【十条グルメ】地元民のソウルフード「からし焼き」とは？人気店の情報も
からし焼きってどんな食べ物？
「からし焼き」は、東京都北区十条のソウルフード。赤い色をした甘辛いスープに豚バラ肉と豆腐が入った、チゲのような見た目の料理です。にんにくとしょうがをたっぷりと入れたガツンとした味は、スタミナ料理好きにはもってこい！食べれば元気になれそうなパワフルさがからし焼きの魅力です。
ちなみに、からし焼きのからしは唐辛子のこと。唐辛子・にんにく・しょうがで体はポカポカになります。汗を拭いながらからし焼きを食べている方も多いんですよ♪
「元祖からし焼 とん八」のまかない飯から誕生
当時とんかつ屋だった「とん八」の初代店主が、お店をオープンした1964年ごろから作っていたからし焼き。もともとは、唐辛子とにんにくが好きな店主がまかないとして作っていた料理でした。お客さんの要望でまかないを提供したことをきっかけにメニュー化され、その人気の高まりとともに十条の飲食店に広まりました。
地域の住民に長年親しまれてきたからし焼きは、現在、ローカルフード・B級グルメとして、観光や散策の目的のひとつに十条に訪れる人がいるほどの高い知名度を得ています。
元祖とん八のからし焼きの特徴
「からし焼き」には、5つの特徴があります。“元祖”というだけあり、とん八のからし焼きが十条のからし焼きの基準です。ほかのお店も、とん八のからし焼きをベースにオリジナルのからし焼きを作っています。十条のからし焼きに共通する特徴を詳しく見ていきましょう！
たっぷりのラードで強火で炒める豚バラ肉
熱したラードが入った鍋に豚バラ肉を投入。強火で炒めることでお肉に旨味が増し、からし焼きにコクがプラスされます。豚バラ肉を炒めているときの天井まで届きそうな火柱は迫力満点！火が上がるたびに店内の温度が一気に上がります。
とん八のからし焼きのお肉は、豚バラ肉がデフォルトです。豚ロース肉を使用したからし焼きもあるので、ぜひ食べ比べてみてください。
秘伝のタレで豚バラ肉をしっかりと煮込む
とん八のからし焼きに欠かせないのが秘伝のタレです。豚バラが入った鍋を火から降ろし、タレを豪快に注ぎます。再び火にかけると2度目の火柱が！しばらく煮込み、味がなじんだところで豚バラ肉をお皿に取り出します。調理のカウンター越しに見える豚バラ肉の湯気だけでおいしそう！
注文後にすりおろすにんにくとしょうがを豆腐と煮込む
豚バラ肉の旨味がプラスされた秘伝のたれに豆腐、にんにく、しょうがを入れます。にんにくとしょうがは、生のものを調理中にすりおろしてくれます。たっぷりのフレッシュなにんにくとしょうがおいしさの秘訣です。食欲をそそるパワフルないい匂いと力が沸いてきそうなガツンとくる味を生んでいます。
からし焼きには「きゅうり」と「ねぎ」が欠かせない
からし焼きに忘れてはいけないのが付け合わせの「きゅうり」と「ねぎ」です。からし焼きの主な食材がやわらかい豚バラ肉と豆腐のため、きゅうりとねぎのシャキッとした食感がアクセントになります。濃い味で満ちた口の中をリフレッシュする効果も！からし焼きを食べ進めていくうえで、きゅうりとねぎは絶対に欠かせない存在です。
ごはんと相性が良すぎるガツンとくる甘辛い味
からし焼きはごはんとの相性がバツグン。甘辛くパンチのきいたからし焼きは、具材からたれまで、すべてがおかずです。大きなお茶碗に盛られたごはんが見る見るうちに減っていきます。ごはんをおかわりしたり、最初にビールと楽しんでからごはんを注文したりする人も多いんですよ。
とん八では、ごはんの量を「少々」「小」「中」「大」の4つから選べます。「少々」で子ども用のお茶碗くらい、「中」だと一般的な飲食店の大盛りくらいです。
十条でからし焼きが食べられるお店3選
1. 「元祖からし焼 とん八」十条を代表するからし焼き発祥の人気店
からし焼きをはじめて食べる方は、まずは「元祖からし焼 とん八」に行ってみましょう。からし焼き発祥のお店として知られるとん八の味は、十条のからし焼きの基準です。平日でも開店直後から満席になるほどの人気店のため、早めの来店をおすすめします。
座席は10席のカウンター席のみ。調理の迫力や料理の匂いを間近で感じられる特等席です。からし焼きはテイクアウトOK。お持ち帰り用の容器を販売中です。とん八の味を気軽にお土産にできます。からし焼き
真っ赤なスープですが、辛いものが苦手な方でもおいしくいただけるピリ辛です。唐辛子よりもにんにくが主役のガツンとくる甘辛い味は、何度食べても飽きがこないクセになる味。しょうがをきかせた、濃い味なのにしつこくない味付けが秀逸です。これ以上ないほどごはんによく合います。
豆腐と豚バラ肉は、どちらも大きくカットされていてボリューム満点！からし焼きを食べにとん八に行くときは、空腹にしておきましょう。想像以上に体がぽかぽかするので、ハンドタオルを持って行くと安心です。
2. 「味の大番」地元民から愛される老舗の大衆食堂
「味の大番」は、1964年から家族で営んでいる老舗の大衆食堂。家庭的な味付けの定食で地域住民やビジネスパーソンから親しまれています。2021年には、「食べログ 定食 百名店2021」に選出されました。連日多くのお客さんがお店を利用しているため、テイクアウトのみを利用するときは、日時指定ができるライン予約がおすすめです。
2021年にリニューアルしたきれいな店内には、L字型のカウンターを設置。オープンキッチンのような感覚で、目の前で店主が料理をしている様子を楽しめます。からし焼き定食
味の大番の「からし焼き定食」は、ごはんとからし焼き、お新香、みそ汁がセット。ごはんとからし焼きだけの「からし焼きライス（税込800円）」も選べます。からし焼きは、辛みとにんにくが抑えられた上品でややあっさりとした味わい。刺激と匂いが少ないなので、仕事中でもランチで食べやすいですよ。
毎週木曜日はからし焼きがお休みの日になっています。からし焼きを目当てに味の大番に来店する方は、曜日にご注意くださいね。
3. 「天」ラーメンのお供やおつまみにぴったりのからし焼き
「天」は、味の大番と同じ通りにあるラーメン屋さんです。自家製ラー油をはじめ、卓上に置かれた豊富な調味料で自分好みの味にカスタマイズできます。営業時間は深夜1:00まで。週末は飲み会の〆に立ち寄るお客さんをよく見かけます。
天の特徴は、なんといっても背脂中華そばとからし焼きを一緒に食べられるところ。税込200円の追加料金で、お好きなラーメンにからし焼きとライスをセットできます。十条名物からし焼き
天の「十条名物からし焼き」は、にんにくとこしょうが味の決め手。辛さは少なく、あっさりとしたやさしい味付けで、ラーメンの味を邪魔しません。とん八と味の大番のからし焼きの具材が豚バラ肉と豆腐だったのに対し、天のからし焼きはこんにゃくや厚揚げなど、たくさんの具材が入っているのが特徴です。
卓上の調味料を加えて味変ができるのも楽しみのひとつ。自分だけのからし焼きが作れますよ。
おいしすぎる！「からし焼き」を食べに十条へ行ってみよう！
十条のソウルフード「からし焼き」は、見た目こそ大きく変わりませんが、ガツンとくる味だったり家庭的な味だったりと、その味はお店ごとに違います。いろいろなお店のからし焼きを食べて、お気に入りのお店を見つけてみてくださいね。
この記事でご紹介した3店舗は、遠方からもお客さんが訪れる人気店です。お店に行くときは、時間に余裕を持って行きましょう。
※掲載商品の情報は公開時点のものです。店舗によっては取り扱いがない、または販売終了している場合もありますので、あらかじめご了承ください。
※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。
ライター：大橋とおる（ペヤング好きのグルメ・トラベルライター）