初めてのテンヤタチウオ釣りで指6本級ドラゴン手中【三重・第八幸丸】掛け損ね連発に悶絶
今年はマイカが釣れない。7月まで5回日本海に行ってマイカの全釣果は20匹弱。ボウズ2回。やはり若狭湾は相性が悪いのか。そんなとき、釣友からテンヤタチウオにと誘われた。イカメタル好きならハマるから…と言う。タチウオならさばくのに手間もかからんし…ということでだまされたつもりで、初挑戦してみることにした。
テンヤタチウオ釣行
タチウオはジギングで何度か釣ったことはあるが、テンヤは初めて。誘ってくれた釣友が言うには、タックルが少しヘビーなイカメタル…ということらしい。
言われるがままにテンヤと買いそろえると、どうせなら…とサオも新調することにしてダイワタチウオXという、入門者向けのサオを購入。エサのイワシは釣友が用意するらしい。
ピカピカのタックルを積み込んで、8月14日に向かったのは三重県鳥羽市国崎。初めて訪れる港だ。もちろん船も初めましての第八幸丸。温厚そうな船長と明るいおかみさんにあいさつし、氷を受け取って船に道具を積み込む。
釣り座は左舷胴の間。船は岸壁を離れ、一路神島方面へ。45分ほど走ってポイントに到着した。風はほとんどなく、暑さとの戦いも厳しくなりそうだ。
連続空振りに悶絶
すぐに船長から「水深72m。底10mから20mぐらいまで反応あるよ」というアナウンス。いよいよドキドキのテンヤタチウオ初挑戦だ。
イカメタルみたいに誘えばいいと言う釣友、その1投目にいきなりサオを曲げている。上がってきたのは、指5本級の立派なタチウオ。
プチドラゴンぐらいか…なんて思っていると、手元にゴツゴツとアタリ。底から10mほど上げたところだったが、ここぞとばかりにアワせるとスカッ。
素早く2回ショートジャークを入れて止めると、またゴツゴツからのスカッ。さらに少し上げてゴツゴツからのスカッ…でアタリがなくなった。
上げてみると、イワシがぐちゃぐちゃ。すぐにイワシセット済みのテンヤに付け替え、底から誘い上げてくると、すぐにアタリが出る。
だが一向に掛からない。釣友は2匹目を取り込んでいるが、こちらは悶絶中。ひたすら空振りを繰り返す。
ファーストヒットは指4本級
そして4投目か5投目、イカメタルのようにシェイクを入れて止めた瞬間、ゴッとサオ先が押さえ込まれた。
おりゃ!とアワセを入れると、確かな重量感が伝わる。ところが10mも巻き上げると、ふっと重みがなくなった。バレたか…と手を止めると、船長から「巻き続けて!」の声。慌てて巻き上げを再開すると、再びグングンと引き込む。
タチウオが細長いので、巻き上げ時の抵抗が少ない。引きが弱まったときに軽くなるので、バレたと勘違いする人が多いらしい。
水面に姿を現したのは、まずまずサイズのタチウオ。リーダーを持って抜き上げたのは、指4本級の良型。記念すべきテンヤでの初タチウオだ。
穂先持ち上げるアタリで指6本級
その後もアタリは続くが、悶絶の時間も続く。何度空振りしたことか。それでも何となくだが、アワせどころのようなものが分かってきた。確かにイカメタルと通じるものは多い。
ショートジャークやただ巻きで誘い、アタリを出してハリに掛ける。違うのはヒット率だ。
イカメタルはもう少しヒット率高いぞ…なんて思っていると、これぞ!というアタリが出た。ゴツッときた後、フワッと穂先が持ち上がったのだ。
コレがうわさに聞いていたアタリか…と短く強くアワせると、ドスンとロッドが止められた。根掛かりかと思ったが、底から20mは切っているはず。ポンピングはあかんで!という釣友の声に素直に従い、ひたすらリールを巻く。
時折強く引き込まれてドラグが少し滑るけど、サオでためて耐え巻き続ける。やがて水面下に見えたのはまぎれもなくドラゴン。こんなサイズは初めてだ。妙に冷静になってリーダーを持ち、そっと抜き上げたのは指6本あるかな…というタチウオだった。
このサイズになると、もう顔つきが違う。イカツイの言葉がぴったりくる恐ろしい顔。アニメなら間違いなく悪役だ。
最終釣果
その後も相変わらず空振りを繰り返したが、10時半を回ると潮の加減かぴたりとアタリが止まった。そして早めの11時に片付けをして11時半に沖上がり。
釣果は水面オートリリースを含めて8匹。うちドラゴン含め良型は3匹。デビュー戦としては上出来だと思うけど…。空振り多すぎ!!
今後は数釣りに期待
船長に聞くと、これから指3~4本クラスが大量に伊勢湾に入ってきて、数釣りが楽しめるようになるらしい。そうなると1人30~40匹という釣果が望める。アタリの数が多ければ、掛ける数も多くなる。そうなると、ちょっとは上達できるかも…ね。
初めてテンヤに挑戦した感想は、余計な言葉抜きにただ面白い!これほどゲーム性が高いとは思わなかった。悶絶する釣りほどムキになるが、燃えるものもある。今年の秋はテンヤ尽くしになりそうだ。
<週刊つりニュース中部版APC・原田順司/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年8月30日号に掲載された記事を再編集したものになります。