元日に掃除はNG!その理由と、もうひとつのタブーをマナーの専門家が伝授
知っているようで意外と知らないのが年末年始のマナー。年賀状や初詣、お年玉など、年末年始には古くからの行事や習慣、しきたりがたくさんありますが、「正しいやり方は知らない」「やっているけど理由は分からない」ということも多いはず。知らなくて恥をかいた...なんてことのないよう、年末年始のしきたりやマナーを「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に聞きました。新しい年のはじまりの日、元日。先生によると、実は「してはいけないこと」が2つあるそうです。
元日にしてはいけないタブーとは?
お正月はさまざまな行事がありますが、一方でやってはいけないこともあります。
その一つが、元日の掃除です。
「元日に掃除をすると、わざわざやってきた年神様を「掃き出す」ことになり、縁起が悪いとされています。洗濯も神様を水で洗い流すことになるので、避けた方がいいでしょう」(岩下先生)
掃除のほかに、料理もタブーとされています。
理由は諸説ありますが、一つは「かまどの神様に休んでいただくため」というもの。
昔は、あらゆる場所に神が宿ると信じられていて、煮炊きに使うかまどにも神様がいると考えられていました。
そのため、お正月におせち料理を食べるという習慣が生まれたと言われています。
お正月に料理をしない代わりに、前年の大晦日までにおせち料理が作られるようになりました。
そのため、昔ながらのおせち料理には生物は入れず、煮物や焼き物など日持ちするものが中心になっています。
「掃除や料理がタブーとされるもう一つの理由は、普段家事を担う人に休んでもらうためでもあります。お正月ぐらいは家事を休んで、家族とゆっくり過ごせるように、という労いの意味も込められています」(岩下先生)
怒涛のように走り抜けた年末。元日くらいは心穏やかに過ごしたいですね。掃除も料理も思い切ってお休みして、大切な人たちとの時間を楽しみましょう。
文/さいとうあずみ