Yahoo! JAPAN

自分ならどうする?「プルリブス」はユートピアか、ディストピアか ─ 主演「日によって見方が違う」

THE

「ブレイキング・バッド」のヴィンス・ギリガンが製作・監督・脚本、スピンオフ「ベター・コール・ソウル」キム役のレイ・シーホーンが主演を務める最新作「プルリブス」は、“幸福”に感染した世界を描くSFドラマシリーズだ。いわゆる“終末世界”とは一線を画し、さまざまな解釈を許す独自の世界観が作品の核となっている。

この記事には、「プルリブス」シーズン1第1話『我々とは私たち』&第2話『女海賊』のネタバレが含まれています。

<!--nextpage--><!--pagetitle: 【ネタバレ】
「本当に難しい」-->

この記事には、「プルリブス」シーズン1第1話『我々とは私たち』&第2話『女海賊』のネタバレが含まれています。

画像提供 Apple TV+

画像提供 Apple TV+

「プルリブス」シーズン1第1話では、宇宙の信号により世界中の人間に異変が発生。人々の心は一つとなり、一人称は「我々」へと変化する。免疫を持つキャロル(シーホーン)は感染を免れたものの、妻のヘレン(ミリアム・ショア)はこの“至福の共存状態”に陥ったのち命を落としてしまう。

免疫を持つ者は、全世界でたった13人。第2話では、そのうち英語を話せる5人とキャロルの面会が設定される。キャロルは世界を救うため協力を求めるが、メンバーの一人・クンバは「なぜ救う必要がある?」と返す。犯罪・差別が消え、環境汚染が止まり、平和が訪れた新世界を、彼はユートピア(理想郷)だと考えているのだ。さらに他の者たちも、集合意識への同化を望んでいることがわかる。

果たしてこの世界は“ユートピア”か、“ディストピア”か。自分がキャロルならどうするか――。本作は、視聴者にも考えを促す作品だ。THE RIVERでは、主演のレイ・シーホーンにこの問いを投げかけると、シーホーンは「良い質問ですね」と応じ、次のように語ってくれた。

「日によって、状況によって、私は全く違う見方をしていたと思います。まさにそれこそが、ヴィンスがこの作品で提起したかった問いなんです。彼は、視聴者の間であらゆる会話や難しい議論を生むような作品になってほしいと願っている。私も同じです。例えば、“幸福や満足の定義ってよく分からないかも”とか、“個人とは何だろう?”とか、そういった疑問に気づけるでしょう。」

シーホーンは自身について「私は“全体にとって最善のこと”を考える人間です」としたうえで、「それでも、私たちはみな“個人の追求”や“自分が考える幸せ”を完全に捨て去ることはできません」と指摘。だからこそ「自分だったらどうするか?」への答えはまだ出ていないという。

「だから本当に難しい問いなんです。私は答えを避けているわけではなく、この作品で提示されたテーマに、今も向き合っている最中なのです。私にとっては、それが一番エキサイティングな部分でもあります。」

視聴者はまずキャロルの視点で物語に入るため、この世界を“ディストピア”として受け取るかもしれない。しかし物語が進み、他のキャラクターの主張に触れるにつれ、別の解釈も見えてくる。見る角度によって姿を変える世界観は、本作「プルリブス」の大きな見どころといえるだろう。

「プルリブス」はApple TVで配信中。毎週金曜日に新エピソード更新。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. EXILE THE SECOND LDH PERFECT YEARに2年ぶり4度目のアリーナツアー開催決定!

    WWSチャンネル
  2. 【東京散歩コース】日本橋・人形町~江戸時代から続く老舗を巡れば、街の歴史も見えてくる~

    さんたつ by 散歩の達人
  3. 北海道平取町で発見された化石の正体が明らかに! 東アジア初となる白亜紀の<チョウザメ>化石が報告

    サカナト
  4. 革ジャンはどう着こなすのが正解? 「ショット」森田さんの、俺のアメカジルール。

    Dig-it[ディグ・イット]
  5. 【テレビ高知タイアップ企画】キテレツが咲く!高知県いの町で続々新発見!イカを使ったたこ焼きや店の奥が見えないカオスな手芸店まで盛りだくさん!

    高知県まとめサイト 高知家の○○
  6. 『猫はこたつで丸くなる』を見事に裏切った『こたつの上で爆睡する白猫』…思わず笑みがこぼれる光景に6万いいね「わぁ最高な光景」「かわいい」

    ねこちゃんホンポ
  7. 34歳夫&妻55歳! 20歳超え「年の差」カップル6人に聞いてみたら…むしろ“超”年上が優勝だった

    コクハク
  8. 一生ついて行きます! 職場にいた“理想の女上司”エピソード集「とにかく帰っていい」の言葉に泣いた…

    コクハク
  9. 失敗ばかりの「ミモザの鉢植え」、成功の秘訣は“マニュアル外”の育て方にあり? 4年目で気づいたコツ

    コクハク
  10. 全館使うアート展が山口市菜香亭で 11月21日から「第12回アートdeおもてなし」

    サンデー山口