残された人が、多少の面倒を見るのはよくある話じゃないでしょうか。当然とまでは言いませんが、多くの人が経験することです。 お墓について家族に負担をかけるかもしれないけれど、せめてその負担をできるだけ減らしておく、これでいいと思うのです。 なぜナオコ姉ちゃんがあそこまで否定的なのか、腑に落ちません。
【長女ナオコの気持ち】なぜ実家のお墓に?妹の考えが甘すぎる!
私(ナオコ、55歳)は、夫と2人暮らし。息子2人は成人して家を出ています。遠方の実家で80歳の実母が1人暮らしをしており、既婚の妹2人(次女:ユカ、53歳)(三女:サヤカ、50歳)は他県在住です。実家のお墓は母が亡くなったあとの三回忌を目安に墓じまいをすることになりました。それなのに、サヤカが「もし母の三回忌までに自分が亡くなったら、一旦実家の墓に入りたい」と言いはじめたので、困惑しています。サヤカは義実家の墓には入らないそうです。
「レイカちゃんやヨシユキ(サヤカの夫)さんに『墓じまいしたくない』なんて言われたら、困るよ」と言っても、わかったのかわかっていないのかよくわからない返事。昔からサヤカはあまり物事を深く考えないところがあります。いつも何もしないのに自分の希望だけ言って、まわりのみんなが叶えてくれると思っているのです。
私は昔からこまごま気がつくというか気が回るタイプです。そのおかげでいいこともたくさんあったけど、結局私がやらないといけないことが増えてしまうことが多々ありました。母が亡くなったあとの法事や親戚への連絡なども私がやるに決まっています。これまでの経験から明らかです。
母がお金を用意し、お寺との話をつけてくれているのは助かりますが、「墓じまい」なんて喜んでやりたいものではありません。 「墓じまい」と一言で言うのは簡単だけど、やるべきことはたくさんあるはずです。もしサヤカが実家のお墓に入ると、姪のレイカちゃんやサヤカの夫・ヨシユキさんの意向でお墓が残る可能性もあります。そうなると、私の子どもにも影響がおよぶかもしれません。 サヤカは「自分のお墓がない!」という事実に囚われ、どうもまわりが見えていないように思えてなりません。
【私の気持ち】もめ事も娘に引き継ぎ?「お墓ハイ」になっていた自分を反省……
私は義実家のお墓には入らないのですが、実家のお墓は母の三回忌で墓じまいすることになりました。持病があるため、私が母より先に亡くなった場合は、一旦実家の墓に入れてもらいたいと伝えると、母とユカ姉ちゃんは了承してくれました。でも、ナオコ姉ちゃんからは「残された人に負担がかかる」と反対されてしまいました。
「私がやるにしてもレイカちゃんやヨシユキさんの意見を無視できないでしょ」ナオコ姉ちゃんの一言に、私は「私が亡くなるまでお墓をおいておくわけじゃないし、私が早く亡くなった場合の話なんだから、そんな細かく決めなくていいじゃない」と言い返しました。どうしてこう言い合いになってしまうのでしょう。
「姉妹で管理するって言っても、結局、誰かがお金の管理をしたり音頭とったりしなきゃならないんだよ。そういうのあなたたちやってきた? 全部私じゃない?」ナオコ姉ちゃんの言葉にはっとしましたし、ぎくりともしました。確かにしっかり者のナオコ姉ちゃんが、実家のことを率先してやっています。
私が実家のお墓に入りたいと思ったのは、母から「一旦でもお墓に入っていい」と聞いて思いがけず嬉しかったのと、小さい頃から慣れ親しんだお寺に対する愛着が影響していたのかもしれません。 しかし本当に娘や姉たちに負担をかけたくないのであれば、自分の亡くなったあとの家族の負担をもっとよく考えるべきだと思いました。 ナオコ姉ちゃんが娘のことも心配してくれたからこそ厳しく言っていた、という思いやりにも今さらながら気づくことができてよかったです。