「ステージが完全に変わった」アシックス 営業利益1000億円を突破した絶好調決算の2つの要因
アシックスは2月14日、2024年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は6785億2600万円(前年比18.9%増)、営業利益は1001億1100万円(同84.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は638億600円(同80.9増)と大幅な増収増益となり、営業利益は初めて1000億円の大台に乗り、過去最高を更新した。売上高は4期連続の増収となり、最終利益も過去最高となった。
この絶好調決算を牽引したのは、「ゲルライト3」などのランニングシューズを展開するパフォーマンスランニングのカテゴリーと「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」だ。パフォーマンスランニングの売上高は3269億円(前年比14.3%増)、営業利益は707億円(同41.4%増)と2桁の成長だった。特に北米での売上高が前年比38.6%増と大幅な増収で、消費低迷が続く中華圏でも2桁以上の増収だった。「オニツカタイガー」の売上高は954億円(前年比58.3%増)、営業利益は324億円(同111.2%増)と力強い成長で、特にインバウンド売上高は78億円から219億円とこの1年で2.8倍にまで急拡大した。
アシックスのこれほどまでの好調のきっかけとして、1990年に誕生した「ゲルライト3」を挙げる声は多い。2010年前後から米国で「ゲルライト3」の人気に火が付き、アシックスのデザイン性や機能性が海外で注目されるようになった。その流れに乗って「オニツカタイガー」にも注目が集まり、欧米だけではなくアジア圏でも人気が急騰した。今期、アシックスの海外売上比率は80%を超えており、「アシックスのステージが完全に変わったと考えています」とコメントしている通り、グローバルカンパニーとして揺るぎないポジションを完全に構築したと言える。
アシックスは昨年、自社が保有する政策保有株式をすべて売却しており、今後は海外の機関投資家や個人投資家の比率もあがっていくとみられる。アシックスは同日、2025年12月期通期の連結業績予想を発表したが、2桁の成長を視野に入れている。売上高は7800億円(前年比15.0%増)、営業利益は1200億円(同19.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は780億円(同22.2%増)と予想しており、海外で稼ぐ力にさらに磨きがかかりそうだ。