古代エジプト人の暮らしぶりを知る「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が、4月6日まで六本木『森アーツセンターギャラリー』で開催中
『ブルックリン博物館』が誇る古代エジプトコレクションから、選りすぐりの名品群が六本木に集結。彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、さらに人間やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、高度な文化を創出した人々の営みをひもとく「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が2025年4月6日(日)まで、東京都港区の『森アーツセンターギャラリー』で開催される。TOP画像=《神官ホル(ホルス)のカルトナージュとミイラ》(部分)前760~前558年頃 『ブルックリン博物館』蔵 Photo: Brooklyn Museum
古代エジプトの人々の暮らしが明らかに
印象派の絵画から浮世絵のコレクションまで150万点超の収蔵品を誇る『ブルックリン博物館』。なかでも、米国で最大の古代エジプト美術コレクションは、彫刻、レリーフ、絵画、土器、パピルスなど、1200点を超える貴重な作品を含み、同館最大の見どころだ。
本展はその『ブルックリン博物館』が誇る古代エジプトコレクションから、選りすぐりの名品群が東京・六本木に集結するもの。約150点の遺物から古代エジプトの謎をひもといていく。
広報担当者は「多様性に富んだ入門編古代エジプトと言える本展。今回特に注目作品の一つが《王の頭部》です。おそらくクフ王の頭部とされ、クフ王のものがほとんど発見されていない中で、高さ50㎝を超える本作は発見されているものでは最大。日本ではおよそ40年ぶりの公開となります。また、もう一つの見どころとして、最古といわれる葬送文書を当時の人々が話していたであろう古代エジプト語の『発音』を再現。臨場感たっぷりな展示空間が広がります」と見どころを語ってくれた。
謎の多い古代エジプトの「日常生活」とは?
日本国内でこれまで数々の古代エジプト展が人気を博してきたが、古代エジプトに生きる人々の営みについては、あまり多くは語られてこなかった。
1st Stageでは、5000年以上前から高度な文明があったことを物語る資料をはじめ、古代エジプト人の日常生活が垣間見える作品の数々を展観。当時の住居環境、食生活、仕事事情、身だしなみ、出産や子育てなどに着目し、現代の生活へもつながる身近な謎を掘り起こす。また、謎に包まれたファラオたちの権力とその実像を解明していく。絶対的な権力を有したとされるファラオ。ピラミッドや神殿など壮大な建築物や装飾の数々から、当時の彼らの威光を垣間見ることができる。
2nd Stageでは、クフ王やラメセス2世など、先王朝時代からプトレマイオス朝時代まで3000年の王朝史を通じて活躍した12人の王にまつわる作品を紹介し、王の姿と王朝の変遷をたどる。また最新研究を元に、巨大ピラミッドの建築方法や建てられた当初の姿を解き明かしていく展示にも注目したい。
Final Stageでは、古代エジプト人のユニークな死生観にまつわる謎を紹介。人は死後、来世で復活し永遠の命を得ることができると信じられていた。人や動物のミイラをはじめ、美しい副葬品の数々や葬儀のための道具、神々の姿をあらわしたレリーフなど、葬送儀礼に関する作品が並ぶ。ミイラはなぜ、どのように作られたのか? 古代エジプト人の死生観に迫る。
高度な文明を誇り、ユニークな死生観を持った古代エジプト人たち。なぜこれほどまで今なお現代人の心を引きつけるのか? その秘密に触れられそうだ。
開催概要
「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」
開催期間:前期2025年1月25日(土)~4月6日(日)
開催時間:10:00~18:00(金・土・祝前日は~20:00。入館は閉館30分前まで)
会場:森アーツセンターギャラリー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F)
アクセス:地下鉄日比谷線六本木駅から徒歩3分、地下鉄大江戸線六本木駅から徒歩6分
入場料:《当日券》一般2500円(土・日・祝は2600円)、高校・中学生1800円(土・日・祝は1900円)、小学生1200円(土・日・祝は1300円)
※土・日・祝は日時指定制。チケット販売はチケットカウンター(六本木ヒルズ森タワー3F)、森アーツセンターギャラリー オンラインチケット、 イープラス(平日のみ)、 ぴあ(平日のみ)、セブンチケット(平日のみ)、ローソンチケット、 アソビュー、日テレゼロチケにて。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://egypt-brooklyn.exhibit.jp
取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。