「在宅勤務の仕事がしたい!」どんなスキルが必要? 相性の良い職種・業界や自己PRのポイントも紹介
場所や時間の自由度が高く、自分のライフスタイルに合わせて働き方が調整できるリモートワーク。子育てと仕事の両立といったメリットが目立つことから、リモートワークの仕事への転職を考えたり、リモートワークであれば働けるのではないか?とキャリア復帰の可能性を見出す女性は少なくありません。
一方で、実際にリモートワークの仕事に就いてみたものの、「思っていたように適応できず苦労した」「自分には向いていなかった」など、ギャップに悩む方も。
事前にギャップを埋めて理想の働き方を実現するためには、一体どんなスキルが必要なのでしょうか。あくまでもひとつの選択肢である「在宅勤務」との向き合い方を、キャリア・コンサルタントの林碧先生に解説いただきます。
いざ「在宅勤務の仕事に就きたい」と考えたとき、どんな業界や職種を選べば良いのか、未経験の場合、どんな自己PRをすれば良いのかといった転職時のポイントもお伺いしました。
キャリア・コンサルタント
林 碧(はやし みどり)
株式会社キャリアイズ 代表取締役社長、国家資格キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング技能士2級、両立支援コーディネーター。
企業人事経験および個別相談対応経験を活かし就職・転職の相談からライフキャリアビジョン構築、育児・傷病など個別事情との両立まで、幅広い相談に対応。通算4000件以上の個別面談実績、年100件以上の研修登壇実績を保有。特に若年層のキャリア形成支援を得意とし、大学での登壇実績が豊富である他、企業向けの育成者研修や若手定着支援、人材コンサルティングも実施。日経Xwomanアンバサダー。小学生2児の母。
•通勤しない働き方に、心が惹かれる瞬間
•在宅勤務に関心を寄せる、2つの声
•在宅勤務で大切にされるスキルとマインドとは
•“在宅対応力”は、今の仕事の中にも育っている
•転職だけが選択肢ではない。今の職場の中にもヒントがある
•今すぐの転職・再就職で在宅勤務を目指すなら
•中長期で“在宅で働ける力”を育てていくために
•まとめ:あなたの“今”が、未来の選択肢をつくっている
通勤しない働き方に、心が惹かれる瞬間
「在宅で働けたら、毎朝の慌ただしさが少し楽になるのに」「もう少し、自分の時間を大事にできたら」──そんな風に感じたことはありませんか。
近年、リモートワークや在宅勤務といった働き方が少しずつ広がり、自分もそうした選択ができたらと関心を寄せる方が増えています。
一方で、「在宅勤務って、特別なスキルや経験がないと無理なのでは?」「今の自分にはとても届かない世界かも」と、一歩踏み出すことに不安を感じる声も少なくありません。
この記事では、在宅勤務を目指したいけれど「自分には難しいかも…」と感じている方に向けて、今の仕事や日常の中から可能性を広げていく視点をお伝えします。
在宅勤務に関心を寄せる、2つの声「在宅勤務に興味がある」とひと口にいっても、その背景は人それぞれです。
たとえば、子育てや介護など家庭と仕事の両立を望む方にとっては、通勤時間を減らすことが、限られた時間の中でも無理なく働き続けられる手段になるかもしれません。「フルタイムで働くのは難しいけれど、自宅で時間を区切ってなら前向きに働けそう」という声もよく聞かれます。
また、「今の職場が柔軟ではなく、通勤や人間関係のストレスが積み重なっている」という違和感から、働き方を見直したいと考える方もいます。どちらの場合も共通しているのは、「今よりも、自分らしく働ける形を探したい」「これからの生活に合った働き方の可能性を見つけたい」という願いです。
在宅勤務で大切にされるスキルとマインドとはでは、実際に在宅勤務で活躍している人は、どのような力を持っているのでしょうか。
在宅勤務では、オフィスのように誰かがそばにいて見守ってくれるわけではありません。だからこそ、自己管理力や、オンラインでの丁寧なコミュニケーション力が問われます。選考の場においても、こうした力があるかどうかは評価の大きなポイントとなります。
たとえば……●与えられた仕事を「自分のペース」ではなく、期限に合わせて丁寧に仕上げる力
●Slackやメールでのやりとりなど、相手に配慮した明確な報連相ができる力
●小さなトラブルや変化にも慌てず対応する、落ち着いた判断力
一見すると「特別な力」のようにも思えますが、実はこれらは、日々の仕事や生活の中で自然と身についていることも少なくありません。
“在宅対応力”は、今の仕事の中にも育っている「在宅勤務に必要なスキルなんて、自分にはない」と思っていませんか?
「なんとなくやっていた」日々の中に、実は“在宅勤務に活かせる力”は育っています。それに気づき、言葉にしていくことが、次の一歩につながります。
たとえば……●育児や介護をしながら働いた経験がある方は、限られた時間の中で成果を出すための時間管理力を、日々鍛えてきたはずです。
●社内調整や資料作成を担っていた経験は、丁寧なコミュニケーションやわかりやすく伝える説明力につながっています。
●イレギュラーな業務や突発対応をこなしてきた方は、リモート環境でも活きる臨機応変な判断力を持っているでしょう。
転職だけが選択肢ではない。今の職場の中にもヒントがある在宅勤務を実現するために、転職を考える方もいます。ただ、それが唯一の手段ではないということも覚えておいてください。
むしろ、今いる職場の中に、チャンスが潜んでいるケースも少なくありません。
たとえば……●在宅勤務制度が整っているのに、周知されていないだけという場合
●「こう働きたい」という希望を伝えていなかったがために、チャンスを逃している場合
●まずは週1日だけ在宅業務ができないか相談してみることで、状況が動く可能性がある場合
新しい環境でゼロから関係を築くよりも、互いのことを理解している今の職場で信頼関係を活かしながら働き方を調整していくことで、在宅勤務をスムーズにスタートできるケースもあります。
「どうせ無理」と諦めてしまう前に、「何ができるか」「どう伝えるか」を見直してみませんか。
今すぐの転職・再就職で在宅勤務を目指すならもちろん、「今の職場ではどうしても難しい」という状況の方もいるでしょう。その場合は、転職や再就職を通じて在宅勤務を目指すことも、選択肢のひとつです。
その際に意識したいのが、業界・職種選びと自己PRのポイントです。
在宅勤務と相性のよい職種・業界例【職種】 カスタマーサポート、Webライティング、データ入力、事務系業務、SNS運用など
【業界】 IT、広告、教育、士業支援など柔軟な働き方に理解のある分野
選考時の自己PRポイント●自己管理力・時間管理力: 「〇時〜〇時に集中して作業している」など具体的に伝える
●「Slackやメールでの報連相経験があります」など実績を言語化する
●在宅環境への順応性: 「オン・オフを切り替えるためのルーティンや工夫を行っている」などの生活習慣も好印象に
また、未経験の職種にチャレンジする場合は、「学ぶ姿勢」や「伸びしろ」を伝えることも大切です。「完璧なスキルセット」よりも、「誠実な積み重ね」が評価される場面も多くあります。
中長期で“在宅で働ける力”を育てていくためにたとえ今すぐ在宅勤務が実現できなかったとしても、半年後、1年後の自分のためにできることがあります。
●日々の仕事の中で得たスキルを言語化してみる
●社内の勉強会やチーム共有などに積極的に参加し、発信力やネットワークを広げる
●オンライン学習を活用し、少しずつデジタルスキルを磨いていく
●理想の働き方に近づくために、自分の話し方・伝え方を整える
小さな行動の積み重ねが、自信を育て、選択肢を増やしてくれます。焦らず、でも確実に。自分の力を育てていきましょう。
まとめ:あなたの“今”が、未来の選択肢をつくっているキャリア相談の現場では、「がんばってきたのに、自信が持てない」と語る方によく出会います。でも、そうした方々の中にこそ、今までの経験の中で確かな強みを育ててきた人がたくさんいるのです。
在宅勤務という働き方も、決して“特別な人”だけのものではありません。
「どうしたら近づけるか」を考えることで、今の場所からでも未来をつくっていくことはできます。あなたの理想の働き方は、きっと“今”の延長線上にあります。その一歩一歩を、あなた自身のペースで進んでみてくださいね。
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文:マイナビ転職編集部