大分トリニータ 開幕に向けて仕上がり順調 【大分県】
開幕戦まで2週間を切った大分トリニータが順調な仕上がりを見せている。宮崎での強化キャンプを経て、片野坂知宏監督は「予定通りに進んでいる。順調だ」と満足げな表情を見せた。確かな手応えがにじむ。
週末には非公開でのトレーニングマッチを実施。この試合について片野坂監督は「課題や良い点、悪い点が見つかり、次につながるゲームができたと思う」と評価。さらに「けが人が出なければ、戦力を充実させて開幕を迎えられる」と、着実なチームづくりへの自信を語った。「選手たちの意識は非常に高く、取り組みも素晴らしい。大事なのは選手が全力を発揮できるプランを考えること。選手のエネルギーを引き出す戦い方を意識してプランを練りたい」。その目線は常に選手たちの可能性を引き出すことに向けられている。
昨季主力だった選手が抜けたセンターライン。この大きな課題に、片野坂監督は新戦力と既存戦力の融合で対応している。特に目を引くのが、FW有馬幸太郎の存在感だ。「ポストプレーができ、相手の背後を狙って得点ができる選手だ。10点以上を狙ってほしい」と片野坂監督は大きな期待を寄せる。
さらに、今季はボランチでのプレーが予想される野嶽惇也は、攻守のつなぎ役として安定したプレーを披露。「めどが立った」と監督からも信頼を得ている。昨季加入したディフェンスリーダーの藤原優大も、1年の経験を経て守備を統率する力を見せており、この3選手を軸にしたセンターラインが安定してきた。
意識を高く持ち練習する選手たち
新キャプテンとなったMF清武弘嗣について、片野坂監督は「経験や人間性に加え、大分アカデミー出身という点も大きい。チームへの理解が深く、選手をまとめる力がある」とリーダーシップに期待を込める。清武自身も「キャプテンになったからといって特に変わることはない。ただ、僕は最年長なのでチームが同じ方向を向いて進めるようにしていきたい」と自然体で挑む姿勢を見せている。
清武の影響はチーム内で確実に現れている。「コミュニケーションを積極的に取り、言葉だけでなくサッカーに向き合う姿勢や態度でチームを引っ張る。他の選手にも良い影響を与えており、選手間で自然に学び合う環境が生まれている」と片野坂監督も太鼓判を押す。清武を中心に、チームには一体感と強い結束が芽生えている。
着実に戦力を整え、戦術も浸透している。選手たちの意識や取り組みは非常に高いレベルにあり、チームの雰囲気は良好。開幕戦でどのようなパフォーマンスを見せるのか。チーム全体の仕上がりに、期待は高まる。
チームの中心に清武弘嗣がいる
(柚野真也)