日本製鉄釜石SW新クラブハウス落成 広さ2倍 より良い環境で今季飛躍に期待
NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の新しいクラブハウスが完成し、8日、関係者向けの内覧会が開かれた。広さは現施設の約2倍。新たにミーティングルームや練習場を見渡せるラウンジが整備され、選手、スタッフのコミュニケーション、チーム力向上に寄与するものと期待される。トレーニング機器やロッカーなど必要な物品の搬入を進め、今月末からの利用開始を予定する。
内覧会にはスポンサー、選手雇用先企業などから約30人が参加。見学の前に行われた式典で、桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「トレーニング効率、選手、スタッフのコミュニケーション、トレーニング後のリカバリーなどラグビーをする環境が大幅に向上する」と感謝。設計から携わった坂下功正総監督が施設の概要を説明した。スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長は「(施設建設は)チーム強化の一環。フル活用し、心と体を鍛えて必ず強いチームに」と期待を込めた。テープカットで施設落成を祝った。
新クラブハウスは甲子町松倉の現施設の隣に建設。施主は日本製鉄(北日本製鉄所釜石地区)で、日鉄テックスエンジが昨年12月から工事を進めてきた。鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は1092平方メートル(敷地面積1261同)。1階には選手のロッカールーム、浴室、トレーニングルームなどを設けた。ロッカールームは現施設の1.5倍の広さ。練習する市球技場に直接出入りできる。温水、冷水用の2浴槽を備えた浴室とは隣り合わせ。トレーニングルームは1.6倍の広さで、天井が高く、片側の壁一面が鏡張りになっている。
2階には選手、スタッフが一堂に会せるミーティングルームを新設。壁面に大型スクリーンを設置予定で、研修会なども行える。球技場側にはラウンジも新設。簡易キッチンを備え、練習後の選手への補食提供も検討する。フルオープンの窓からバルコニーに出られ、練習の様子も見られる。この他、メディカルルーム、スタッフルーム、小会議室、総監督室も整備した。
内覧会に出席した河野良太クラブキャプテンは「ロッカールームが広くて使いやすそう。これまでミーティングはジムルームで各自座れる所を見つけてやっていて、メモも取りにくかった。この素晴らしいクラブハウスを最大限有効活用して、しっかり結果を出していきたい」と意を強くし、施設支援へ感謝の気持ちを表した。坂下総監督は「選手の動線を一番に考えた造り。これまで以上にコミュニケーションが取れ、チームのまとまりができていくと思う。12月から始まるリーグ戦に向けて強化を進め、結果で恩返ししたい」と述べた。
この日は新クラブハウスで、新たにスポンサーとなった岩泉町の岩泉ホールディングス(山下欽也代表取締役社長)との調印式も行われた。同社は看板商品の岩泉ヨーグルトの提供などで、選手の強い体づくりを支える。
釜石SWのリーグ初戦は12月21日。福岡市のベスト電器スタジアムで九州電力キューデンヴォルテクスと対戦する。ホームの釜石鵜住居復興スタジアムでは1週間後の28日、第2節グリーンロケッツ東葛戦が行われる。