新図書館めぐる審議終わらず、9月18日も続行、四日市市議会の予算常任委員会全体会
三重県の四日市市議会は9月17日、予算常任委員会全体会を開き、総務常任委員会が採決を避けて全体会審議が必要とした新図書館のあらたな候補地とその周辺を調査する一般会計補正予算案の事業費の扱いを審議した。土地所有者との交渉を進めるために必要とする市側に、近鉄四日市駅前での計画断念と同じ事態はもう許されないと、土地取得の実現性について詳しく説明を求める委員との間でやりとりは終わらず、9月18日の予備日を使い、審議を続行することになった。
委員からは、市役所北のあらたな候補地は、取得できるとの判断があって、初めて調査に入るべきもので、「調査はしたが売ってもらえないとなれば、賭けごとに議会が承認のハンコを押すようなものだ」とする厳しい意見もあった。
「図書館ができれば人が集まると考えるのは甘く、中央通りの公園整備などとどう連携させ、中心部の街づくりに生かすのか、案を示してほしい」との意見もあった。
近鉄四日市駅前の計画断念からほぼ3カ月であらたな候補地が示されたことについても、「本来なら、いったん立ち止まって、全方位から計画を見直して動きだすくらいでよかった」「図書館のあり方に意見を寄せてきた市民団体も、何も意見を聞かれることなく、あらたな候補地が出てきたと感じている。もっと市民の声を聞いて進めてもいいのではないか」との指摘もあった。
市側は、新図書館の実現に対する市民の要望は強く、できるだけ早く進めたいと検討してきたとし、市民の声は今後の基本計画に十分反映されると答えたが、委員からは「市民の要望というが、今回のあらたな候補地を要望した市民団体などはないはずだ。市民の使い方が違う」などとする反論もあった。
一方、あらたな候補地の所有者のなかには企業もあり、役員会の存在などを考えると、土地の価格を決定する今回の調査は必要だとする意見もあった。
委員からは、過去を含め、図書館計画に関する資料の求めが相次いだ。市側がそれらを作成のうえ、9月18日朝から審議を再開することとした。