いきいきシニア「元気の源」は 尾上町シニアクラブ 真鍋よし子さん(76)/ 三浦市尾上町在住
「好き」に没頭貝殻アート
そこはまるで小さな美術館。ユニークな表情を浮かべるカエルの置き物やウインドチャイム、本物そっくりの生け花が自宅の一室にずらりと並ぶ。貝殻を使った手芸を始めて約20年。尾上町シニアクラブでは特技を生かした季節ごとの行事や講師役も務めてきた、地元同世代のけん引役だ。
三浦市社会福祉協議会を定年退職後はケアマネジャーの資格を取得し、介護支援に携わった。
きっかけは社協時代、重度障害者が貝殻で花を作るワークショップを見て。元々の手先の器用さに生け花の心得もあり、興味を惹かれた。見よう見まねで初めて作ったのは花のブローチ。好きと感じたものは何でも手を出す質だが、これはとりわけ「病みつきになっちゃった」。
素材の貝殻は全て三浦海岸で拾い集めたもの。現役時代は仕事帰りに三浦海岸に通い、日暮れまで素材探しに没頭した。
二枚貝に巻貝、ツノのような貝。名前は分からないが、眺めていると不思議とさまざまな形に見えてくる。開いた二枚貝を口に見立て、目をつけると満面の笑みを浮かべるカエルに。色がついた貝殻は帽子や前掛けをつければ愛らしさ満点の作品の完成だ。
作品はことあるごとに友人や知人に譲り、これでもずいぶん少なくなった。息子が経営する接骨院の患者さんが入院すると聞いたときには「無事に自宅に”カエル”ように」と手渡すと大層喜ばれた。心を込めた作品が人に喜ばれるのも、長年制作を続けるモチベーションだ。
夫の介護もあり、現在創作は休止中だが、頭の中にはアイデアが詰まっている。「時間にゆとりができたら有志を集めた教室や作品展もできたら」と構想を巡らす。好きを追求し、形にすることが元気の源。これまでも、これからも。