齊藤京子「乗り越えられない試練は来ない、近くにいる人の言葉がヒントになったりする」#春からの君に伝えたいこと
人生の先輩である著名人の方々から、春から新生活、新しい学年が始まる大学生のみなさんに、エールを送る「春からの君に伝えたいこと」。
今回は映画『#真相をお話しします』に出演した齊藤京子さんが登場。自身の学生生活やお仕事をする中で感じたことから、学生たちへアドバイスをくれました。
【写真】齊藤京子の撮りおろし齊藤京子が<春からの君に伝えたいこと>
1.学生は今を楽しく生きるでいい「自分の好きなように生きてね」
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
学生時代はとにかく楽しむことが大事だと思います。ただ、大人になると、「もっと真面目に勉強すればよかったな」と思うこともいっぱいあって。なので、学生はある程度真面目に勉強しつつ、今を楽しく生きる、それでいいんじゃないかなと思います。今考えても、学生時代が一番楽しくてそれでよかったなと思うし、「自分の好きなように生きてね」と伝えたいですかね。
――具体的に、どんなことをやっておけばよかったなと思いますか?
私は先生の話をしっかり聞いていたタイプではなかったので、勉強は得意ではなかったんです(笑)学生生活は、ただ楽しめればいいと思っていました。でも、学校は知識だけでなく人間関係を含め、大人になっていくにあたって必要なことを学ぶ場所だったということを、大人になってから気づいたんです。だから、勉強もある程度はしておけばよかったなと思いますね。「学生生活を楽しんでください!」という気持ちが一番大きいですが、特に英語や国語は大人になってからもできるに越したことはないので、先生の話をしっかり聞いて理解することが大切だなと思いましたね。
2.乗り越えられない試練は訪れない、近くにいる人の言葉がヒントになったりする
――これから新生活を迎える学生が見たり、聞いておいたほうがいいものは?
中島みゆきさんの「時代」は辛くて涙が止まらないときに聞くと、「そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ」という歌詞にとても励まされます。また、私は乗り越えられない試練は訪れないと思っています。それを乗り越えられたら強くなると信じて、頑張って乗り越えるようにしているのですが、そういうときに近くにいる人にいただいた言葉がヒントになったりすると感じるんです。そうやって日常にたくさん散りばめられているヒントに気づけるような人であるといいなと思います。
3.人見知りという言葉を使うとそこで止まっちゃう
――新生活、新しい環境をスタートするときにやっておいてよかったなと思うことや心構えはありますか?
やっぱりコミュニケーションはすごく大事だと思っています。人見知りという言葉で片付けることって多いと思いますし、私自身も人見知りな方で。でも、人見知りという言葉を使うと関係性が止まってしまう気がしますし、会話しないと何も生まれないので逃げないようにしようと思っていますね。今までは一人でいることも好きだったのですが、喋ることで相手が笑顔になったら私も嬉しいから、関係性を深めて友だちを増やしていくことも大事だなと最近は思います。
現代ならではのメッセージ性を持っている作品
――4月25日には齊藤さんの出演映画『#真相をお話しします』が公開されます。原作や脚本を読んで、どんなところに魅力を感じましたか?
異なる物語が、最終的に一本に繋がるという点が斬新で面白いですし、現代ならではのメッセージ性を持っている作品だなと思いました。
――今回、監督からキャストのみなさんに役柄のバックボーンが書かれた冊子が配られたそうですね。
「クランクインする前にぜひ見てください」と全役柄の詳細が書かれた資料をいただきました。年齢だけじゃなくて、「こういう会社に務めていて年収はこれくらい」「こんなことを思っていたけど、結果こういうエンディングを迎える」とか、それぞれのキャラクターについてすごく詳しく書いてあったんです。それを撮影前に見ることによって、すごく作品に入り込みやすかったです。
――今回の役柄を演じる上で心がけたことや準備したことはありますか?
キャラクター的には今までにやったことのない、テンションの高い女の子だったのですが、私自身は声のトーンが低めなので、テンションを上げてお芝居するレッスンを受けたりして撮影に臨みました。
――現場で印象的なことを教えてください。
今回、伊藤(健太郎)さんと菊池(風磨)さんとご一緒させていただいたのですが、私自身もアイドル経験があることから、菊池さんとは合間にアイドル活動に関するいろんなお話をしました。伊藤さんとはタイミングが合わずなかなかお話できなかったのですが、恐怖を感じずにはいられないくらい役に入り込んだお芝居に圧倒されました。
――完成作をご覧になった感想を教えてください。
台本を読んでいたのでもちろんストーリーなどは把握していたのですが、完成作をスクリーンで観て「あのシーンはこんな感じになったんだ!」と感じる部分が多くて。例えば岡山天音さんが演じた配信チャンネル管理人の配信シーンは、世界観がまさに令和だと思いましたし、改めて『#真相をお話しします』という作品がすごいものだと感じました。
お芝居の幅を広げられるようになりたい
――これからご覧になるみなさんには、どう楽しんでほしいですか?
すごくメッセージ性が強くて、見終わった後に現代とは切っても切り離せないSNSについて、改めて見つめ直さなくてはいけないなと感じるのですが、それも含めてエンタメとして楽しんでもらえたらなと思います。
――SNSや配信という今を生きる人にとってすごく身近なことがテーマになっていますが、SNSと付き合う上で意識していることはありますか?
自分が伝えたかった意味とは全然違うニュアンスで捉えられてしまったり、写真に写り込んでいたもので誤解されてしまうことがやはりあるんです。ただそれはSNSをやる上で覚悟しているので、できる限りそうならないよう気を付けて活用しています。
――作中の配信のように話題性があるものをつい見ちゃうという人は多いですが、齊藤さんがついチェックしてしまうものは?
今、健康志向が高まっているのですが、「こういうものを食べるとからだにいい」などの話題を一回見るとそのあともおすすめでいっぱい出てくるので、それはつい見てしまいますね。できそうなことは実践してみたら、日に日に体調が良くなり、お肌もトラブルがなくなってきたりと、コンディションが整ってきました。
――今作が映画初出演で、最近ではドラマの主演も務めていましたが、演技の面白さや難しさを感じることはありますか?
素の自分に似た役だったらすごく演じやすいのですが、本来の自分とはかけ離れた役だと、まずはそのキャラクターの思考回路を落とし込まななくてはならないので、やっぱり難しいなと感じます。また、一つの役を演じ終えたあとに、またすぐに違う役を演じるのは、切り替えが難しいですね。でもそれもお芝居の面白さですし、共演者の方と掛け合いをすることで生まれるものを感じると、とても楽しいと感じます。
――今後挑戦してみたい役や作品はありますか?
いっぱいありますが、『イカゲーム』や『LIAR GAME』など密室で戦っていくようなデスゲーム作品は以前から好きなので、いつかプレイヤー役に挑戦してみたいです。また、これまで地味めなOLや恋愛に奥手な子を何回か演じさせていただくことが多かったので、、それとは真逆なテンションの高い役や、怒鳴るキャラクターなども沢山やってみたいです。お芝居の幅を広げて、そういう一面もあるんだと思っていただけるようになりたいです。
PROFILE
齊藤京子
1997年9月5日生まれ、東京都出身。2016年にけやき坂46(現日向坂46)に加入し、2024年4月5日にに横浜スタジアムにて開催された卒業コンサートをもって卒業。俳優としての主な作品に「泥濘の食卓」(主演/23)、「恋愛戦略会議」(24)、「いきなり婚」(主演/25)などがある。今後は、4月29日からスタートするドラマ「あやしいパートナー」で八木勇征さんとW主演を務める。
映画『#真相をお話しします』4月25日(金)全国ロードショ
あるビルの警備室で、パソコンの画面をのぞき込む桐山と友人の鈴木。彼らは、生配信暴露チャンネル『#真相をお話しします』の配信を今か今かと待っていた。
そこで明かされるのは、あらゆるゴシップの真相。有名人の裏の顔、世間を騒がせたあの事件の報道されていない真実…。スピーカーに選ばれし者はとっておきの真相の暴露と引き換えに観衆からの投げ銭を獲得する、一世一代の大勝負が繰り広げられる今一番ホットな場所。驚愕の暴露の数々に沸く観衆と、飛び交う高額の投げ銭。チャンネルが史上最大の盛り上がりを見せるなか、ついに桐山がスピーカーに指名され、投げ銭で大儲け。しかし友人だと思っていた桐山も突如スピーカーとして名乗り出て…。
今宵明かされるその真相、あなたも覗きたいと思いませんか?
https://kyosora-movie.jp/
取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子