【富士・アターブル・トコ】姉妹の夢のカフェ 愛称は「tocoちゃん」ケーキもランチも“ほっこり”
静岡・富士市にある「a table toco(アターブル・トコ)」は、姉妹が子供の頃からの夢をかなえてオープンした小さなカフェ。「tocoちゃん」の愛称で呼ばれています。店の雰囲気もスイーツもランチも全てが“ほっこり”でした。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへやりたいことを詰め込んだ空間
JR新富士駅から国道一号線を抜けて南に向かった住宅地の道沿いに、木造のオープンテラスが目を引くお店があります。
厨房がのぞけるテラスの窓からは、良い香りがただよってきます。その香りだけで、どんなおいしいメニューが出てくるのか、ワクワクさせてくれます。
店内は白を基調とした、ほっこりとした空間。
センス良く飾られたかわいらしい雑貨や、花柄のランプシェードが温かみを与えてくれます。
レジ前に並ぶテイクアウト用のスコーンやドーナツさえも、まるでインテリアの一部のようにお洒落に配置されています。
お店を切り盛りするのは2歳差の姉妹、落合ひなたさんと、ことこさんです。店主は妹のことこさん。
アターブル・トコ 店主・落合ことこさん:
「a table toco」という店名は、私の名前であるKotocoと、「歴史のレシピを作って食べる」が副題となっている私たちの大好きなドラマの題名「À table」を組み合わせたものです
アターブル・トコ・落合ひなたさん:
内装は映画の「かもめ食堂」からインスピレーションをもらいました。映画が大好きなんです。私が内装を考え、モノづくりが大好きな妹がDIYをしました。壁の塗装から、テーブル、レジカウンター、厨房とお店をつなぐ大きな窓まで、コツコツと作りあげました
一番大変だったのは、厨房のシンクをどうしても白にしたくて、ちょうど良いサイズのものが見つからず、作ってしまったことだそう。
木工系がことこさんなら、縫物系はひなたさん。お店に明かりをともすランプシェード達は布選びからひなたさんが手がけました。
豊富なこだわりスイーツ
料理も姉妹で分担。スイーツやパンの担当はことこさん。食事担当はひなたさんです。
1年中食べられるクッキーアイスサンド「パールアイス(520円)」。
クッキーからアイスクリームまで手作り! バターたっぷりのサクサククッキーと、濃厚なのに後味すっきりのバニラアイスの組み合わせは最高です。
クッキーを1枚食べてからアイスを食べて最後はクッキーと順番に楽しむのもよし、がぶりとサンドイッチのようにかぶりついてもよし。口の中が幸せいっぱいになること間違いなしです。
濃厚でビターなチョコたっぷりのブラウニーに、ふんわりバナナの香りが広がる「バナナチョコブラウニー(280円)」。
アクセントに岩塩が振りかけられ、甘すぎず飽きのこない大人のバナナケーキです。お値段以上過ぎるおいしさでした。
黒糖を使ったこだわりの生クリームと、フルーツを組み合わせた「マスカットとイチゴのtocoケーキ(520円)」。
生クリームが甘すぎないのでフルーツの甘みが引き立ち、いくらでも食べられそうです。シンプルな見た目だからこそ、フルーツの断面の美しさが際立ちます。
キャンベルズの茶葉を使った温かい紅茶に、tocoちゃんこだわりのクリームが浮かんでいるのは「シナモンミルクティ(530円)」。
削りたてのシナモンは優しく香り、いつもと違ったミルクティーが味わえます。一度飲んだら癖になる、体が温まるドリンクです。
「a table tokoブレンドコーヒー(550円)」は、ふたりが大好きな富士市のコーヒー専門店、STERNE(シュテルネ)で焙煎してもらったオリジナルの豆を使用しています。
甘いモノにもピッタリなブレンドコーヒーで、店主手作りのコーヒーカップにも注目です。
ことこさんの作るスイーツは、素材の味や風味を生かし甘さの中に奥深さがありました。老若男女問わず楽しめるカフェメニューが豊富です。
毎日でも飽きない気まぐれランチ
姉のひなたさんが担当するのは、数種類から選べる週替わりランチ。その日の気分や気候で、ひょっこり新メニューを追加しちゃうこともあるそう。
これまでに提供した週替わりランチをご紹介しましょう。
「やさしいポトフと自家製酵母パン(1200円)」は、じっくりコトコトお鍋で煮込んだポトフと、ほろほろの豚肉がぜいたくな一皿。手作りの焼き立てバケットと一緒に頬張れば、体も心も優しく温めてくれます。
パスタも絶品! 具材は日によって変わります。この日はタコたっぷりの「海鮮アラビアータ(1280円)」。
辛さの好みを聞いてくれるので、辛い物が好きな人でも苦手な人でも、誰でも安心です。辛さの中にうま味たっぷりで病みつきになるおいしさです。
韓国料理の「ポッサム(1500円)」が登場することもありました。
サンチュにエゴマの葉、自家製のキムチやコチュジャンをトッピングしてゆでた豚バラを巻いて食べます。ボリューム満点なのにヘルシーなのが嬉しい定食です。
本格四川風マーボー豆腐や皮から作るギョーザも人気メニュー。小さなお店の厨房からは、さまざまな国の料理が登場します。
「a table」はフランス語で「ごはんですよ! さあ、テーブルについて」という意味があるそう。今日はどんなメニューだろう。そんなワクワクを抱えながらテーブルにつけば楽しい食事の時間を満喫できそうです。
食材がある限りランチタイムに限らず食事が可能です。インスタグラムで随時メニューを知らせてくれるので、お出かけ前には要チェックです。
「縁」がつないだお店
お店づくりから「楽しかった」と笑うふたり。このお店は、どういう経緯でオープンしたのでしょうか。
「a table toco」は2024年4月に開店しました。それ以前、この場所は「YOKO」という名前のカフェで、そこでスイーツを作っていたのが、現店主のことこさんです。
ちょうど姉妹でお店をやるため店舗を探し歩いていましたが、YOKOがお店を閉めることになり、この場所を貸してもらえることになりました。
YOKOのお客さんも多く、ことこさんは「tocoちゃん」と呼ばれ、変わらず愛されています。今でも店を訪ねてくれるYOKOのオーナー夫婦とは、プライベートでもお付き合いが続いているそうです。
プライベートで旅行や雑貨巡りモノづくりを楽しんでいる時にも、姉妹はお店で生かせるものはないかと常に探しています。
落合ひなたさん:
「楽しく仕事をしたい!」これは子供の頃からずっと思っていました。実家が自営業ということもあり、漠然と雇われる働き方は自分達には合わないと思っていました。今やりたいと思うことをやり続けるために毎日全力で頑張っています
落合ことこさん:
お客さんには、時間を気にせずゆっくり過ごしてもらえるお店にしたいと思います。本を読んだり編み物をしたり、好きな事をしてとにかく癒されてほしいです。お店でイベント事もしたいし、夜営業もしたい。やりたいことはまだまだいっぱいです
ふたりのきらきらした笑顔の内にある熱い思いに、こちらまでワクワクさせてもらいました。
ほとんどのメニューがテイクアウト可能
食事から飲み物、スイーツまで、パールアイス以外のほとんどのメニューがテイクアウトできます。受け取りの待ち時間に、隣の洋服店「WACKY」に立ち寄るのもおすすめです。
すぐ売り切れてしまうというクリームドーナツは、その場でこだわりのカスタードをたっぷり詰めてくれるスタイル。ネジネジがかわいいツイストドーナツはノーマルとシナモンの2種類があります。
シナモンは持ち帰りの寸前に振りかけてくれるという心遣いです。レジ前に並ぶので、あればラッキー! 要チェックです。
誕生日や記念日のケーキの予約は1週間前まで、店頭での注文のみ受け付けています。できるだけ早めに注文することをお勧めします。サイズは5号が直径15cm・6号が直径18cmの2サイズです。
tocoちゃんで癒やしの時間を
どこを切り取っても、手作りの温かみを感じられるホッとできる場所。寒い今の時期は、かわいい姉妹店主たちが編み物をしながらお出迎えしてくれるかもしれません。
まるで映画の中のすてきなお店のワンシーンのように、心癒されること間違いなしです。
店内には4人がけテーブルが3つ。ランチタイムは席がすぐ埋まるので、11:00~11:30に来店できる方は電話で席だけ予約をすることができます。
ティータイムは比較的空いているので、毛糸と棒針を持っての来店も大歓迎だそうですよ。癒しの時間を堪能できるtocoちゃんに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
■店名 a table toco
■住所 静岡県富士市宮島1128-1
■営業時間 11:00~17:00※時間変動あり インスタグラム参照
■定休 不定休
■問合わせ 070-1622-7860
■駐車場 専用3台、共有2台(WACKYと書いてある駐車場は不可)
文・撮影/秋山幸枝 撮影/望月知世子