「御成」もっと知って 5月4日にイベント
鎌倉市在住の若者が企画したイベント「御成祭」が5月4日(日)、御成町駐車場(御成町10の33・鎌倉駅徒歩1分)で初開催される。主催する「株式会社鎌倉匠人(しょうにん)」のCEO廣瀬一彦さん(=人物風土記で紹介)をはじめスタッフは20代中心。「御成町の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」と意気込む。
鎌倉で生まれ育った廣瀬さんと、鎌倉にほれ込んで移住した藤田隼也さんが昨年12月に設立した鎌倉匠人は、体験イベント付き民泊事業など、これまでにない独自の観光コンテンツを提供するために誕生した。
都内にある経営コンサルタント会社の同僚だった2人は、他の観光都市と比べて鎌倉市の宿泊客比率が低く、平均消費額も少ないことに着目した。独自調査を行い、「京都は29%、横浜も11%が宿泊しているのに鎌倉は5%ほど。日帰り観光でも消費額が少ない傾向がある」と分析。
一方で藤田さんは、「これは観光産業の伸びしろがあるということ」と前向きにとらえ、「魅力あるコンテンツを生み出して宿泊者数や消費額が伸びれば、まちのためになる」と展望を語る。
さらに調査を進めると、県外からの来訪者の70%が「御成の名前を知らない」と回答。幼少の頃から過ごす御成町の知名度が低いことから、廣瀬さんは「特色ある魅力的なお店や、美味しい食事もある。有名観光スポットだけじゃない魅力をもっと知ってもらいたい」とイベント開催を決めた。
当日のメイン会場である同駐車場では、飲食や物販、体験型ワークショップなど25店が参加。廣瀬さんと藤田さんが自ら食べて体験した「地元市民として自信を持ってお勧めできるもの」を厳選し、各店に参加を直談判した。
さらに、オーバーツーリズム対策を視野に、イベント専用のまち歩きアプリを開発。謎解きイベントのルートは誰もが知るようなスポットや大通りなど混雑する場所を避け、ゆったりと鎌倉散策を楽しみながらクイズに挑戦する。正解者には提携店で利用できるクーポンを進呈し、メイン会場に密集せず広く市内に分散を図る。
イベントの開催時間は午前10時から午後4時まで。公式インスタグラムで最新情報を発信。まち歩きアプリは、AppStore(「御成祭」で検索)からダウンロードできる。