ニューヨークの地下鉄駅、LGBTQ+の歴史を象徴する名称へ変更
ニューヨークのウェストヴィレッジを通るクリストファーストリートは多くのニューヨーカーにとって、クィア文化の中心地として長く輝かしい歴史を刻んできた。
通りの東端には、伝説的なゲイバーである「ストーンウォール イン」(1969年、警察に対する暴動が数日間にわたる抗議行動に発展し、現代のLGBTQ+運動に火をつけた場所)があり、西端のクリストファー・ストリート・ピアは、何十年にもわたって人々が出会いの場所として利用されてきたスポットである。
このストリート周辺地域の重要な過去へのオマージュとして、地下鉄の「クリストファー・ストリート」駅が、近々「クリストファーストリート=ストーンウォールナショナルモニュメント」駅に改名される見込みだ。
この名称変更はブラッド・ホイルマン・シガール上院議員とデボラ・グリック下院議員が提出した新法案に伴うもので、これは象徴的なストーンウォール国立記念碑、ストーンウォール イン、クリストファーパークとクリストファーストリートを含む近隣の歴史的なランドマークをたたえることを目的としている。法案は州上院を通過し、ニューヨーク州知事のキャシー・ホーチュルが署名すると見られている。
2016年、アメリカ大統領のバラク・オバマはストーンウォール インを建物の周辺地域とともにナショナルモニュメントに指定。LGBTQ+の歴史に特化したアメリカ初にして唯一の国立公園とした。2024年6月、ストーンウォール インにはビジターセンターもオープンする予定で、訪れた人はパークレンジャーからこのバーと近隣の意義などを聞けるようになる。
地下鉄の駅名を変更することは、街の歴史に対する、ささやかだが重大な主張であり、LGBTQ+ニューヨーカーにとっては、自分たちの歴史の重要性を確認することでもあるといえる。
Ian Kumamoto / Time Out Tokyo Editors