第32回「地球も、私たちも、笑顔になろう」
「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組。
今回は、リスナーの方からいただいたメッセージに、スタジオの3人が”たくさん”こたえました。
僕の悩みは優柔不断な性格です。
物を買う時に迷いすぎて疲れて諦めて、結局売り切れたり、買えずじまいになったりします。
どうしたら、優柔不断な性格を克服できるでしょうか?
小泉:私はあんまり迷わないですね。買う前にイメージをしちゃうんです。「何色のタオルが欲しい」とか思う。お洋服とかも「これが絶対似合う」みたいな感じでパッと決めちゃいます。何も買わないで帰ってくることもあるけど。
私の会社の女の子で、ずっと「メガネ買わなきゃ。高校生の時からこのメガネだから」って言ってて、もう50歳くらいなんです。その子は何を買うにもすごく調べちゃうし、それで結局買ってないっていうことがあって。人ってこんなに違うんだなって思うんです。
上村:前は結構悩んで、失敗する買い物もたくさんあったんですけど、なんとなく場数を踏んでくると自分に似合うものもわかってきて決断も早くなったと思います。あと、本を見て実践していることがあるんですけど…ちょっとしたチャレンジをしてみる。優柔不断なのって、失敗したくないから悩んでしまいますけど、まずは行きつけのレストランとかで期間限定の新しいメニューを頼んでみるとか。それで自分が思ったものじゃなくても「こういう味付けは苦手なんだな」「こういう食材が苦手なんだ」っていう新たな発見があるなら大丈夫なので。「まずは行きつけのお店のメニューから」っていうのを本で読んで実践するようにしています。
小泉:たしかに、自分自身に対するデータがたくさんあると迷わなくなるかも。
上村:失敗もいいですよね。
大石:僕はパッと買っちゃいますけど、うちの家族は本当に買わないの。ずっとスーパーで悩んで「もったいないからやめとこ」って帰るタイプ。でもね、楽しそう。優柔不断で迷ってるけど。
小泉:アメリカのコロンビア大学のお話、面白いですよね?
上村:コロンビア大学ビジネススクールの教授シーナ・アイエンガーさんの著書『選択の科学』にこんな調査結果があります。スーパーの試食コーナーに24種類のジャムを並べた時と6種類のジャムを並べた時の調査です。24種類の時は人は集まるものの、実際に買った人の数は3%。ところが6種類のときは、実際に購入した人の割合が30%に増えました。このことから導き出されることは「私たちは、多くの選択肢から決めていくことがそもそも苦手」ということです。
小泉:なんかね、ちょっと絞っていけばいいんだよね。私もたくさんの中から選ぶって、途中で面倒になって帰っちゃうかもしれない。
大石:たしかにね。
小泉:続いてのメール、お願いします!
ゴミ出しのマナーについて悩んでおられるリスナーさんに対して、今日子さんが「不法投棄してあったので片付けました」「あなたの代わりに私が片付けました」「次からはご自分でお願いします」みたいな張り紙や看板を貼り続けたらどうでしょう!という提案をしてくださいましたが、私も「なるほど、素敵なアイデアだな」と感じました。
そして同時に思い出したことがあります。デパートやサービスエリアなどのトイレの個室で見たことがある「いつもきれいに使っていただいてありがとうございます」というような張り紙のことです。「汚さないで」と言われるより、温かい気持ちになり、「自分もきれいに使わないといけないな」と思ったことを覚えています。
少々遠回りに見えるかもしれませんが、肯定的な言葉や言い方の方が受け取り側の気分はよくなるものですよね。ちょっとした工夫で誰もが気持ちよく生活ができる世の中にしていけるといいな、と番組を聴きながら改めて思いました。
小泉:ありがとうございます。本当に、ちょっと、見方を変えたら優しくなれそうな感じはしますよね。お手洗いに書いてありますよね。私もあれみると「きれいに使おう」って思いますもんね。
上村:あと、担当者の方のサインが書いてあったりするじゃないですか。「何時に掃除しました」みたいなサインがあると「あ、きれいにしてくれたんだな」ってなりますよね。
小泉:そう思います。あと、どんなことができますかね。
私、ゴミを出す時に表面の見えるところに可愛いゴミを入れるんです。包装紙とかの可愛い紙をゴミの周りにやって、ちょっとでもゴミ捨ての人が「あっ」って思ったらいいなって。本当はそこにメッセージとか書いてみたいんですけど、まだやってない。逆に迷惑かなって。
大石:いや、嬉しいんじゃないかな?
上村:ね、見つけたら嬉しいですよね。
小泉:ゴミアートをしてるの。笑
大石:受け取った人、回収する人もほっこりしますよね。
小泉:ほっこりチャレンジをしているんですけどね。上手く伝わってるといいな。
大石:それ、僕たちも明日からできますもんね。
上村:私もやってみようかな。
~番組後半もモヤモヤにこたえていきました~
私は大阪在住の59歳サラリーマンです。出身は愛知県豊橋市で、両親はすでに他界して実家も片付けてしまったのですが、お墓は田舎にあります。
今、そのお墓について悩んでいます。たまに田舎に帰ってお墓参りはするのですが、一般的な法事のようなものはコロナ禍の前にやったきり。先日、やっと、妹と2人でお寺さんへ行って、お経をあげてもらいました。でもこの先、私や妹も年老いてお墓の管理も行き届かなくなると思います。カミさんは大阪の人ですし、私の子ども達も大阪生まれで愛知県には何の思い入れもないと思います。そんな人たちに田舎のお墓の世話を押し付けるのはいかがなものかと考えるのです。
以前「墓じまい」というのを聞いたことがあります。ご先祖様には申し訳ないのですが、それも今後視野に入れて考えていきたいと思っています。今のご時世、私のような境遇の人も多いんじゃないでしょうか。
小泉:うちの母方のお墓も違うところにあったんだけど、お墓参りとかがしやすいように、叔父が住んでいるところの近くに移したりして。それも可能ですし。墓じまいっていうのも、私はありだと思っていて。自分はもう決めていて。
大石:はい。
小泉:小泉家のお墓って、あと入る可能性があるのって私だけなんですね。父と姉が入っているんですけど、私は子供がいないし、姉はお嫁に行って入らないんです。父は三十三回忌も終わっているし、姉の三十三回忌までとか、いい区切りまでは私が亡くなってからでもやってもらえるだけの寄付をして、あとは墓仕舞いをしてもらおうと思って計画してます。
大石:自分のお墓はどんな計画なんですか?
小泉:これからちゃんと調べようと思いますけど、樹木葬とか。緑が増えるんだったらそれが素敵だなって思ったりするんですけどね。
上村:私はまだあんまり実感がないですかね。でも、千葉出身で、千葉にお墓があるんです。この前の夏にお墓参りに行った時、放置されているお墓がたくさんあるなって改めて思って。私の兄弟とかおばあちゃんにも声をかけて行ったんですけど、車を出さないとおばあちゃんもお墓まで行けないので。家に仏壇があって、おじいちゃんに毎日手を合わせてはいるんですけど、なかなか、今後ってどうなっちゃうのなかってちょうど思ってました。
小泉:築地本願寺に取材に行った時に「合葬墓」っていうんですかね、象徴的な建物があって、そこにみんな入って。建物の周りに小さな名前のプレートがバーっと貼ってあったりして。そうすると、金額的にも負担がかからなかったりするし、いつも誰かが出入りしてくれるから寂しくない感じもするじゃないですか。もう、何年待ちとかですって。
上村:へー。
小泉:みんな、多分生きているうちにそういうところを見つけて、残す人たちにも負担をかけないように選んでいる人が増えているような気がしました。
上村:実際、「遠く離れている子や孫に墓のことで手間をかけたくない」ということで合葬墓を選ぶ人は増えているそうです。そして、血縁を超えてみんなで葬られる場所とのことです。
樹木葬も増えているそうです。株式会社鎌倉新書が発表した最新のお墓選びの実態調査によりますと、購入したお墓の種類は樹木葬が48.7%でトップだそうです。
小泉:ご先祖様に申し訳ない、って思う気持ちもわかるし、私もお墓参りに行くのは大好きなんですよ。
大石:わかる。
小泉:なんか、気持ちがスッキリするから。だけど、価値観は変わってきているし、その選択をしてもご先祖様は納得してくれるんじゃないかな。それより、心の中でどれだけ想っているかっていうほうがちゃんと届くんじゃないですかね。
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)