歌舞伎役者・市川團十郎とLil かんさい・嶋﨑斗亜が描く、安倍晴明の新たな世界! 舞台「SEIMEI」のゲネプロに潜入♡
歌舞伎俳優・市川團十郎さんと、Lil かんさいの嶋﨑斗亜さんが出演する「JAPAN THEATER『SEIMEI』 Supported by 飯田グループホールディングス」が2025年2月19日(水)~24日(月)、大阪・オリックス劇場にて上演中です!
そこでannaは、舞台開幕前日のゲネプロと取材会に潜入。出演する市川團十郎さん、嶋﨑斗亜さん、演出の広井王子さんに舞台の見どころを聞きました。
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安倍晴明の世界を新たなエンターテインメントを舞台にした「SEIMEI」晴明と都を護る四神を軸に、神々と人間との共存、調和を描くアクロバットに斬新な振付など見どころ満載!歌舞伎を知らない若い方にも楽しんでもらえる舞台「千秋楽には團十郎さんにガツガツとツッコめるようになりたい」
安倍晴明の世界を新たなエンターテインメントを舞台にした「SEIMEI」
「JAPAN THEATER『SEIMEI』 Supported by 飯田グループホールディングス」は、安倍晴明の世界を新しいエンターテイメントとして舞台化する邦楽劇。安倍晴明役は市川團十郎さん。そして朱雀役にはLil かんさいの嶋﨑斗亜さん。ほかにも歌舞伎界の錚々たる顔ぶれがそろいます。脚本には、数々の歌舞伎の脚本を手がける今井豊茂さん、また、演出は多数のエンターテインメント作品を生み出してきた広井王子さん。そしてLUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARSなどで活躍するSUGIZOさんが楽曲を、世界的ダンスアーティストのケント・モリさんが神楽振付を担当するなど、世界に誇る日本のクリエイターが集結し、新たな晴明像を描きます。
晴明と都を護る四神を軸に、神々と人間との共存、調和を描く
(C)松竹
物語の舞台は平安時代。天下が乱れるとのお告げを聞いた安倍晴明(市川團十郎さん)は、平安京の四方を守護する朱雀(嶋﨑斗亜さん)・青龍(市川右團次さん)・白虎(大谷廣松さん)・玄武(中村鷹之資さん)の四神を招集し、都の結界を守るように命じました。しかし朱雀は晴明を裏切り、魔物たちとともに都に侵入した第六天魔王に追従します。
(C)松竹
大勢の魔物が都になだれ込んだのは、朱雀が自ら鬼門を開いたことが原因でした。晴明は朱雀に立ち向かいますが歯が立ちません。そして、神々と人間とのあり方に疑問を抱き始めていた青龍を伴いその場をあとにする朱雀。朱雀に敗れた晴明は精霊たちの住む山の国へ向かい、精霊たちと対話することであることに気付かされ……。
(C)松竹
アクロバットに斬新な振付など見どころ満載!
(C)松竹
晴明や白虎、玄武が魔物らと格闘する場面では、アクロバットあり、大迫力の大立ち回りあり、見得を切るシーンありと、目が離せない展開です。そしていよいよ朱雀と晴明が対峙するとき、思いも寄らない展開が……!
そんな迫力のシーンをさらに盛り上げるのが、SUGIZOさんによる楽曲や、ケント・モリさんによる振付。歌舞伎がさまざまなエンターテインメントと融合した、ふたつとない舞台は必見です。
歌舞伎を知らない若い方にも楽しんでもらえる舞台
終了後、市川團十郎さん、嶋﨑斗亜さん、演出を担当した広井王子さんが取材会で舞台の見どころや意気込みを語りました。
広井さんから「SEIMEI」をご紹介いただけますか。
広井:
晴明の陰陽道を、魔法ではなく、人間臭く悩みながら四神とともに悪霊を倒すという、今井(豊茂)さんの脚本のまま表現しました。すごく新しい歌舞伎になったと思います。ぜひ若い方や、まだ歌舞伎を観たことがない方にも観ていただきたいです。
世界に誇るクリエーターの方々とのコラボを改めてどうお感じですか?
嶋﨑:
歌舞伎の舞台は何度か鑑賞したことがあるんですが、僕が鑑賞した歌舞伎の中でもなかなか取り入れることのないような音楽や振付が組み込まれています。僕のファンの方は20代の方も多いと思うんですが、若い方でも楽しめる演出もあります。いろんな要素が組み合わさって、本当に老若男女が楽しめる舞台になっていると思います
團十郎:
やはり才能を感じます。歌舞伎の舞台ですと伝統を踏まえてその中で動いていくので、その枠組からはみ出る動きやセリフはないんです。でも今回は音や動きに関しても、歌舞伎とは別の世界で活躍されている方々がアドバイスをくださったり、力をくださいました。
日本の才能ある方々が、歌舞伎というものをひとつのベースにして多くの方々に観ていただいて、こういう作品が海外の方々にも観てもらえるような機会を作っていけたらいいなと思います。
「千秋楽には團十郎さんにガツガツとツッコめるようになりたい」
團十郎さんと嶋﨑さんは初共演ですが、印象はいかがですか。
嶋﨑:
稽古の場に入ったときと、普段の楽屋での雰囲気が違って、スイッチがすごくしっかりされている方だと思います。舞台稽古のときに團十郎さんがいらっしゃると、僕も身が引き締まります。
普段はボケたりもされて、僕は関西人なんでツッコミたくなるんですけど、偉そうにならないように気をつけています(笑)。千秋楽にはガツガツとツッコめるくらいの感じになれたらいいと思います。
團十郎:
若さって、面白いなと思います。四神のうちの3人は歌舞伎役者なので、いろいろ苦労もあるのかなと思うんですが、でもそれを乗り越えていく躍動感と元気があります。それが前に進む力。やっぱり若いときの自分もそうだったなって思い出して、うらやましいです。
以前、2人の距離を縮めるために「なんばグランド花月」に行きたいとうかがいましたがどうなりましたか?
嶋﨑:
「大阪の公演中に行けたらいいね」と言っていただいて、でも公演も毎日ありますし、公演が終わった後もお忙しくされていると思うので、もしお時間があったら……。
團十郎:
そうなんだ! はい、わかりました。
嶋﨑:
本当に「今日本当にやることないよ」というときがあれば……!
團十郎:
でも、(嶋﨑さんも)お忙しいでしょう?
嶋﨑:
團十郎さんほどじゃないです。
團十郎:
では逆に聞いていただけたら!
最後に見どころを教えて下さい。
嶋﨑:
舞台の中の人間の驕り高ぶりと欲の部分が、現代でも通ずるものがあると思います。楽しんで観ていただくのはもちろんですが、言われてみれば今の世の中もちょっと重なる部分があるな、と気にかけながら観ていただけたら、より深い楽しみ方ができるかなと思います。
團十郎:
いみじくも斗亜くんが言っていたように、昨今の日本は不安定じゃないですか。本当に我々は明るい未来に向かっているのかというのを、この今を生きていても感じることがあるじゃないですか。でも、それはこの台本にもあったように、人間が作ってきた現実であり、人間が自分たち中心に生きたことによって与えられている環境であるということなんです。
そういうものの中で、戦いではなく、ともに向き合って、剣や鉾を使わずに、闇ではなく光の方向へ歩む。そういうことが描かれていて、実は今の時代に一番大事なメッセージ。それが伝えられたらいいなと思います。
写真左から:広井王子さん、SUGIZOさん、嶋﨑斗亜さん、市川團十郎さん、ケント・モリさん
JAPAN THEATER『SEIMEI』 Supported by 飯田グループホールディングス
【大阪公演】
開催期間:2025年2月19日(水)~2月24日(月・祝) 全9回公演
会場:オリックス劇場(大阪府大阪市西区新町1-14-15)
料金:【一等席】12,000円、【二等席】9,000円、【三等席】4,000円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可
出演:市川團十郎 嶋﨑斗亜(Lil かんさい)他
脚本:今井豊茂
演出:広井王子
楽曲:SUGIZO
邦楽作曲:今藤長龍郎
神楽振付:ケント・モリ
歌舞伎音楽:田中傳次郎
写真/(C)松竹 文/中野純子