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持ち帰り用に買ったドーナツ、店内で食べたら怒られた! こんなときどうすれば? 国税局に聞いてみた

キャリコネニュース

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消費税率が10%になり5年が経った。軽減税率制度もスタートし、飲食店では店内で食べるなら消費税は10%だが、持ち帰る場合には8%になる。レジでテイクアウトと言って8%の消費税しか払っていないのに、こっそり店内で食べる客も中にはいるかもしれない……。飲食店から当初、そう危惧されていた。

福岡県の50代女性は、ある飲食店での出来事を投稿した。「持ち帰り用、店内用」と分けて、ドーナツを購入したそう。だが食べていたら物足りなくなり、持ち帰り用の袋から1つ、取り出して食べようとした。すると……

「おばさんの店員さんが飛んできて、持ち帰り用を店内で食べないで下さい!! と怒り狂って来ました。税率が違うのは分かっていますが、想定していたより食べたくなるのも、アルアルでしょう?」

と疑問を投げかけた。

持ち帰り用として購入した物を店内で食べることは確かに店としては困るが、どの程度アウトなのだろうか。国税局に話を聞いてみた。(文:天音琴葉)

「消費税分ください」と言うことは可能なのか

東京国税局の報道担当者に聞いたところ、持ち帰り用として購入した物を店内で食べる行為について「問題ないとは言えない」と前置きしつつも、店側の対応については次のように語った。

「買った人が持ち帰ると答えたら、実は店内で食べるパターンでも8%しか取れないということはあるかと。(店が)持ち帰るのかチェックしてというのは難しいと思います」

つまり、消費税を支払った後については店の判断になるようだ。

「買った人が消費税の納税義務者ではありません。店が消費税を預かり税務署に納めるため、買った人に税務署から課税することはないです」

それはそうだろう。では持ち帰り用を食べたことを客が認めた場合、店は2%の消費税を追加して支払わせることはできるのだろうか。

「店の判断かと思いますね。食べてしまったなら、消費税分くださいと当然(言うことはできる)。本来ならもらわないといけないものなので」

店から客に2%分を払うように言うことはできるようだが……

「払ってくださいと言っても払わないパターンもあるかもしれない。(強制的に払わせるのは)難しいと思います」

国税局として店のほうに消費税の取りっぱぐれがないように言うことはあるのだろうか。

「店の方にもそこまでお願いするのが難しい。持ち帰りますという客をチェックしてというのは……」

確かに、忙しい店員が持ち帰り客をいちいち追跡することに無理がある。あとから2%分を払ってもらうことは容易ではないから、やはり購入時に客に正しく申告してもらうしかないだろう。今回の投稿のような出来事は店側にとっても対応が難しいケースと言えそうだ。

「あんな店員さんは雇うべきではないと思います」と怒るが……

投稿には持ち帰り用ドーナツを食べたかどうか、明らかにされていないが、納得がいかない様子で、投稿はこう続いている。

「しかも他にも注文はしていましたし、仮にもお客様商売、楽しいドーナツのお店でお客さんを叱りとばすというのはどうしたものか?? しかもお隣の席にご近所さんがいて楽しく会話をしていたのに、割り込んできて怒鳴られ、こちらが悪いのもあって、とてもいたたまれなく、悲しい気持ちになりました。あんな店員さんは雇うべきではないと思います」

注意してきた店員を責める投稿者だが、テイクアウトにした物を店内で食べたことがそもそもの問題だ。とは言え、気が変わって持ち帰り用を店内で食べたくなることはあるだろう。その場合、どうしたらいいのか。前出の東京国税局の報道担当者に聞くと、

「お店の方に伝え、レジを打ってもらうのがいいと思います。一旦、返金処理になるか、差額分だけ支払ってもらうか、お店によってやり方は様々だと思いますが」

とのこと。やはり食べる前に店員に伝えるのが賢明だ。そうすればトラブルは起きなかっただろう。

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