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これも“小1の壁”?「また保育園に行きたい」こうちゃんのランドセル事件…!新一年生の緊張と不安と葛藤に向き合った日【室谷香菜子のいっくじ日記#14】

Sitakke

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HBCアナウンサーの室谷香菜子(むろや・かなこ)が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、子育ての日々を学の日々を”一句”(育)児日記につづります!

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

こうちゃんはこの春、晴れて“ピカピカの1年生”になりました!

背中の黄色い交通安全カバーが新1年生たちを毎日守ってくれています。

「車、本当に気を付けてよ!まっすぐ歩くんだよ!!」

最初の1、2週間は心配で一緒に校門まで送っていましたが、今は同じ保育園だった近所の仲良しのお友だちと一緒に、毎朝元気に登校しています!

つい先月までは毎日手をつないで登園していたのに…

まっすぐ歩かずに車道に出てしまったらどうしよう…
転んでケガしないかな…

過保護かもしれませんが、今も毎朝ちょっと不安です。
でも、私と同じ気持ちの人は多いようです。

登校時間に外に出てみると、マンションの角や電柱の影に隠れて、気づかれないようにしながら子どもが見えなくなるまで目を凝らしている方の姿が。
透明人間になりきって背後からついて行っている方も…。

わかる。わかります!!!

涙涙の保育園最終日から早1か月…。

この1か月は、急激な環境の変化についていくのに必死でした。
4月1日の児童館初日のあたりは、なんだかもうかなり昔のことのように感じます。。

札幌市内195の小学校で入学式が行われた4月8日。
こうちゃんもビシッとスーツを身にまとい、元気に“新入生入場”をしました。

少し不安そうな硬い表情で、でも私の姿を見つけると手を振る余裕もあり。
式が終わると、

「あのね~!学校にウサギがいるんだって!校長先生、そう言ってたね!」

とってもハイテンション!

だったのですが…

入学式が終わって教室へ入ると、急に表情が変わりました。

こうちゃんの緊張・不安・疲れ

緊張するこうちゃん…

窓際の後ろから2番目の席。

すべてひらがなで名前が書かれているその席に「座ってごらん」というと、先ほどまでの笑顔が消えて、「ママ、行かないで」と私の洋服の裾をつかみます。

「こうちゃん、見てごらん、ほら!お友だちいっぱいいるね!みんな同じクラスの子だよ!楽しみだね!」

そう言っても、無言。
明らかに緊張しています。

担任の先生からのお話のあと、一緒に帰宅しましたが、こうちゃんはご機嫌ナナメ。

「疲れた~。もう歩けない!1歩も歩けない!!」

懐かしい”イヤイヤ“も発動。

入学式の次の日から徐々に授業が始まりましたが、こうちゃんは毎日「疲れた~!すごく疲れてる~!」と、機嫌が悪い日が多いようです。

「楽しくなかった?」と聞いても「うん、あんまり」の返事。

保育園から突然、大勢の子どもが集まる小学校へぽ~んと放り出されたような日々。
そりゃ6歳だって疲れるよね。

私も仕事が終わったら一目散にスーパー早足で児童館へお迎えに行き、
家で“お菓子パーティー”など楽しいことをして過ごすようにしていました。

慣れない1週間が終わった日曜日、昼過ぎに家の近所をこうちゃんと歩いていると「今日保育園に遊びに行っていい?」と言うのです。


また保育園に行きたい

「今日は日曜日だから保育園、お休みだよ」

そう言っても、「保育園に行きたいよ~」と駄々をこねます。

「だって、保育園の先生たち、『いつでも遊びにおいでね』って言ってた」

仕方なく保育園が見える場所まで歩いていくと、「あ~。懐かしいな~~~…」。
なんとも大人びた発言。

「こうちゃん、また保育園に行きたい?」と聞くと、「うん」

「児童館もいいけど、保育園のうさぎ組さんとか、きりん組さんの子たちとか、泣いていないか心配なんだよ~」と。

そうだよね、第2の家だったもんね。
保育園では最年長でお兄さんだったのに。
急に背の高いお兄さん、お姉さんがたくさんいる環境に飛び込んだんだから、そりゃ、すぐには慣れない。

私もこの1か月、「保育園って天国だったのか!?」と何度も何度も思い、そのたびに恋しくなっていました。

朝7時から夜の7時まで開いていて、働く親にとにかく優しい。

土曜日も含めて毎日給食が出て、お昼寝もさせてくれて、3時になると手づくりのおやつが出る。

朝、夕方、親の私も保育園内に入って先生と気軽にコミュニケーションを取ることができて、子どもの変化にも敏感に気づいてくれるし、忘れ物をしても「大丈夫ですよ~」と優しく対応してくれました。

もちろん、小学校でも給食は出してもらえるし、連絡帳などで先生もいつも対応してくれます。
それでも、今までとは違う「壁」、「これも小1の壁なのか…」と感じることもあります。

そして、忘れ物といえば…
実は先日、こうちゃんのランドセルを開けてびっくりしたことがあったのです。


ランドセル空っぽ事件…!

『自分のことは自分でなんでもできるようになろう!』

これは小学校からのお便りによく書かれている言葉です。

週末に持ち帰ってくる翌1週間分の時間割。
(私が小学生の頃は時間割は固定されていましたが、今は毎週時間割が変わるようです)

それを見ながら翌日の持ち物の準備をします。鉛筆を削る作業なども。

正直なところ、紙を見ながら私が一人で揃えた方が早く、正確なのですが、もう小学生だからそうもいかない…

「明日の準備するよ~!」とこうちゃんを呼び、ランドセルを開けてみたら…

教科書が一冊もない。

ノートも、ファイルも、連絡帳もない。

それどころか、筆箱も、眼鏡ケースも、水筒もなく…

つまり、空っぽだったのです。

私は言葉を失い、こうちゃんは「しまった!!!!」という顔をしました。

カ~ッとなってしまった私は、「なんで何も入ってないの!?」と怒鳴ってしまいました。

青ざめたこうちゃんは、「違うんだよ!全部揃えて入れたんだよ!!!」

「入ってないじゃん!なんにも入ってないよ!どこにあるの!?」と聞くと、

「ちゃんと全部入れたはずなんだけど、なぜか全部なくなっちゃったんだよ!!ランドセルに穴が開いてるのかもしれない!!!見てみる!!」

「おかしいな、おかしいな」と言いながらランドセルの底をのぞき込む姿を見ながら、
「これもまた“小1の壁”か…」と感じていました。

ランドセルの中身は、次の日に無事にすべて戻ってきました。机の中に入っていたようです。

あとから思い返したら笑い話なのかもしれませんが、今は毎日心配事が絶えません。

最近になってようやく「こうちゃんが変なダンスしたら、隣の子とその隣の子も笑ってた」と、学校での出来事を自分から言ってくれるようになりました。

私が聞いても、「わかんない」「忘れた~」がほとんどですが、少しは楽しくなってきたのかな?

「小1の壁」を感じるのは親だけじゃない。

子どもも、見たこともない高い壁と必死に戦っているんだなぁ。

ゆっくり、人生1度きりの小学1年生を一緒に楽しもうね。

ここで一句!

ピカピカの 1年生も 疲れるよ

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

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文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

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