静岡県で全国初の取り組み 小学生バス無料デー 利用者数に変化は?満足度は?
■無料デーの利用 子どもは通常の4倍に増加
静岡県は昨年12月に実施した「小学生バス無料デー」の結果を公表した。前後の週と比べて利用者数は約4倍に増加。保護者の満足度は8割を超えた。
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静岡県は昨年12月7、8の2日間、県内の小学生17万3000人が無料でバスを利用できるイベントを開催した。全県規模のバス無料デーは全国初の試みだったという。
対象となったのは県内を運行する路線バスとコミュニティバスで、事前に配布したリーフレットを運転士に提示することで小学生が無料で乗車できる仕組みにした。無料デーの2日間でバスを利用した人数は15万9615人。そのうち3821人が子どもだった。
無料デーの前週は、それぞれ14万5146人と959人。翌週は15万4261人と893人だったことから、無料デーがバスの利用につながったと言える。特に、子どもの乗車は約4倍に増加した。
無料デーにバスに乗った小学生のうち、今までにバスに乗った回数が「3~5回」と回答した割合は44%を占めた。その中でも、「1~2回」、「一度も乗ったことがない」の割合は15%に上った。
■「子どもの経験になった」 保護者は8割以上が満足
また、バス無料デーが次回もあったら乗ってみたいと答えた小学生は全学年で6割を超えた。無料ではなくても乗車したい割合はさらに高くなり、全学年で8割に達している。
無料バスデーに子どもと一緒にバスに乗った保護者も8割以上が「満足」と回答しており、イベントはバスの利用を促す一定の効果があったと言える。満足した理由で最も多かったのは、「子どもの経験になったから」だった。
バス会社が連携してイベントを開催した背景には、バスの利用者減少と運転手不足の課題がある。子どものうちからバスに親しみを抱くきっかけをつくり、将来的に通学や通勤で利用してもらったり、運転手として就職してもらったりする効果を期待している。
県は無料バスデーの実施とアンケート結果によって、「バスに乗った小学生や保護者の多くが今後もバスを利用したいと考えていることが分かった」とまとめている。ただ、今後の行動変容につながるかどうか継続した調査が必要になるとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)